「クルド人は存在する、「無視」の政治は終わった」エルギュン産業通商相
2011年05月19日付 Radikal 紙


エルギュン大臣「クルド人に対する『無視問題』は終了した。クルド人は存在する。また、不正な目にあってきた。過去においておそろしく粗野な方法が試みられたため、われわれはそれを解決できなかったのだ。」

ラディカル紙のアンカラ事務所を訪問した産業通商大臣でAKP(公正発展党)のコヂャエリ県候補として立候補しているニハト=エルギュン氏は、南東アナトリアで緊張を高めているいくつかの出来事について語った。氏は、自分たちが「クルド人無視問題」に終止符を打ったとのべ、「トルコでクルド人たちは『あなたがたは存在する。また、不正な目にあってきた。あなたがたの権利は存在する』と(政府により、はじめて)言われた」と述べた。


■軍にどうしろというのか?

エルギュン氏は、12人のPKKメンバーの殺害とその後の一連の事件について次のように語った。「6月15日まで停戦だと言われていたにも関わらず、テロリストの侵入と一連の示威行動がなされた。これに対して治安部隊は何をなすべきなのか?だれも、このような侵入、示威行動計画、テロ行動、軍警察の派出所への攻撃やそれに類似したことを行っていないときに、治安部隊がそこに行き、自分に向けて『今日は誰も殴っていないし、探し出して殴ろう』と言ったりはしない」と述べた。

PKKの一派がBDP(平和民主党)の票を増やす目的でトルコ国軍に対してテロ行動を計画している可能性があるとエルギュン氏は述べた。

■クルド問題は終わったのか?

エルギュン氏は、議論を巻き起こした「クルド問題は終わった」という首相の表明についても語った。氏は、この問題が、自分たちの目の前に「クルド人の無視及び同化政策問題」として存在してきたと述べ、しかし今日トルコにおいてクルド人の無視及び同化問題は残っていないと述べた。エルギュン氏は、トルコにおいて与党がはじめてクルド人に「あなたがたは存在する。また、不正な目にあってきた。あなたがたの権利は存在する」と言ったと述べた。

■時間と忍耐が必要だ

エルギュン氏は、問題の存在を受け入れた後、「問題存在せず」という枠組みの上に建設された政策と施策が一つ一つ廃止されたこと、この枠組みでクルド語での会話、クルド語の名前、クルド語の歌、クルド語のテレビ、新聞、本といったものの禁止が撤廃されたこと、そして、この種の政策の全てに終止符が打たれたことを強調した。

エルギュン氏は次のように述べた。

「しかし、この無視及び同化政策は、(あまりにひどかったため)私達の目の前にひとつの光景ができあがってしまった。すなわち、テロ化し、外国に溢れだし、他国及び諜報機関が介入し、政治目的のために使われる、制御や解決が難しい、複雑な状態!これが新しい問題であったら治療も簡単でしょう。『薬があります、ほらこれです、15日間安静にして、はい、さようなら』と。しかし、今、そのような薬はないのです。」

エルギュン氏は、問題の解決のためには時間と忍耐が必要であると、また、みなが互いにこの時間を認め合うことが必要だと、述べた。

■「政府は誤りを犯してはならない。」

「あなたがたは善意の一歩を踏み出している。しかし、その(累積した)問題構造の中から問題の解決を欲しない人たち、そして外国からも、こうしたトルコの問題が続くよう欲している人たちが挑発しかねない。解決策の細かい点や、勝利が必要だということを、皆が知ることが必要だ。(過去のおいて)とてもおそろしく粗野な手法で問題の解決が試みられたため、私たちは、どこにも到達できなかった」とエルギュン氏は述べた。彼は(PKK首領の)オジャランの「6月15日までが問題解決のため猶予」という発言についても触れ、「オジャランがイムラル島の監獄から言ったこと、あるいは(BDPの)アイセル・トゥールクなどなどがどこぞやで言った脅迫を含む発言にもとづき、われわれが政策をつくったとしたら誤りを犯してしまう。」

エルギュン氏は次のように述べた。「ときどき彼らの組織は、センセーショナルな行動を行い、政府が誤りを犯すように仕向けようとする。『もううんざりだ、一番粗野な方法(=武力)でこの問題を解決しよう』という考え方が支配的となり、政府が正しい政策に臨むことから遠ざかるよう仕向けされる。しかし、政府はこうした脅迫やテロ行動によって、その政策を正しい方向からそらすことなく、正しい道をすすんでいかなくてはならない。これこそわれわれのやり方だ。」

■トゥルバンル(スカーフをして)の候補者はどうしていないのか?

「トルコ大国民議会においてスカーフをしている国会議員がいることを禁止する法規定はない。目下、生じている状況は(1997年の)「2月28日プロセス」がもたらした事実上の状況に依拠している。今日トルコにおいてスカーフをした女性たちは自己犠牲を強いられている。わたしたちも政府としてこの問題に関する緊張がとても高まっているのをわかっているので、『みなさん、これを新しい緊張した難問にしないようにしましょう。(制度を改善し)トルコのシステムを正常化させましょう』と言っているのです。」

■「CHPはAKPの政策の色を塗り替え、包装して売っている。」

「MHP(民族主義者行動党)もバイカルも、暴露ビデオ画像の問題をAPKがやったことだといっている。しかし、暴露ビデオなどということが私達の仕事ですか?政治家たちの夜の暮らしを我々が追うとでも?CHPやMHPには、そもそも内紛があったのです。過去においてトゥンジャイ・オズカンをCHPから候補者させようという動きがあったことをご記憶の方もいるでしょう。バイカル元党首はこれに賛成しなかった。その結果、バイカルが「作戦」を実施し、オズカンの一件はなしになったことがあるでしょう(今回もそれと同じです)。」

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( 翻訳者:矢野龍太郎 )
( 記事ID:23191 )