夏休みもなく働く公正発展党議員
2011年07月28日付 Milliyet 紙

 ラマザン(断食期間)の開始を前に、共和人民党(CHP)議員の大多数は、大変だった選挙をやっと終えて多くの避暑地で姿を見せ始め た。休暇は万人の権利。文明国で8月は休暇の月。このため、ケマル・クルチダルオール氏は議員たちへ良く体を休めること、そして9月1日からはまた忙しい 日々が待っていることを伝えた。ラマザンはエネルギーを蓄える時。

 しかし与党にとっては異なる。公正発展党イスタンブル支部のアズィズ・バブシュチュ支部長は、全く反対でラマザンは組織にとって、議員にとって、非常に多忙な政治活動の時期と見ている。

 バブシュチュ支部長と昼食を約束した場所は、エミルガン公園内のサルキョシュク(注)だった。私はここへ来たのは始めてだった。良い場所である。バブシュチュ支部長は、「この選挙区で我が党が当選してから、公園を整備し、市民に開放した」と。どおりで来なかったはず、と言ってお互いに笑っている。選挙の後は公正発展党がどうして勝利したか、対して共和人民党はどうして期待に沿えなかったのか多数の物書きが筆を執った。しかしどんな論理的説明よりも状況を観察する方がずっと説得力がある。このため、イスタンブルの全地区で公正発展党に50%という記録的投票をもたらした組織トップのその興味深い説明を聞いた。

【訳者注 1871-78年にエジプト副王(ヒュディヴ)イスマイル・パシャによってエミルギャンに建てられた別荘。】

 7月12日の選挙において、公正発展党は目が回るようなのテンポで活動していたそうだが、他の政党も精力的に活動した。どうして同じ成功を手にできなかったのだろうか?

「政治では、訴える気持ちが重要である」と述べるバブシュチュ支部長は、「共和人民党には我々のような熱い気持ちがなかった。選挙直前に2名の県支部長が変わった。私は組織の人間に7月12日の夜、二つの点は信じなさい、と言った。我々は自分のベストを尽くした、とい うこと。そして流せるだけの汗を流した、ということ。」

 私はバブシュチュ支部長へ、ラマザンの期間の予定を聞いてみた。彼の説明を受けて、政界に入るのに得などないということを改めて理解した。あなたが与党 の46名のイスタンブル議員のうちの一人なら、「50%の投票で当選した。ラマザン中、少しぐらい休む権利はあるでしょう?」というでしょう。でも、ありえないのです。まずは7月中に選挙民への挨拶まわりを済ませる。 組織から指示を受けた場所へ赴き、投票して下さった方々に感謝申し上げる。逃げるのは不可能、あなたの隣には地域の責任者らがいて、もう予定が組まれているのだから。

 その後、ラマザンにはイフタール(断食明けの食事)や地区住民との交流がある。バブシュチュ支部長は、テントでのイフタールに反対である。「特に意味はなく、また衛生的でもない。イフタールでは競う空気を出してはならない。その代りに、地区で様々な規模のイフタールを準備している。そして県・郡組織関係者とのイフタール、貧しい家族の訪問、指導者たちと市民組織との対話集会がある。私が驚いたのを見て、バブシュチュ氏は笑っ た。「そんなに悪くはないよ。ラマザンでは、議員たちは3~5日は自由な時間があるのだから。」

 では、国会議員なんだから理由を付けたら?大臣だからとか、もしくは非常に重要な予定があると理由を付けて、組織が定めた15のプログラムのうち、2、3のプログラムに参加すれば。「組織はいつも議員の活動を注視している。参加の度合や、組織にふさわしい振る舞いをしているかなどの情報が入ってくる。1年後、成績表が出され、これは所属政党と首相の両方に見られる。結果的に活動は政治キャリアに確実に反映されている。」

 先に述べたように夏の暑い時期に政治は適さない。しかし公正発展党では全くそうではない。バブシュチュ支部長や彼の側近らは今から将来を見据えている。国民投票の後にイスタンブル県組織は、社会学者、選挙戦略家、広報担当者らと集中会議を催し、「憂慮される現代的で、イデオロギー的ではない無党派層に我々はどのように声を届けるのか」との議論を行ったそうだ。結果は、7月12日の勝利である。現在、与党内の空気は、「疲れ果てた、休暇をもらえて当然だ」という様子ではなく、「今後、残りの50%をどうしたら獲得できるだろうか?」である。ラマザンはこういう意味では良い機会であろう。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:23456 )