社会的関係についての若者の意識向上こそ、性的早熟から起こる様々な問題を軽減する唯一の方法だ。
【社会部：マルヤム・ユーシーザーデ】イラン法医学庁の精神医学部長は、イランでは情緒的成熟年齢が16歳まで下がっていると指摘し、「この種の成熟が早まれば早まるほど、否定的な影響も少なくなる」と述べた。
情緒的成熟年齢の低年齢化がこのように発表される一方で、一部の専門家は以前から性的成熟年齢の低年齢化に警鐘を鳴らしてきた。こうした警鐘と、情緒的早熟は否定的な影響を軽減させる効果があるとの予測との間には、意義深い関係が存在しているように思われる。
情緒的成熟と性的成熟
イラン法医学庁精神医学部長のマフディー・サーベリー氏の昨日の発言について分析を行う前に、おそらく情緒的成熟と性的成熟の違いについて触れておくのが良いだろう。心理学によると、情緒的成熟とは個人が感情をコントロールする能力を手に入れたときに生まれるものである。情緒的に成熟した人間とは、自身とその社会的関係を正確に理解し、愛情の正しい示し方、感情の表現の仕方、周囲の人々の様々な行動への対処方法などを学んだ人のことだと言える。
別の言い方をすれば、情緒的に成熟した人とは個人間の関係や感情について合理的な認識に達した人のことのことなのである。この種の成熟は往々にして、性的成熟と取り違えられている。しかし性的成熟とは、一般的にホルモンの変化によって、肉体や容貌、性格などに生じる成熟のことを意味しているのである。
昨日マフディー・サーベリー氏は、情緒的早熟は青少年期における一部の問題行動の軽減に効果があると述べたが、しかし同氏は同時に、それは親が〔子どもを〕正しく管理できるかどうかにかかっているとも指摘している。「各家庭はこの問題に対応するために〔‥‥〕準備を怠らず、子供に必要な教育を受けさせねばならない」。
同氏によると、イランの大部分の家庭では古い考えが優勢であり、それために親は子供が18歳になるまで、〔性的な〕成熟について子どもと話したがらないという。同氏はまた、両親が子供に〔性的な問題について〕きちんと教えないことは〔子どものその後の行動に〕悪影響を与えると指摘した上で、イラン学生通信（ISNA）とのインタビューの中で「そうした場合、子供は不確かな情報源から、逸脱へと誘うような情報〔＝ポルノ〕を手に入れることになる。これが問題を生むのだ」とも述べた。
同氏によると、実施された調査によって、文化や交通・通信が高度に発達した都市部では〔子供たちも〕早熟傾向にあり、社会的・文化的利便性が限られている小都市では〔子供の〕成熟も遅れる傾向にあることが分かったという。
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性的成熟の低年齢化、これまでにないスピードで進行中
その一方で、心理学者や精神医たちは何年も前から、イランで起きている性的成熟年齢の低年齢化に警鐘を鳴らしてきた。この件に関する最新の警告を、イラン社会支援協会のセイエド・ハサン・ムーサヴィー＝チャラク会長が発している。
同氏はメディア各社とのインタビューの中で、イランにおける性的成熟年齢の低年齢化の原因について、衛生状態や栄養の変化やメディアの発展にあるとの認識を示した上で、性的成熟年齢の低年齢化に比して、国内では晩婚化が進行していることを指摘し、この現象によってまず、「性的に成熟した時期」と「結婚という手段によって性欲の自然な充足が得られる時期」との間の期間が長期化していると説明する。そしてこのことが、さまざまな社会問題に通じているというのである。
国内には性的成熟年齢に関して、さまざまな機関によるさまざまな統計が存在する。例えば、心理学システム協会会長で国の顧問を務めるゴラームアリー・アフルーズ博士は昨年、記者会見の席上で「イランにおける平均の性的成熟年齢は、男子では16歳から12歳へ、女子では14歳から10歳へと下がっている」と発表している。
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（ 翻訳者:渡部智士 ）
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