メッカのハラム・モスクで天使を撮影したとのビデオを巡る騒動
2011年07月22日付 al-Quds al-Arabi 紙
■メッカのハラム・モスクで天使を撮影したとのビデオを巡る騒動
2011年7月22日『クドゥス・アラビー』
【ロンドン】
アラブ地域のユーチューブとフェイスブックのユーザー達が、高貴なるカアバ神殿で礼拝する人々の元に降臨した天使たちを撮影したと撮影者が主張しているビデオをやりとりしている。騒動のもとになったビデオを調べたアズハルの学者は、「天使が人間の姿をとって現れることはあるが、その外観を目で見ることはできない。なぜならその像は、正しい行いと美徳の体現を通して心の内部に生じるからだ」と主張した。
新聞報道によれば、最近ユーチューブに投稿されたビデオは、ハラム・モスクの上空から光が礼拝者の上に降り注ぐシーンの後、同じシーンを空から降ってくる白い後光に焦点をあてながらスローモーションで繰り返しているという。
ビデオに対するコメント欄でアブドゥルムウティー・バイユーミー(アズハル・イスラーム研究アカデミー会員)は、「天使は目では見えないが、人間は自身の心の中に光として天使の真性を見ることが出来る。したがって天使達の姿は撮影できない」と述べた。
バイユーミー師はMBCネットのホームページ上の声明で、クルアーンとスンナに記述されている天使の降臨と、天使を目視することは異なるのであって、天使達が降臨するのは人間の心を静けさで満たすため、もしくは苦難に際して手助けや立証、援助や支援をする為であると説明した。
同様に、人間の善行と悪行を書き記し、その状況を記録する天使たちも存在する。アブー・フライラ―神が彼を嘉せられんことを―が伝えたところによれば、預言者ムハンマド―彼の上に神の祈りと平安あれ―は言った。「夜の天使と昼の天使があなた方を見守り、ファジュルとアスルの礼拝時に集合する。あなた方の元で夜を過ごした天使達が天に昇ると、全知の神が彼らに問う。“わがしもべたちはどんな様子であったか?” すると天使たちは、“我々が立ち去った時彼らは礼拝をしていました。我々が訪れた時も彼らは礼拝をしていました”と答える」(ブハーリーとムスリムのハディース集より)。
(後略)
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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:23402 )