月曜(8月1日)に始まる高等軍事評議会の前に、ウシュク・コシャネル参謀総長と3名の軍司令官が退職を願い出た。政府は司令官たちが起こした今回の危機を3者会談での決定によって処理し、陸軍司令官にネジュテト・オゼル陸軍大将を任命した。こうしてオゼル氏が参謀総長になる準備を整えたのだ。
参謀総長ウシュク・コシャネル陸軍大将と3名の軍司令官は高等軍事評議会の前に退職を申し出た。昨日(7月29日)の夕方に入った衝撃的なニュースは、世論の目には辞任として映った。しかしその後この件が辞任ではなく、依願退職であることがわかった。陸軍司令官エルダル・ジェイランオールは定年退職となるはずだった。海軍司令官エシュレフ・ウール・イートと、空軍司令官のハサン・アクサイはYAŞ(高等軍事評議会)の会議(8月1日開催予定)によってもともと2日後に退職になることが決まっていた。一方コシャネル参謀総長は、あと2年の任期があった。
このニュースを巡って、アンカラは慌ただしい動きがあった。軍警察総司令官ネジュデト・オゼル陸軍大将が、まず首相官邸に呼ばれた。その後エルドアンも加わり、今度は大統領官邸で行われた三者会談(大統領、首相、そしてオゼル陸軍大将)によって軍の新体制が固まった。(三者会談により)ネジュデト・オゼル陸軍大将を、陸軍司令官に任命する旨の決定が出された。こうしてオゼル氏を参謀総長にする準備が整えられた。首相官邸で行われた会見では、YAŞ(高等軍事評議会)は予定通り8月の1~4日に開催されることが発表された。会見ではネジュデト・オゼル陸軍大将が同時に参謀総長代理として任命されることが明らかとなった。ウシュク・コシャネル氏の引退は、官報で報道された。コシャネル氏は、引退のメッセージで、クーデターを謀ったとして逮捕され、被告となった現役将校たちを支援するとの言葉を残した。
ネジュデト・オゼル陸軍大将は、ウシュク・コシャネルの引退後、参謀総長代理に任命された。通常では参謀総長になるためには、1日でも軍司令官を経験している必要があり、オゼル氏に関する閣議決定が、昨日の夕方、アブドゥッラー・ギュル大統領によって承認された。これにより2007年に大将に昇進したネジュデト・オゼルが参謀総長になる見込みだ。
ネジュデト・オゼル陸軍大将:1950年アンカラ生まれ。1969年に陸軍学校、1970年に歩兵学校を卒業した。1978年まで陸軍司令部所属の様々な部隊でチームや中隊の司令官として任務にあたり、1980年に陸軍士官学校を卒業とした。参謀将校として―キプロス・トルコ平和軍本部で作戦会議将校、陸軍本部で局長と事務総長、陸軍学校幕僚長、第17歩兵隊司令官の要職を経験。
1995年に陸軍准将に昇級、1999年には陸軍少佐となり、第39機甲歩兵師団司令官と、陸軍士官学校の司令官を務めた。陸軍中将に昇格した後は、第7師団司令官と陸軍教育副司令官を務めた。2007年に陸軍大将へ昇格、2007~2008年にエーゲ海方面軍司令官、2008~2010年には第2軍司令官の任務につき、2010年8月4日に軍警察の総司令官に任命された。トルコ国軍優秀勇敢献身勲章・トルコ国軍優秀奉仕勲章、キルギス勇者勲章、ルーマニア軍事優等勲章、モンゴル優秀奉仕勲章を受章。妻カムラン・オゼルとの間に子供が一人。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:23475 )