アブドゥッラー・ギュル大統領はボイコット危機を解決するための仲介に入った。ギュル大統領は、この目的でケマル・クルチダルオールCHP党首やデブレット・バフチェリMHP党首、BDP系の無所属議員アフメト・トゥルク氏とシェラフェッティン・エルチ氏を官邸に招待した。
クルチダルオールCHP党首は、昨日大統領府に赴きギュル大統領と面会した。
トゥルク氏とエルチ氏とも今日会う予定だ。しかし、バフチェリMHP党首は、大統領の招待を断った。バフチェリMHP党首は昨日書面での回答を行い、ギュル大統領の振る舞いを厳しい言葉で批判した。バフチェリMHP党首は、ギュル大統領がレジェプ・タイイプ・エルドアン首相と役割を分担していると主張した。
彼は書面での回答で、「もし親愛なるギュル大統領が,日に日に強くなる民主主義の危機が終わることを心から望むのならば、彼に比べて、明確・透明な態度をとっているエルドアン首相の領域から離れるべきで、何よりもまず、中立で公平・平等を守る立場を心がけるべきだ」と述べた。バフチェリMHP党首は、ギュル大統領がエルドアン首相と協議した後、招待した可能性が強いとの批判をした。
■ギュル大統領の返答
アブドゥッラー・ギュル大統領は、バフチェリMHP党首の声明に対しどのような反応を示したのだろうか。
ギュル大統領の顧問であるアフメト・セヴェル氏は大統領の考えを次のように説明した。
「大統領と首相との会合で、野党のリーダーや代表を招待することは協議事項にのぼらなかった。首相がこれを要請したということがないばかりか、この件を事前に知ってもいない。招待について彼自身も皆のようにテレビで知った。首相が大統領府から帰った後、大統領は顧問数人と協議をした。そしてこの協議の後、招待の決定をしたのだ。加えて、我々はバフチェリMHP党首の声明で大統領の地位に関して用いられた方法や言葉に関し、(いかにひどいか)世論によくみていただきたいと思っている。」
■なぜ招待したのか?
バフチェリMHP党首は声明で、政党の宣誓ボイコット危機に関しては自分たちは関わっておらず、このため、招待を受け入れなかったという意見を述べた。
バフチェリMHP党首をどうして招待したのかという質問に対し、官邸周辺からの返答は次のようであった。
「大統領は、起きている問題に関することとして、トルコ大国民議会における、全ての野党党首や代表の見解を聞きたいと望み、また、MHPの逮捕されている国会議員の存在のためにMHP党首を招待することが適切だと考えた。」
■官邸の解決への努力
アブドゥッラー・ギュル大統領は、逮捕されている国会議員の問題やボイコット危機への解決策を探す中で今日、アフメト・トゥルク氏とシェラフェッティン・エルチ氏と会う予定だ。大統領が国会休暇に入る前に解決方法を見つけることを、そして(夏休みのあと)次期の国会が正常に始まることを目標としていることが見て取れる。ギュル大統領は、国会がかかえている問題が、トルコの最近の選挙で改めて明らかになり、そして、この地域(中東)で手本ともされている(トルコの)民主主義の光景としてふさわしくないものであると考えていると言えるだろう。ギュル大統領はこの考えでもって問題を短期間で解決させるために仲介に入ったところだ。
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( 翻訳者:細谷和代 )
( 記事ID:23111 )