Fikret Bila コラム:国会開会を控え大統領、議員へメッセージ「きれいな始まりを」
2011年06月22日付 Milliyet 紙

アブドゥッラー・ギュル大統領は、国会開会を前に「きれいな始まり」を議員たちに呼びかけた。
大統領はそれの意味するところを次のように説明した。
まず全員が誓約をし、議員となり、その後様々な考えや地域の問題が議論されるということである。
ギュル大統領はこのような言葉で、平和民主党(BDP)が支援する無所属議員たちに対し1991年にレイラ・ザナ議員が起こしたような誓約騒動を起こしてはならないと呼びかけた。
合わせて、以下の忠告を付け加えることも忘れなかった。
「縁を切るような振る舞いをする者は、国民からの信頼を失い、道を誤るだろう。なぜなら話し合いの環境を汚してしまったことになるからだ。これは決して容認してはならない。私は誰もそんなことはしないと確信している。」
大統領はまた、選挙はトルコに民主主義が根付いていることを示したと述べ、完全に意見が対立する者たちも、その背後に国民の一定の支持があれば議会に参加することができると証明されたと強調。議会に参加する者はこれにふさわしい行動が求められると語った。

■学ぶべき教訓

ギュル大統領は、新たに選出された議員たちにきれいな始まりを呼びかけ、1991年の誓約騒動から皆が教訓を得たはずだと語った。BDPが支援する無所属議員たちは、この呼びかけに真摯に耳を傾けなければならない。セラハッティン・デミルタシュ元BDP党首は、誓約問題を起こさないとして誓約内容を明らかにし、今回の大統領の呼びかけに沿う説明を以前している。つまりBDPは1991年のレイラ・ザナ議員の問題から教訓を得ているということだ。

■緊迫した政治

これに対しBDPが支援する無所属議員たちは、事の始めから緊張を生み出すことを辞さない様子である。
例えばディヤルバクルからBDP支援を受けて選ばれたシェラフェッティン・エルチ無所属議員は、誓約式で騒動を起こさないと言いつつ、この誓約に縛られたままでいることは不可能だと発言した。エルチ議員は、誓約になぜ従えないのか、なぜ受け入れられないのかを誓約の前に世間に説明するとしている。
彼のこの言動が示すように、誓約の前にBDPも態度を決めることだろう。
説明というのが、ギュル大統領の呼びかけにどこまで沿ったものなのかも注目するところである。

■BDPの役割

新しい議会は、政党の分布という点で問題がないように見える。有権者の声の95%ほどが議会に反映された状況である。
ギュル大統領が言ったように、最も対立する意見を持つ者も選ばれている。その過程で、特に新憲法が議題の焦点となる今期、BDPが議員をどのように活用するかが重要になる。
これまでPKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)やイムラル島(オジャラン)との無関係を示しきれていないBDPが、今期の議会でも同じ態度をとるようなら、「対話をするのは我々である」という命題が再び持ち上がるだろう。新憲法制定の取り組みについて解決への希望を強調するBDP議員たちは、PKKカンディルキャンプやイムラル島(オジャラン被告が収監)の命令を遂行する組織であることから脱却する必要がある。これが実現できないうちは、政治的対話者としての役割を担うこともできないだろう。全体票の10%という「足切りライン」をクリアして議会進出を果たした36人のグループが新憲法制定で影響力をもつためには、中立的な政治団体であることを証明しなければならない。

■最初の兆候

しかし出だしの動向を見る限り、BDPがイムラル島やカンディルキャンプとの関係を絶って機能する望みは薄い。
クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)は、「我々の解決案を受け入れるか、戦争するか」と強硬姿勢を崩しておらず、同様のコメントはセバハト・トゥンジェル氏がニューヨークタイムス紙の掲載記事にも見ることができる。
課題の筆頭には、オジャラン氏の状況がある。KCKの提示する条件の第一に、オジャラン氏の環境改善と自宅軟禁に向けた議論開始がある。
オジャラン氏の弁護士によるコメントで最も強調されているのもこの点である。
第二の条件は対PKK作戦の停止だ。
BDPはこれらの条件をクリアした上で、新憲法でクルド人について明確に言及することを要求している。こういったメッセージからは、むしろテロの拡大や最悪の場合戦争へと発展しかねない脅威が読み取れる。
ギュル大統領が呼びかけた「きれいな始まり」にふさわしい議会活動になるかどうかは今後明らかになる。
BDP、PKK、カンディルキャンプ、KCKといった側のメッセージは、たとえ誓約騒動がなくとも結局は緊迫した政治手法が継続することを示している。
しかしこのような方法で解決に至るのは非常に困難である。BDPが自らの強硬姿勢を公正発展党(AKP)や共和人民党(CHP)、民族主義者行動党(MHP)に受け入れさせようとするなら、これは彼らが根本的な解決を模索してはいないと思わせるものだろう。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:23012 )