中東工科大学(ODTÜ)情報科学機構内で設立されたURAP(University Ranking by Academic Performance:学術業績による大学ランキング)調査研究所は「2011年学術業績に基づく成績ランキング」一覧を発表した。
これによると定められた基準により、大学の総合得点一覧でハジェッテペ大学が最高得点を獲得して第1位となった。ハジェッテペ大学に続き、ODTÜが第2位に、イスタンブル大学が第3位となった。
URAP所長で、ODTÜの前学長でもあるウラル・アクブルト教授は、ODTÜ情報科学機構内に設立されたURAP調査研究所が実施した調査結果から作成された「各大学の学術業績に基づく総合ランキング」を、記者会見で発表した。
アクブルト教授は、トルコにある125の大学の「論文数、教員数に対する論文数、(論文の)被引用回数、教員数に対する被引用回数、科学論文の総数、教員数に対する科学論文の数、博士課程の在籍者数、博士課程在籍者数の割合、教員数に対する学生数」の計9つの基準によって、ランキングを作成したことを明らかにした。
これによると、全大学総合得点一覧の9基準において、最も高得点であったのはハジェッテペ大学で、総合首位となった。
ハジェッテペ大学に続き、ODTÜが第2位に、イスタンブル大学が第3位となった。以下、第4位アンカラ大学、第5位ガーズィー大学、第6位エーゲ大学、第7位ゲブゼ高等工科大学、第8位イスタンブル工科大学、第9位アタテュルク大学、第10位エルジイェス大学、第11位ビルケント大学、第12位イズミル高等工科大学、第13位ボアズィチ大学、第14位サバンジュ大学、第15位9エイリュル大学、第16位19マユス大学、第17位チュクロヴァ大学、第18位アクデニス大学、第19位フラト大学、第20位バシュケント大学、の順となった。
■分野別ランキングには驚かされた
アクブルト教授は、今年初めて総合ランキングに加えて、各大学の分野別ランキングも公開した。
アクブルト教授は、工学、社会科学、基礎科学、医学、生物学、そして農業・環境科学の6つの異なる分野におけるランキング一覧が明らかになったと発表した。また分野決定においては、ISI(Institute for Scientific Information:アメリカのトムソン・ロイター社が提供している学術データベース)が雑誌で行われている分類を基準にしたことを述べた。アクブルト教授はこのため、分野の概念が学部或いは学科の概念とは一致しないことを強調し、「例えば、医学部のない大学でも、この分野で論文を発表するなら、医学分野のランキングに参加することになる」と説明した。
分野別ランキングの基準が総合ランキングと最も大きく異なっているところは、教員の数に対して与えられる各基準が使用されないことであると明かしたアクブルト教授は、一方で、分野別で行われるランキングにおいて、発表された(論文の)質を決める新たな基準である「総合雑誌のもつ影響力の要素」が使用されていることも明らかにした。
分野別によるランキングでは、この基準に加えて「論文数、被引用回数、科学論文の総数」の計4つの基準から得られた点数が使用された。
■工学分野首位はODTÜ
この4つの基準によると、工学分野の第1位はODTÜに、第2位はイスタンブル工科大学、第3位はガーズィー大学となった。以下第4位エーゲ大学、第5位ユルドゥズ工科大学、第6位9エイリュル大学、第7位ボアズィチ大学、第8位フラト大学、第9位エルジイェス大学、第10位はセルチュク大学となった。
基礎科学分野でも再びODTÜが首位となった。第2位イスタンブル工科大学、第3位ハジェッテペ大学、第4位ガーズィー大学、第5位アンカラ大学、第6位エーゲ大学、第7位イスタンブル大学、第8位ビルケント大学、第9位アタテュルク大学、第10位19マユス大学、の順となった。
■社会科学ランキングではサプライズが
「社会科学」の分野において、ここでもODTÜが第1位となった。第2位ビルケント大学、第3位ハジェッテペ大学、第4位ガーズィー大学、第5位アンカラ大学、第6位コチ大学、第7位ボアズィチ大学、第8位イスタンブル工科大学、第9位セルチュク大学、第10位は9エイリュル大学であった。
「社会科学」のランキングは自分たちにとって驚きだったと主張するアクブルト教授は、この驚きを受けて採点を何度もチェックしたこと、しかしながら結果は変わらなかったことを述べた。
アクブルト教授は各大学の法学部が刊行した論文を例に示し、トルコには30近い法学部があるが、1年間で6本の学術論文が出されたのみであると語った。アクブルト教授は、スペインにおいて(算出された)ランキングでも、総合刊行物による社会科学分野のランキングではビルケント大学が1位、ODTÜは第2位の順位であり、従って順位には大きな変動はないと述べた。
■医学分野における首位はイスタンブル大学
医学分野の首位はイスタンブル大学であった。第2位はハジェッテペ大学、第3位はアンカラ大学、第4位はエーゲ大学、第5位はガーズィー大学、第6位はバシュケント大学、第7位はギュルハーネ軍事医科大学、第8位はマルマラ大学、第9位は9エイリュル大学、第10位はエルジイェス大学の順となった。
生物学の分野でトップ10を占めた大学は、上から順にハジェッテペ大学、イスタンブル大学、アンカラ大学、ガーズィー大学、エーゲ大学、アタテュルク大学、マルマラ大学、9エイリュル大学、ウルダー大学、そしてアクデニズ大学であった。
農業・環境分野ではアンカラ大学が1位を獲得した。順位は、アンカラ大学、エーゲ大学、アタテュルク大学、セルチュク大学、イスタンブル大学、エルジイェス大学、チュクロヴァ大学、ウルダー大学、19マユス大学、そしてハジェッテペ大学となった。
アクブルト教授は、彼らが開発したシステムは、各大学を「良い大学と悪い大学」という形で分別することが目的ではないと語り、その目的は各大学が定められた基準に則して発展が明白な分野を認識することへの支援であると述べた。
なお、ランキングの一覧は http://tr.urapcenter.org にて確認出来る。
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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:23120 )