ペルゲ出土のヘラクレス像(現ボストン美術館展示)、トルコへ返還へ
2011年07月23日付 Hurriyet 紙
1980年にペルゲで発掘されたのち、その上半身が国外へ持ち出されていた「疲労したヘラクレス」がトルコに帰ってくる。1800年前の歴史的作品が展示されていたボストン美術館は、この貴重な像が年末にトルコに返還されると発表した。イギリスのタイムズ紙はこの決定を「トルコの勝利」と報じた。
アンタリヤにあるペルゲ遺跡で1980年に行われた学術的発掘の結果出土し、違法に国外に持ち出されていた「疲労したヘラクレス」像の上半身部分がトルコへと返還される。20世紀に発見された最も歴史的価値のある作品が窃盗によって「持ち出されて」以来、1800年前につくられたこの像の脚の部分はアンタリヤ美術館で、頭と肩の部分はボストン美術館で展示されていた。トルコとアメリカ合衆国の関係者たちの間で続けられた丸4年間の話し合いの結果、ボストン美術館は所蔵しているヘラクレス像の上半身部分を今年末に返還すると発表した。
■公的な証明書は無かった
イギリスのタイムズ紙はこの進展を「国外へ持ち出されていた、大変な歴史的価値のある作品の返還のために戦ったトルコの勝利」と報じた。「疲労したヘラクレス」の物語は1980年にペルゲで行われた発掘で像の下半身部分が発掘されたことが発端となった。古代ギリシャ彫刻を模倣したローマ人によるこの作品の、その頭と肩の部分が翌1981年にボストン美術館で展示されると、トルコの考古学者たちはそれがアンタリヤで出土したヘラクレス像のものであると主張した。ボストン美術館とニューヨークのコレクターはこの作品をドイツのとある仲介人から買い、(トルコで出土した作品であるという)いかなる公的な証明書もなかったと述べ、長年返還に応じていなかった。
■ヘラクレスはなぜ疲れているのか
神の力と勇敢さを備えたヘラクレスは、18歳になるとメネアの森に暮らす一頭のライオンを退治することになった。ヘラクレスはライオンの攻撃を待つ間、毎晩、王の50人の娘とともに過ごした。翌日にはライオンを探し疲労してへとへとになり帰宅した。そしてとうとう金の毛並みのライオンを殺すことに成功した。疲労を感じさせないほど勤勉なヘラクレスの生涯には、このような試練が12あった。
ギリシャ神話に登場するヘラクレスは、ローマ神話ではヘルクレとして知られる神聖な英雄であり、神々の王ゼウスとミケーネ王の娘アルクメネの息子である。この神話の英雄はトルコでもエレーリ(ヘラクリオン/エレクリオン)として知られ、定着している名前の由来となっている。
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( 翻訳者:山本涼子 )
( 記事ID:23398 )