女性のコーヒーハウスへの立ち入り、禁止に:専門家ら、女性と若者の水キセル利用増加傾向に警鐘
2011年07月05日付 Jam-e Jam 紙
【社会部:マストゥーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】ティール月20日〔西暦7月11日〕からキセルがあるコーヒーハウスへの女性の立ち入りを禁止するとの発表が、大テヘラン治安維持軍からあった。その一方で、政府の文化委員会は、公共の場における水タバコの提供禁止を2年前より決定しており、この決定は内務省に通達されていた。
しかし、この禁止令が出されてからの2年が経っても、キセルがコーヒーハウスや伝統的スタイルのレストランなどの公共の場から片付けられてしまうようなことはなかった。そればかりか、専門家らによるとキセルの利用に対する社会的な嫌悪感というものが薄れ、若者や女性たちがこれに関心を示す傾向が強まっているという。
ところで、キセルの回収という話は86年〔2007年〕の秋にさかのぼる。喫煙制限包括法によると、公共の場でのキセルの利用は制限ないし禁止されることになっていた。こうした禁令が発布され、コーヒーハウスからのキセルの回収が発表されたことに対し、全国のコーヒーハウスの経営者らの間では大規模な抗議の声が上がった。そしてついに、大統領の指示によりキセルの回収は中止されたのであった。
その2年後の88年秋〔※2009年:原文には「87年」とあったが、「88年」の誤りと判断した〕、再び公共の場での水タバコの提供を禁ずる命令が、政府〔※原文には「国会」とあったが、「政府」の誤りと判断した〕の文化委員会によって承認され、通達された。
こうした流れの中で、昨日、大テヘラン治安維持軍司令官は水タバコを提供しているコーヒーハウスや喫茶店への女性の立ち入りを、今年のティール月20日から禁止すると発表したのである。
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■ 家庭にもキセルが
数十年前、キセルはイラン南部、特に高齢の女性たちが吸っていたものだが、最近では女性や若者にも利用されるようになっている。
その一方で、タバコ会社の方もフルーツ味のタバコを製造し、若者の間に普及させるなどして、水タバコの利用拡大に努めてきた。
「喫煙制限包括法実施本部」の政策立案委員会の委員を務めるハサン・アーザリープル博士は、こうした経緯について言及しつつ、ジャーメ・ジャム紙にこう述べている。「残念ながら、タバコに比べて水タバコの方が害が少ないといった、誤った迷信が人々の間にある。しかし、これは完全な誤りなのだ」。
同氏はさらに、「その一方で、残念ながら子供たちと座って一緒にキセルを吸えば、子供たちと仲良くなってよい関係が築けると思っている家庭も多い」と指摘する。
女性が水タバコをはじめ、タバコ類をどれだけ吸う傾向にあるのか、正確な統計は存在しないが、さまざまな証拠がよく示すように、少なくとも水タバコについては、過去に比べて女性の吸う傾向が増えてきているようだ。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:佐藤佳奈 )
( 記事ID:23281 )