イランの人口構成に変化:今年初めから壮齢人口中心の社会への移行期に
2011年07月10日付 Jam-e Jam 紙

【社会部:マストゥーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】ここ10年間、我が国の人口は若年層中心の人口であると、しばしば指摘されてきたし、あらゆる計画や政策はこのことに基づいて提言されてきた。しかし今年、いやもしかしたらまさに今日から、すべてが変わるかもしれない。国家戸籍庁の人口情報・移住統計局は、今年の初めから国の人口が中年層中心に移行したと発表したからである。

 国家戸籍庁の人口情報・移住統計局長は記者たちの前で、次のように語った。「1375年から89年〔1996〜2010年〕までは、15歳から29歳までの人口が中心の時代であった。つまり若年層中心の人口形態であった。しかし今年の頭からは、われわれは30歳から64歳の年齢層が中心の人口形態への移行期に入った。従って、今後我が国の人口は中年層中心の人口になるだろう」。

 メフル通信によると、アリー・アクバル・マフズーン氏は次のように加えた。「今後20年で、つまり1410年〔2031年〕以降、我が国は高齢化段階に入るだろう。統計も示すように、これからの二年間で、本格的な計画づくりが必要となるはずだ」。

 同氏はまた、「国の第一次開発計画〔1990〜1995年〕は、人口政策が明確かつ目に見えるカタチで言及された、最初で最後の計画であった」と〔人口問題に対する国の無為無策を〕強調した。

〔‥‥〕

 〔こうしたなか、国の人口問題を扱う機関として〕「国家高齢者評議会」なる評議会が1383年オルディーベヘシュト月〔2004年4/5月〕に発足した。この評議会は、高齢者が継続的に社会参加できるための環境を整備することを目的に、家庭の中での高齢者の立場を守ることや、国内にいる貧困高齢者の最低限の必要を保障すること、高齢者の尊厳を守ること〔‥‥〕などを強調する組織である。

 しかしこの評議会は、高齢者を保護するための政策や計画の策定に関して意志決定できる唯一の機関として、6ヶ月に一度、大統領出席のもとで会議を開かなければならないにもかかわらず、ここ5年間で会議を開いたのはただの一度きりで、ここ3年間は休止状態にあるのだ。

〔‥‥〕

■イラン人夫婦10組に子どもは18人

 昨年、大統領は人口抑制策に対する異議を表明し、「『子どもは2人で十分』とのスローガンは、一国民の死をもたらす標語だ」と主張したことがあった。

 大統領によると、人口抑制策が続けば、現在イランの一家族あたりの平均成員数が4人以下であることに鑑みれば、50年後にはイラン人は消滅してしまうという。

 補助金の廃止や物価上昇、住宅問題、そして〔若者の〕結婚問題が取り沙汰されていた時に、〔大統領が〕こうした問題を提起したことは、当時多くの批判を惹起した。

 しかし今や、保健省もイラン人夫婦10組中、子供の数は18人となるなど、各家庭における子どもの平均数は2人以下となっていることを発表するようになっている。

 これより前、保健相はヨーロッパ諸国では人口減少が加速し、人口危機が生じていると指摘、その上でジャーメ・ジャム紙に「現在我が国では、多くの夫婦が子供をもうけなかったり、もうけても一人っ子だったりしている。こうした流れが続けば、我々も人口危機に巻き込まれ、人口減少の加速を阻止することができなくなってしまう可能性がある」と語っていた。

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( 翻訳者:古賀夏樹 )
( 記事ID:23240 )