治安維持軍総司令官、刀剣類の携帯を禁止する法案の可決を国会に要請
2011年07月20日付 Jam-e Jam 紙
【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】ナイフは皮膚という薄い包みを切り裂き、その鋭い先端は肉に突き刺さる。頸静脈に到達し、熱い鮮血が血しぶきとなってあふれ出る。そして血だまりのなかでもがきながら、息を引き取る。
見知らぬ人物数名によってナイフで刺されて亡くなったボディービル・チャンピオンのルーホッラー・ダーダーシーも、モディーリーヤト橋の上で惨殺された女子大生も、カージ広場で数十人もの同胞の目の前で命を落とした犠牲者も、このように死んでいった。
殺人は今も続いている。ナイフは今もその鋭い刃先で人をあやめている。にもかかわらず、刀剣類の携帯を禁ずる法律はいまだに可決されないままとなっている。その法律が可決されるまでに、あと何回ナイフの刃先が人間の皮膚と肉を引き裂くことになるのか、まったく不明だ。
凶悪犯罪が〔完全に〕忘れ去られることはない。たとえ殺人事件に関連した報道がいかに多くとも、たとえ今日、ボディービルのチャンピオンが首をナイフで刺されて殺害され、数日前には女子大生が40カ所以上も刺されて惨殺されたニュースが新聞紙上を賑わせ、さらに〔もっと前には〕悲惨な事件の動画をネット上で目の当たりにしたとしても、事件一つ一つを詳細に思い出すことは可能だし、脅え不安におののく目撃者たちに囲まれた状態で、血の海にのたうちながら死んでいった犠牲者たちのことを想像することも可能だ。
凶悪犯罪が忘れ去さられることはない。しかし、もしかしたら忘れられてしまったものもあるかも知れない。例えば、「刀剣類携帯禁止法案」だ。いまだ可決されないまま残されているこの法案について、昨日アフマディー=モガッダム治安維持軍総司令官は、国会に対して再び、緊急法案として可決するよう求める発言を行った。
これは、同氏が以前から繰り返し何度も求めてきたことでもある。例えば昨年、同氏はメディアとのインタビューのなかで、この問題に関心を払うよう、国会議員らに期待を表明したことがあった。そしてこれは、彼だけが望んでいることではなく、むしろ一般民衆の願いだと言ってもいいだろう。
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( 翻訳者:田村佑輔 )
( 記事ID:23363 )