エジプト:革命と無秩序。「革命の青年たち」の犯した誤り
2011年07月17日付 Al-Ahram 紙

■革命と無秩序!

2011年7月17日 「アル=アハラーム」

【マクラム・ムハンマド・アフマド】

7月8日の抗議行動は、「革命の青年たち」の力を証明して見せた。彼らは多くのグループ、党派に分裂しているにもかかわらず、タハリール広場を埋め尽くすような100万人デモを呼びかけて見せたのである。ムスリム同砲団など、他のいかなる政治的な勢力の支援を得ることもなしに。

7月8日の抗議行動を提唱する理由が正しいか否かはひとまず措き、これが成功したことは抗議行動参加者に自信を与えた。彼らは重要性においても、能力においても、組織性においても他の勢力に劣りはしない。こうして彼らはタハリール広場の中にある種のバランスを生み出し、彼らの要求に重みを与える。その結果、最高評議会は革命のすべての勢力に等しい距離を維持するようになるのである。しかしながらこの自信は、彼らにいくつかの誤りを犯させることになったようだ。

間違いなく言えるのは、最高評議会が取った最初の改革のステップは、議会選挙の結果どのような多数派が生まれようとも、この国のすべての勢力、すべての構成要素を包摂するような形で憲法を制定するという任務を負った起草委員会の設置を確実にするためのものであること、そして議会の多数派が憲法草案を支配するのではという諸勢力の懸念を払拭するものであるということだ。たとえば、イサーム・シャラフ首相の決定は、内務省の改革となり、それは革命の犠牲者を襲った容疑のある将校を排除することを含む。容疑者は有罪が確定するまでは無罪なのだという正しい原則を犯すことなしに。

これによって、エジプト社会はその目的が正しい場合にはいつでも抗議行動や示威行動を受け入れることになる。それは意見の自由の徴であり、また最高評議会、政府、広場の革命戦士たちという革命の三要素の間での燃え盛るような激しい議論のひとつとみなされるのだ。おそらくそれは、三者のいずれからも発生しうる誤りを正すために必要なことなのだろう。

しかしながらエジプト人の多くは再び暴力に訴えることに関しては声をそろえて反対をしている。合法的な要求を実現するためであれ、人々の利益を損ない、国民の安全を脅かすような非合法的な手段を使おうとすることについても同じだ。だからこそタハリール広場にある総合庁舎を封鎖しようという呼びかけや、地下鉄を止めるとかスエズ運河の通航を阻害するという脅しについては、エジプトの人々は挙って、即座に反対をしたのである。人々はそれを行きすぎとみなし、意見の自由と広場の革命戦士が二度と再び犯してはならない無秩序との間に線引きをしたのである。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:23340 )