トルコ航空、ヨーロッパ最優秀航空会社の栄誉―Skytrax社調査
2011年06月22日付 Radikal 紙

トルコ航空テメル・コティル代表取締役は、トルコ航空が「ヨーロッパ最優秀航空会社」に選出されたと述べ、「これは我々にとって誇りとなるものだ。我々がヨーロッパを越えたと示したことになる。我々はヨーロッパを越えた初のトルコ企業である」と話した。

コティル代表はアナトリア通信に対し行った会見で、航空業界の「オスカー」と呼ばれ全世界で1880万人の旅行者が参加したスカイトラックス社のアンケートの結果、「ヨーロッパ最優秀航空会社(Best Airlines Europe)」に選出されたと発表した。トルコ航空が、コンフォートクラスでは「最優秀プレミアムエコノミーシート」、そして「南ヨーロッパ最優秀航空会社」賞を獲得し、同社の質が今年完全に認められたと述べ、昨年もスカイトラックス社から「南ヨーロッパ最優秀航空会社」賞を獲得していたと話した。

 コティル代表は、「昨年この賞を獲得した時私は、南ヨーロッパの『南(Southern)』という単語を取り払うつもりだと話した。南の単語は今年取り払われ我々は『ヨーロッパ最優秀航空会社』となった。つまり『ヨーロッパ一の航空会社』に選出された。業界を代表するトルコ企業が初めてヨーロッパで『最優秀』に選出されたのだ。トルコがヨーロッパにおいて、あらゆる分野で『最優秀』になることを望んでいる」と話した。

 トルコが大型家庭用品業界で非常に好ましい位置につけていると表現するコティル代表は、板ガラスの生産においてもトルコがヨーロッパを越えたと表現し、次のように述べた。

「トルコはあらゆる分野においてヨーロッパの業界を超える必要がある。我々はトルコ航空として航空業界においてヨーロッパを超え今『最優秀』となった。我々は最優秀航空会社に選出されたのだ。もちろん我々の目的はヨーロッパで最も質の高い航空会社に選出されることではなく、ヨーロッパ『最大の航空会社』になることである。これに向け我々は一歩一歩前進している。『最大』とは数多くの分野から成り立っている。我々は就航都市という観点では最大へ非常に近づいた。現在我々の就航都市は190になろうとしている。ヨーロッパ最大の航空会社は230都市へ就航している。

 したがって我々はヨーロッパで最多の就航都市を持つ航空会社になるつもりだ。現在あと40都市が残った。これは我々にとってはあと2年間の努力と言える。ヨーロッパの強豪航空会社の成長は1970から80年代に止まった。我々は今彼らに追いついている。まずは最多の就航都市を持つ航空会社になり、彼らを捕らえ追い越すつもりだ。今後2,3年でこれを達成する。その後の目的は最多旅客を誇る航空会社になること、最長座席キロを誇る航空会社になることである。これも5,6年で成し遂げられるだろう。そもそも我々は、質という観点では今日ヨーロッパを超え最優秀航空会社に選出されたのだ。」

■関心を引くシステム

 テメル・コティル代表は、トルコ航空に対しこの目標を2005年に設定し、「我々はヨーロッパで一番になる」と話したことを強調し、「今我々はこの目標に少しずつ近づいている。トルコはあらゆる分野で、保健、教育、航空輸送、自動車生産、農業の分野でヨーロッパを圧倒する必要がある。ヨーロッパ連合に加盟する前にあらゆる分野でヨーロッパを超える必要がある。我々の目標はヨーロッパで最も話題となる航空会社になることだ。我々がヨーロッパ最優秀航空会社に選出されたことは全ヨーロッパで話題となるだろう」と話した。

 スカイトラックス社が国外旅行を行う1880万人の旅行者に対し行った「ヨーロッパで最も気に入った航空会社は」という質問の結果トルコ航空が1位に選出されたことに注意を引いたコティル代表は、次のように続けた。

「この評価には、キャビンサービス、キャビンアテンダントの笑顔の効果、新機材、最良の座席が影響している。イスタンブルがヨーロッパから3時間の距離にあり、旅客が疲労しないことが影響している。大きなネットワークを持ち、短い待ち時間で旅行を再開できることが影響している。イスタンブルが非常に美しい都市であること、イスタンブルの魅力が影響している。我々は乗継旅客に都市観光も提供しており、これも影響している。トルコ企業であるということも影響している。これらの関心を引くシステムがある。我々が旅客の評価を獲得したという確固たる事実がある。結果現在ヨーロッパで最も評価を集めている航空会社は我々だ。昨年はルフトハンザで、今年は我々になった。これは我々にとって非常に重要な企業評価、感覚的評価、そして旅客をもたらすものとなるだろう」と話した。

 トルコ航空が、10年前まではトルコ国民だけを輸送する弱小航空会社として知られていたと表現するコティル代表は、次のように述べた。

「もちろん、今ヨーロッパで第一になることには大きな情報価値がある。今後1,2週間のうちに、ヨーロッパでこれを知らない者はいなくなるだろう。ヨーロッパは非常に大きな市場であり、全世界の航空業界の中で35%を占めている。これは1500億ドルの規模があるということだ。ヨーロッパにおける航空業界の市場規模は1500億ドル。今年我々の売り上げ見込みは75億ドルである。昨年は60億ドルであった。つまり、非常に大きなヨーロッパ市場のうち我々はまだごくわずかしかシェアを獲得していない。「最優秀航空会社」に選出されたことによりより多くのヨーロッパ人が我々を利用するだろう。彼らは元々、トルコを訪れる際には我々を利用している。今後は乗継旅客として、イスタンブルを経由し中東、中央アジア、極東に就航する航空会社として利用するだろう。

 売り上げの大部分、航空券の販売額のうち30%をヨーロッパから、つまり60億ドルの30%をヨーロッパ圏の旅客から売り上げている。ドイツへは9都市へ就航し、週250便を運行させている。フランス4都市、スペイン4都市、イギリス3都市、イタリアへは来週以降7都市目が就航予定である。これはヨーロッパ圏の旅客に対し中東、アフリカ、中央アジア、そして極東へイスタンブル乗継で旅行する機会を与えるものだ。この構造を我々は2003年以来構築してきた。ヨーロッパ圏の旅客に対しトルコ航空の販売促進をする上での最大の問題は質であった。2003年以降我々が行ってきたプロジェクトは、結果我々をヨーロッパ最優秀航空会社にした。」

■成功の秘密

 テメル・コティル代表は、スカイトラックス社からの「ヨーロッパ最優秀航空会社」賞の重要性に注意を引き、「これは我々が獲得した最大の賞である。これにより我々はそもそもヨーロッパを超えることが可能であると示したことになる。我々はヨーロッパを超えた初のトルコ企業だ。『最も』という単語を含んでいる『最優秀航空会社』である初のトルコ企業だ。トルコのあらゆる組織が、教育から健康にいたるまでヨーロッパを目標とし、それを超える必要がある。自動車産業で第一のメーカーをトルコから出し、ヨーロッパへ販売してもいいではないか、障害はない。トルコには十分に資源がある。我々もこれを示すことに誇りと興奮を感じている」と話した。

 テメル・コティル代表は、市場でのシェア獲得、成功には3年が必要だと述べ、次のように話した。

「製品は第一に非常に質の高いものであるということ。1万6千人の従業員と共にトルコ航空はそれに成功している。第二には安価である必要がある。それもトルコ航空として我々は非常によくやっている。ヨーロッパのあらゆる航空会社を視野に入れ申し上げるが、現在トルコ航空はそれらより生産性のある企業だ。我々の航空機は平均12時間飛行しているが、彼らは一日平均8時間飛行可能だ。これは、航空機が着陸後に非常に速く準備が行われ再度飛行しているということになる。間に存在するこの差異が生産性であり、運行の経費を削減することができる。我々の使用する運行システムは風をも計算に入れ燃油の節減を実現している。これにより年間3000万ドルの節減が実現した。こうしてトルコ航空は、この6,7年でヨーロッパ一の生産性を誇る航空会社となったのだ。

 また、トルコにおける経費単価はヨーロッパのライバルに比べまだ低い。これらが積み重なり我々の支出は削減された。高品質を実現し、支出を削減したが、第三にはブランド力も必要である。もしブランド力がなければ、いくら良い、大きい、安価な航空会社であろうと、誰もその会社を選択しない。価格は、選択におけるひとつのパラメータである。質、価格、そしてブランド力が重要だ。我々はブランド力のための最大の取り組みを2005年に開始した。予算は500万ドルであった。我々は毎年これを倍にまで引き上げていった。昨年は8000万ドル、今年は1億ドルの予算を組んでいる。今回の受賞に当たり、スポンサー活動が大きく影響している。

 旅客は、『バルセロナやマンチェスター・ユナイテッドがそうするのなら、私もトルコ航空を選択する』と言った。こう言った旅客数は1880万人だ。これはアンケートの行われた旅客数である。最後に機内では、私の署名と共に「あらゆるご不満をお知らせください」という映像が流されている。これを行う航空会社は他にはない。旅客に対し自社の批判を行わせる航空会社は他にはない。この点でも我々は第一の航空会社だ。成功の秘密はこれだ。」

■「この賞を受賞することはできなかった」

 テメル・コティル代表は、トルコ航空のこの成功がまずトルコの新たなビジョンに負っているとも強調し、次のように述べた。

「私は2003年に入社した。ビナリ・ユルドゥルム氏が運輸大臣であった。トルコ航空は型にはまった国営企業だった。これを続けていたら我々がこの賞を受賞することはできなかっただろう。この中の1つでも決して受賞することはできなかっただろう。我々をこの考え方、官僚制から救い出しこの道に導いたのはビナリ・ユルドゥルム大臣だった。彼はこれを行政決定により実現させた。課税額を減額し我々に軽減措置をとることで実現させた。国内に競争をもたらし、我々を緊張させることで実現させた。もちろん同様の形で国外へも手を伸ばし始めた。

 今日に至る第一の功労者は、大臣、そしてもちろんここにビジョンを与えた首相である。我々は2023年計画を信じている。2023年には航空業界で必ずトルコがリーダーとなるだろう。イスタンブルに第3の空港が建設されれば、この地域のリーダーは必ずトルコになるだろう。この成功にはアンカラの要人たちのビジョン、そして1万6千人の従業員の献身も必要だ。我々は非常に良いチームであり、1万6千人の兄弟である。」

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:23009 )