CHPの国会宣誓ボイコットの目的はエルゲネコン裁判への妨害―ザマン紙
2011年06月30日付 Zaman 紙
CHP(共和人民党)による議会ボイコットの根本的な目的が論じられる中、党関係者よりこの議題にヒントを与える発言がなされた。CHP党員のイーサ・ギョク氏の「ハベラルやバルバイだけでなく、他のエルゲネコンの逮捕者の釈放も望んでいる」という発言を、法学者や知識人は「ボイコットの目的はエルゲネコン裁判を頓挫させることである」と論じた。
CHP所属メルスィン選出国会議員のイーサ・ギョク氏が生放送で「ムスタファ・バルバイやメフメト・ハベラルだけでなく、他のエルゲネコンの逮捕者の釈放も望んでいる」と発言したことにより、議会ボイコット計画の内幕が明らかになった。「AKP(公正発展党)を従順に従わせる」と語るギョク氏とケマル・クルチダルオールCHP党首の「この状況を世界に知らしめる。耳にしないという者はいなくなるだろう」とのメッセージは「ボイコットの根本目的はエルゲネコン裁判の終結」という形で論じられた。知識人や法学者によれば、エルゲネコンの逮捕者が候補者になることに始まったプロセスは、議会をボイコットするレベルにまで達した。実行されたステップは、選挙前に行われた「これは、大きな力による一つの計画である。目的は、エルゲネコン、バルヨズ、KCK(クルディスタン社会連合トルコ議会)の裁判を終結させることである。彼らは、釈放されないことが明白な候補者を選ばせ、トルコを国際社会で困難な状況に陥らせようとするだろう」という警告を実証した。司法改革グループは、昨日(6月29日)行った発言で、この問題に注意を引きながら、「エルゲネコンの容疑者を裁判所が釈放しないならば、(その決定に)敬意を払う」と述べた人々に、この発言を貫徹するよう呼び掛けた。元イズミル選出国会議員レジャイ・ビルギュン氏は、CHPがBDP(平和民主党)と同様の路線にむかっていると批判して、「BDPのトルコ人版になった。彼らが明日山に入って(ゲリラ活動を始めて)も驚かない」との表現を使用した。
世論は、CHPとBDPが一昨日議会をボイコットしてトルコ大国民議会の歴史に重要な痕跡を残したことに注目した。特に、CHPのケマル・クルチダルオール党首とシュヘイル・バトゥム副党首が、選挙前には「憲法は明白である。彼らは釈放されないだろう。裁判所が承認しないならば(彼らが)議会に来ることはできないだろう。我々は司法の判断に敬意を払う」と述べたにもかかわらず、なぜ選挙後に主張を変えたのかが関心の的である。CHPを自身の支持基盤においても世論においても厳しい状況に置いたこの主張の背後には何が存在するのかということについて様々な説が生みだされている。そのなかでも主要な見解は、CHPが「エルゲネコンに降服している」、根本的な目的はエルゲネコン裁判を終結させることである、というものである。一昨日初めて直接行われた発言も、これを強化するようなものであった。クルチダルオールCHP党首は、ハベル・トゥルクTVの対談番組で、「今日我々が下した決定は普通の決定ではありません。行っている戦いは普通の戦いではありません。時に、あなた方が表す反発によって世界の注目を引くことがあります。我々はこれを全世界に伝えます」と説明した。CHPのメルスィン選出国会議員のイーサ・ギョク氏も議会の庭から出演したショウ・TVの生放送で、単にムスタファ・バルバイやメフメト・ハベラルだけが問題なのではなく、全てのエルゲネコン逮捕者の釈放を要求していると述べた。ギョク氏は「この件について、AKPを従順に従わせることになるだろうし、問題も解決するだろう」と断言した。
コラミストたちもCHPの『歴史的決定』について、エルゲネコン裁判を終結させる試みとして論評した。イェニ・シャファク紙のコラミスト、アブドゥルカーディル・セルヴィ氏は、CHPの根本的な目的は(エルゲネコン裁判が行われている)シリヴリ刑務所を空にすることであると述べた。セルヴィ氏は昨日のコラムで、「ここで、目的は単にバルバイとヘブラルを釈放させることでなく、彼らを使って、シリヴリ刑務所を空にすることである。ケマル氏は、ここ数日『黄色い水牛』のお話を説明しはじめたでしょう、そこでの『黄色い水牛』はつまりこれなのだ」と記した。
タラフ紙のラーレ・ケマル氏もCHPの逮捕中の議員に関する行動の裏には全エルゲネコン容疑者の釈放要求があると主張した。
ケマル氏はコラムで、CHPがエルゲネコンの容疑者を候補者にして裁判を終結させるよう試みているという考えを述べ、対話したあるCHP所属国会議員が、彼女に、「我々はエルゲネコン裁判を政治的リンチとして見ています。2人の容疑者を候補にしたことはこの見方を象徴しています」と語ったと伝えた。
昨日のコラムで同様の意見を発したコラミストの一人がスター紙のエルグン・ババハン氏であった。ババハン氏はCHPの根本目的はエルゲネコン裁判の妨害だと述べ、メフメト・ハベラルの立候補にはクルチダルオール党首の影響力はなかったこと、ボイコットの決定も党首に関わらず採択されたと主張した。氏はクルチダルオール党首が党首の座に留まるために求められたことをやる政治家を演じている述べた。またデニズ・バイカル元CHP党首のスキャンダル映像を流出させた人々は、CHPに対しても議会に入れることを認めていなかったと主張した。そしてボイコットの決定を下した勢力は単に逮捕者である国会議員の釈放を望んでいるだけではなく、その元々の思想は全エルゲネコン裁判に異議を唱えることであると記した。
同時に、元CHP書記長の研究者タルハン・エルデム氏は「私が思うに、野党は少数派派閥の手に渡った。その影響力のもとにある。6か月前CHPの門を通らなかった人々が現在は議員だ。彼らの影響力によってこのような決定がなされた。彼らは新しく入党した幾人かの影響力のもとに留まっている。この決定は深刻な決定である」と評した。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:23099 )