ギュル大統領、CHPクルチダルオールと会談、危機打開へ一歩
2011年07月01日付 Zaman 紙
アブドゥッラー・ギュル大統領の招待に応じて大統領官邸を訪問したCHPのケマル・クルチダルオール党首は、「我々は(国会の)危機について話し合った。大統領は、問題解決のために貢献すると述べた。また、(逮捕諸の)拘留が長く続くことに不快感を表した」と話した。
その後、一部の記者らに対して、エルドアン首相の会見についてコメントした。
「我々が不在の間に憲法に反して委員会を開くようなことがあれば、我々も憲法を無視し、本会議場に入る」。
CHPのケマル・クルチダルオール党首は、チャンカヤの大統領官邸での会談の後、一部の記者らに話をした。CHPのイズミル選出の国会議員であるルザー・トゥルメン氏が表明した「国会議員は誓約せずとも国会での任務に就ける」との見解を支持するクルチダルオール氏は、驚くべき発言をした。すなわち、憲法を無視して、誓約せずとも国会で働くことができると話した。CHP党首は、AKPを示唆しながら、「彼らが我々の不在のうちに憲法に反して委員会や国会の執行委員会を開くのなら、我々も誓約せずに任務に就く。つまり、憲法に反して委員会を開くことはできないということである。もしも、あなた方が憲法を侵して委員会を結成するというのなら、我々も憲法を侵して本会議場に入る」と述べた。しかし、一方では、来週に控えたトルコ大国民議会の議長選出には、誓約していないため党として参加しないことを明らかにした。
ケマル・クルチダルオール党首は、タイイプ・エルドアン首相が昨日(30日)のグループ会議の前に彼の党を批判したことについてもコメントした。首相の「AKP政権を、多数派による少数派の支配として疑いたい者は、今日少数派による多数派の支配を疑わないのだろうか?現在彼らは少数派が多数派を支配すればよいと考えている。そうしたら、この国の意志はどこに向かうのだろうか?」という言葉に対して、「つまり、多数派による少数派の支配を許可するということか?まず民主主義が何であるかを勉強すべきだ。多数派による圧政を民主主義とは呼ばない」と反論した。
CHPの解決の提案をなぜ発表しないのかという質問に対しては、「では、AKPが『CHPの提案した解決策を受け入れよう』と言っているだろうか?まず、AKP内部でこのような意志があることが必要だ」と答えた。エルドアン首相の「法の上には誰も存在しない」というコメントを引き出して、「もちろん存在しない。しかし、拘留されている国会議員が来て誓約することについては法上の障害はない。ただ、2人の裁判官が決めたことだ。彼らは権利や法律をわかっていない。独裁を、高圧的な司法のプロセスを通じて、導入しようとしている」と話した。CHP党首は、エルドアン首相の「野党は『首相がこの問題を解決しろ』と言うが、首相が何をするのか?裁判官に電話して指示しろと言うのか?」という言葉を不思議に思ったと述べ、誰も「裁判官をに電話して、指示しろ」というような要求はしていないと主張した。
■「問題は、法務省が解決する」
大統領が会談で国会の仕事の重要性について言及したことを引用したクルチダルオール党首は、「我々に『そのようにやれ、このようにやれ』と指示はしなかった。我々の決定を尊重している。しかし和解が必要であり、国会が機能する必要があると、大統領はいっていた」と伝えた。その一方で、クルチダルオール党首は、「エルゲネコン容疑者である議員らの釈放は、法務省の働きかけによって可能になる」とのべ、行政による司法への介入の要求と受け取られている呼び掛けを、再び行った。
CHP党首は、ギュル大統領も次のように考えていると主張した。
「親愛なるギュル大統領は、問題の解決を望んでいる。今期国会がよく機能すれば、トルコの問題を解決することを信じている」と述べるクルチダルオール党首は、ギュル大統領の善意を信頼しているが、これだけでは十分ではないと述べた。
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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:23108 )