サンコ財閥、トルコ第2のエアコンメーカー・エアフェルを日本のダイキンに売却
2011年07月08日付 Hurriyet 紙
サンコ財閥は、トルコ第2のエアコンメーカーであるグループ企業のエアフェルを日本のエアコンメーカーのダイキン工業に売却することで合意したと発表した。株式の名義換えは、反トラスト局や必要な他の承認を得た後、完了する予定。
証券取引所で取引されるサンコ財閥の株は、この発表後の午後の相場では15.5%値上がりし5.50リラ(約265円)となった。
サンコ財閥の会見では売却額についての情報はなかったが、日本の報道によれば、ダイキンはエアフェル買収のため約2億4600万ドル(約195億円)支払う用意があるとされている。
■契約までに時間がかかった
サンコ財閥取締役で暖房・冷却機器グループ長のサーミー・コヌクオウル氏は、売却は長期間にわたる交渉の後に実現したと述べた。
同氏は、「サンコ財閥は、国際的な規模で、我々の商標でもって様々な分野で企業活動を行っています。わが社の2023年までのビジョンに基づく戦略計画では、安定的な拡大を目標にしております。エアコン分野は非常に重要ではありましたが、ダイキン工業の買収申し入れはエアフェルの将来にプラスとなり、当社と商標に多大な価値をもたらす機会であると考え、これらの点も売却の決定に影響しました。長い交渉の後この申し入れを受けました。この売却が第一にトルコ経済、そしてサンコ財閥、エアフェル、ダイキン工業の発展に寄与し、また成功することを祈ります」と語った。
■トルコでの企業活動を積極的に推進
ダイキンヨーロッパの三中政次社長は、「ダイキンは急拡大する新興国市場への参入を加速し、事業活動分野を拡大させるために様々な戦略を追求しています。今回の買収によりダイキンとエアフェルが暖房・冷却・空調機器市場において相互補完的な力と企業力の統合を行うことでリーディングカンパニーとなり、トルコでの事業を強化することを目的としています。
トルコのエアコン市場はヨーロッパ、中東、アフリカを含めたEMEA地域において急速に最重要市場なります。トルコは比類のない地理的状況とその経済力によってこの地域の重要な拠点の一つとなります。2010年には約9億ユーロ(約1,000億円)であるエアコン市場は、拡大により、2015年には約17億ユーロ(約2,000億円)市場に成長すると見込まれています。トルコの空調事業で強力なブランドであるエアフェル社の買収で、ダイキンの事業強化とトルコにおける事業拡大を目指しております」と話した。
1999年に設立されたエアフェル社はスプリット型エアコン、ラジエーター、セントラルヒーティング、冷却機器、空調装置・機器の生産と販売を行っている。製品の輸出は30ヶ国にわたり、マーケットシェアは15%以上、従業員は約400人。
ダイキンはエアコンから冷却システムにいたる多くの分野で生産活動を行う一方、アジア以外ではアメリカとヨーロッパにも代理店を持つ。2010年度収益の80%以上はエアコン事業が占め、直近の決算では化学製品とセキュリティシステムによる収益も増加した。
ダイキン工業は1924年日本の大阪で創業し、売上高140億ドル(約1兆1110億円)、総資産136億ドル(約1兆787億円)、従業員は全世界で41,569人を擁する。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:23193 )