アルジェリアの青年グループがフェイスブックで歌謡祭反対キャンペーン
2011年06月27日付 al-Quds al-Arabi 紙
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■ アルジェリアの若者、フェイスブック上でエリッサのアルジェリア公演反対キャンペーンを展開、彼女にトマトを投げつけると威嚇
2011年06月27日『クドゥス・アラビー』
【アルジェ】
アルジェリア文化省がジャミーラ歌謡祭やティムガド歌謡祭をはじめとする歌謡祭を主催することに怒りを募らせる若者たちは、フェイスブック上で「レバノン人歌手エリッサをはじめとする不貞な女性芸能人」のアルジェリア訪問に反対するキャンペーンを開始した。
キャンペーンの主催者たちは「社会を腐敗させるため彼女たちに費やされる金の恩恵を受けるに相応しいのはアルジェリア人や若者たちの方だ」との見解を示し、抗議をさらに激化させて上記の2つの祭典を失敗に終わらせるべく、現場で靴やトマトを投げつけるなどの行動をとると警告を発している。
数ヶ月前にはモロッコの青年たちがマワーズィーン音楽祭に反対するキャンペーンを展開している。今回のキャンペーンを主催している活動家たちは、シェブ・ハーリドやカーズィム・アッ=サーヒルなども含めた芸能人、しかしとりわけエリッサをはじめとする「不貞な女性芸能人」に対して「あなた方を私たちは歓迎しない。訪れるのであれば責任とリスクを負うことになる」と警告した。
アルジェリアの『シュルーク』紙によると、青年たちは国家に対して歌謡祭の戯れに歯止めをかけるよう呼びかけ、そこで費やされる資金に対する自分たちの権利を求め、自分たちは「最も裕福な国家における最も貧しい国民だ」として、自分たちこそそのような資金の恩恵にあずかるに相応しい存在だとの見解を示している。
キャンペーンでは当局と特に文化省が本来アルジェリア国民のものである公金を浪費していると非難し、「人民が最悪の貧困に喘いでいる時に、アイデンティティや国家の財産を侵害する歌謡祭で、歌を歌うよりも服を脱ぐ堕落した不貞な女性芸能人に資金をつぎ込んでいる」と主張している。
フェイスブック上の書き込みによると活動家たちは「国庫から何百万ディナールもの資金がこの歌謡祭のために使い果たされている。この資金は可哀想な国民たちにこそ費やされるべきものだ。彼らは失業によって尊厳を粉々にされ、彼らの多くはゴミ捨て場で糧を得るところまで追いやられている。そして生きる道を失った恐るべき数の青年たちが現状から逃避するため[国外に移民すべく]海に身を投じて毎日のように溺死者が出ている。子供たちは学校を抜け出して通りで騒いでいる。行く場所を失った子供たちは街頭に集まっている」と述べている。
キャンペーンの主催者たちは「[音楽祭に費やされる]この資金で遠隔地の村々の多くにどれだけの学校が建設できるであろうか?子供たちはそもそも僅かばかりの教育を受けるために、遠い距離を徒歩で通うことを余儀なくされているのだ」と問いかけている。
ハリーダ・トゥーミー文化相も若者たちから激しい集中攻撃を受けており、「貧しい民の金を芸能人のために費やす公式スポンサー」「彼女は貧しい人々を代弁してもいなければ、人民を代弁してもいない」と揶揄されたりしている。また、「アルジェリア人の文化との関係を喪失し、莫大な資金を費やす音楽祭ばかり開催して、歌や踊りを最大の特徴とするカーニバルの文化を定着させようとしている」と非難されている。
(後略)
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( 翻訳者:小島明 )
( 記事ID:23078 )