レスリング・イラン代表にドーピングの悲劇
2011年07月20日付 Jam-e Jam 紙

ドーピング検査でレスリングのイラン代表選手2名に陽性反応

【スポーツ部:ホッジャトッラー・アクバルアーバーディー】レスリング・イラン代表の2選手から取られたドーピング検査のAサンプルから陽性反応が出た。このことに、トルコ・イスタンブールでの世界選手権を目前に控えていた代表チームには、大きな衝撃が走った。「大いなる悲劇」と呼ぶことのできるほどの衝撃と言える。

 時間・場所を選ばず、さまざまな国を訪問しては、その国の各競技のトップアスリートたちに対してドーピング検査を行うことを使命とする世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の関係者たちは、ティール月2日〔西暦6月23日〕、事前の通告なしに、ウェイトリフティング、レスリング、空手、及び陸上の4部門で活躍するイラン人トップアスリートたちのリストを手に、これらの部門の合宿所があるテヘランのアーザーディー・スタジアムを訪れ、彼らに対してドーピング検査を実施した。

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 WADA関係者らはただちにレスリングの合宿所を訪れ、2010年世界選手権の96キロ級王者アミール・アリー・アクバリー、広州アジア選手権の同級王者バーバク・ゴルバーニー、これまで世界選手権で5度の金メダルを獲得したことのあるハミード・スーリヤーンらに対してドーピング検査を行った。WADA関係者はマーザンダラーン地方出身のレスリング選手レザー・ヤズダーニーも検査する予定であったが、彼はレスリング・フリースタイルのナショナルチームの合宿所にいなかったため、検査は行われなかった。

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 そして検査から26日が経った本日、WADAは検査の一次結果を関連の各協会に通知し、レスリング・イラン代表の2選手の検査結果について陽性反応が出たことを明らかにした。この通知にイラン代表チームからは驚愕の声が上がった。レスリングはここ数年、メダル獲得の最前線にいた競技、イランのスポーツ界のなかでも2012年ロンドン・オリンピックでメダル獲得の期待が最も高かった競技だからだ。

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 こうした事態に、昨日スポーツ医学協会会長のロトフアリー・プールカーゼミー氏は、世界アンチドーピング機構から同協会に、この件についての〔正式な〕書簡はまだ届いていないと述べた。

 しかしレスリング協会のモハンマド・レザー・ヤズダーニーホッラム会長は、本紙の取材に対して、レスリング・イラン代表の2選手のドーピング〔の結果が陽性だったこと〕について認めた上で、「ロシア人検査官が行った検査内容には不審な点も一部あるが、しかし一次結果についてはWADAに対して異議を申し立て、これらレスリング2選手から取られたBサンプルを再検査するよう求めるつもりだ」と語った。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:23466 )