ギュル大統領「司法は民意に応えていない。国会で解決を。」
2011年06月25日付 Milliyet 紙

ギュル大統領は、「司法が時とともに要望に応えない状態になっており、民意と一致しない結果を生みかねないということは、ひとつの事実です」と述べ、憲法改正のために共に取り組みたい意思を全党に呼びかけた。

アブドゥッラー・ギュル大統領は、ハーティプ・ディジュレ氏の当選が無効になったこと、および、国会議員として選出されたムスタファ・バルバイ氏、メフメト・ハベラル氏、エンギン・アラン氏が釈放されなかったことによって募った政治のテンションを落ち着かせるため、書面にて見解を示し、解決への取り組みを国会の下で行うように呼びかけた。ギュル大統領は、「世界のあちこちで起こっているように、我々の国でも、司法が時とともに要求に応えられない状態になっており、民意と一致しない結果を生みかねないということは、ひとつの事実です」と含意のある言い方で昨今の司法の在り方を批判し、合法且つ民主主義の基盤にて憲法改正を行う取り組みに、全党へ参加を呼びかけた。

■影を落とさないように

ギュル大統領は6月25日に書面にて、トルコは高投票率をもって選挙を成功のうちに成し遂げ、国民の多くをきちんと代表した議会体制を作ることができたと述べた。書面のなかで、「(この選挙によって)我が国の民主主義的発展度合と成熟度合いが明らかになり、全世界が賞賛したこの成功に影を落とさないようにすることは、大きな意味を持ちます」と述べ、名前は明らかにしなかったが、ディジュレ氏が高等選挙委員会に当選無効を言い渡されたこと、容疑者として裁判にかけられているバルバイ氏、ハベラル氏、アラン氏が議員に選出されたにもかかわらず釈放されなかったかったこと、またこれによって起こった議論に関して含みをもった発言をした。ギュル大統領は、書面のなかで以下のように述べた。

■「民意と一致しない」

「トルコ大国民議会の体制と投票者の95%以上の意思を反映するという割合(注)は、解決策が待たれる問題を協力して乗り越えるための大きなチャンスとして捉えるべきです。昨今の司法による決定やこれに関する議論は、憲法上又は法律上の規制などをはじめとして、法システムと民主主義が世界的基準に到達する上で、依然として根本的な改定の必要であることを示しているのです。
今日直面している法律に起因する各問題は、我が国にとってひとつの機会になると信じています。世界の多くの場所で起こっているように、我が国でも、法律がが時とともに要望に応えられない状態になっており、民意と一致しない結果を生みかねないことは、ひとつの事実です。
このため、当の問題を解決のためのひとつの機会として捉え、民主主義の基準を上げる新たな憲法を作成し早急に施行することは、もう避けられない状態になっています。」

■「国会へ」呼びかけ

ギュル大統領は、宣誓式に参加せず国会をボイコットすると発表した平和民主党(BDP)幹部についても、解決の場は国会だと呼びかけ、以下のように続けた。

「問題を民主主義的な方法で解決するのではなく、見てみぬふりをしたり解決を延期することは、問題を更に膨らませ、エネルギーロスに繋がります。我々の政治史上、このような状況の顕著な例がたくさんあります。これら全ての解決の場は、最近新たに民意が委ねられたトルコ国民議会なのです。この観点から、国会で国民代表となる機会を手にした各党に対し、国会外ではなく、まさにこの合法的民主主義の基盤である国会で、社会のあらゆる層の参加をえて、皆で問題に取り組むことを、呼びかけます。」

■「ボイコットに関する発言」

ギュル大統領の発言は、6月25日朝、大統領府ホームページに掲載された。この発言は、つづいて、ヘッドライン・ニュースとしてホームページのメイン画面にも掲載された。メイン画面では、「ギュル大統領は、司法による拘留中の当選者の保釈却下の件、およびBDP系無所属候補者の『ボイコット』決定に関して発言を行った」と書かれた。

【訳者注】10%の得票率制限の結果、今回の選挙では5%の投票は無効になった。残る95%が有効票となったことをさしている。

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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:23035 )