CHPから国会議員当選のエルゲネコン裁判2被告、保釈請求却下
2011年06月23日付 Hurriyet 紙

国会議員に当選した第2回エルゲネコン裁判のメフメト・ハベラル被告とムスタファ・バルバイ被告の保釈請求はイスタンブル第13重罪裁判所により、多数決の結果、却下された。棄却理由は、「請求には憲法に基づくいかなる根拠もなく、罪の疑いが払拭されない。」この決定に対し、キョクサル・シェンギュン裁判所長官は「被告の逃亡の可能性がない」という理由で反対票を投じた。

第24期議会への総選挙で当選した第2回エルゲネコン裁判の拘留中の被告である新聞記者ムスタファ・バルバイ氏と、メフメト・ハベラル博士の保釈要求は却下された。イスタンブル第13重罪裁判所のキョクサル・シェンギュン長官は釈放、正規メンバーのセダト・サミ・ハシュオール氏と、ハサン・ヒュセイン・オゼズセ氏は、拘束期間を引き延ばす方向での意見を述べた。異議申し立ては可能とされた決定では、「捜査の範囲、容疑、捜査資料のなかの文書・報告書、余罪等に関する疑いが払拭されない。本罪状はCMK100/3条にあげられた罪にあたり、一部の被告人は、まだ証言台にたっていない」という理由が示された。ハベラル容疑者とバルバイ容疑者の拘束延期に関する決定の写しは、ただちにトルコ大国民議会に送られることが決められた。

■当選は影響しない

決定では、「法的な根拠に依らない『国会議員選挙当選者は保釈される』という解釈で、保釈の決定が出されることは、国会議員に当選しなかった他の容疑者は現状態が続くことに鑑み、権利と個人の原則、平等の規定に合致しない。このような釈放決定は、階級や地位を考慮して保釈決定が出されると言う意味であり、これは裁判所の信頼性、公平の信念を揺るがす。被告の選挙当選は、拘束状態に影響する要件にはならないとの見解に達した」と記された。

9ページにわたる却下決定の続きはこのようである。

「全て国の近代的な憲法は、規則として、重罪を行った犯罪者を立法府に対する不逮捕特権の対象外としている。憲法とCMKの100の条項とそれに続く条項で釈放の理由としてあがっていない理由により、釈放の条件を持たない被告人が釈放されるならば、裁判所は、法律が定めた権限を逸脱して容疑者を保釈することになる。このようなことを誰も裁判所から望むべきではない。憲法の83条に定められた不起訴特権の要件外の容疑がある場合、国会議員に選出された人物から事情聴衆取り調べの目的で拘留すること、拘留中の国会議員の拘留を延長する決定をするにあたって、国会の議決は必要としない。」

■セバハト・トゥンジェルの例

キョクサル・シェンギュン裁判所長官は反対意見として次のように述べた。「被告らの罪の性質や本質、現在までの証拠の状況、取り調べや弁護の際の説明、罪状の変更の可能性に関し、これまでにすでに(捜査の)目的が達成された。今後、逃亡、蒸発、証拠隠滅の恐れがないことを考えると、保釈される方向で票を投じる。大トルコ国民議会の議員へ民主主義の方向から選ばれたこの2人が、国会議員という職につくことを考えると、逃亡、蒸発、証拠隠滅の可能性は失われた。同じ罪で審理がなされたセバハト・トゥンジェリは、2007年の国会議員選挙で当選し、保釈され、国会で任務にあたった。この状況は、欧州人権裁判所(AIHM)の決定の基準と共に、判例として評価されるべきだ。」

■ハベラル被告の弁護士は泣いた

保釈請求の後、3日間ベシクタシュのイスタンブル法廷に来て待っていたメフメト・ハベラル被告の弁護士であるヤセミン・アンタキヤルオールさんは、決定を聞き悲しんだ。裁判所の判決を知り、アンタキヤルオール弁護士は涙をこらえきれなかった。ハベラル被告の保釈要求の却下は、共和人民党(CHP)から議員が選出されたゾングルダクでも衝撃を与えた。兄の選挙所で決定が決まる様子を見守ったオスマン・ハベラル氏は判決に関する会見を拒否した。ハベラル容疑者の他の兄弟である、バシュケント大学病院のアリ・ハベラル博士も口を開こうとしなかった。6月12日、息子に投票したメディネ・ハベラルさん(91)には裁判所の判決は伝えられなかった。

新聞記者のバルバイ被告のメフメト・イペキ弁護士と、アイドゥン・メティン弁護士は今日再度、裁判所に出向き、保釈拒否に関する決定に異議申し立てを行う。

■攻撃に無言でいてはいけない

共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首はハベラル容疑者とバルバイ容疑者の釈放要求の却下の後、陪審員検察官協会のエミネ・ユルケル・タルハン前代表、エルジンジャン前共和国検事長イルハン・ジハネル氏、欧州人権裁判所の元裁判官ルザー・トゥルメン氏と会議を行った。クルチダルオール党首は、会議後に行った会見で次のように述べた。

「あなた方がこの人たちの議会への登院を妨げようと言うのなら、国民の意思を無視するということだ。この決定は国民の意思に対するある種の攻撃だ。この攻撃に対し無言でいるつもりはない。国会で結論を得るまで、断固たる決意で戦いを続ける。皆さんには次のことを知っていただきたい。『政治的権力の意向にそって決定を行う者がおり、そして共和人民党(CHP)は無言でいる。』私たちはこれを認めません。民主主義は皆のためにあり、法は私たちのためにあります。誰かのための民主主義、誰かのための法というものはありません。彼らは国会議員として国会に来ます、そして自由意思でこの任務を行うのです。」

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:23020 )