アーヤトッラー・ムーサヴィー=アルダビーリー、社会における迷信の流布に警告
2011年07月31日付 Mardomsalari 紙

「専門的な宗教的議論に立ち入る代わりに、市民の抱える問題を解決すべきだ」

 アーヤトッラー・セイエド・アブドルキャリーム・ムーサヴィー=アルダビーリーは神聖なラマダーン月の始まりに際して発表したメッセージの中で、迷信が世間に流布していることに対し警告を発した。

(…)

 アーヤトッラー・ムーサヴィー=アルダビーリー事務所の広報サイトの発表によれば、マルジャエ・タグリード(シーア派の宗教的最高権威)である同氏のメッセージ本文は以下の通りである。

(…)言及しておかねばならないのは、信仰は強固な盾のように、我々の精神と生命を守ることができるということである。(…)故に、イスラームとシーア派の基本的信仰・信条の守護者たることをわれわれは義務づけられているのであり、こうした宗教と神に対する義務を蔑ろにすることは、時に取り返しのつかない害をもたらし、恐らくは人を道に迷わせるビドア(逸脱)や非行の源となっているのである。こうしたビドアはさらに、イスラーム社会や信心深きムスリム人民の純粋かつ清らかな信仰に、危険で害の多い結果を招くのである。

 われわれを大いに失望させているのは、しばらく前から根拠もなく偽造された迷信がかつてないほどの勢いで世間に広まっていることである。もっと深刻なのは、自ら率先してビドアと戦わねばならない人々〔※アフマディーネジャード大統領のことを暗に示唆している〕が(…)迷信の流布に手を貸しているということだ。

(…)

 このような思想的逸脱のもう一つの遺憾な例として、救世主マフディー降臨への期待と、神の偉大にして神聖なる友〔※第12代イマームを指す〕についての純粋な思想を歪曲し、道具として都合よく利用するような態度〔が一部の人に見られること〕を挙げることができる。事実をでっち上げ、信頼性に乏しい伝承に言及し、言い伝えを改ざんし、〔伝承に現れる人物と実在の人物とを〕不正に比較・照合する行為は、ついには救世主の降臨に向けたタイムスケジュールを提示したり、救世主降臨を待つべき最終期限を確定したりするといった行為に帰結する。しかしながら、正しい伝承によれば、こうした行為は虚偽であり逸脱なのである。

 こうした迷信は極めて広範囲に広がり、毒された雰囲気も大いに煽り立てられており、そこには何らかの陰謀が働いているものと考えられる。この種の根拠薄弱な事柄を世に広めることに精を出している集団がいる一方で、これを口実にシーア派の信仰全てを嘲笑する人たちもいる。双方はハサミの刃のようになって、イスラームの信仰原理やムスリム諸国民の信仰を脅かしているのである。

 何よりも危険なのは、こうした根拠のない内容が、思考能力の未発達なだまされやすい人たちに受け入れられ、危険なビドア・逸脱の起点となることである。こうした例は過去にも少なからず存在しており、実際バーブ教やバハーイー教といった分派は、こうした詐欺行為から生まれたのである。

(…)

 宗教的な問題についての専門的知識を持たない人々はこの分野に立ち入る代わりに、国民が直面する問題の解決に取り組んでもらいたい、特に経済的問題の解消に尽力してもらいたい、というのが、敬愛する政府当局者への要望である。

(…)


(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
関連記事(アフマディーネジャード「世界で起きているあらゆる運動は、《時のイマーム》の許可のもとにある」)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:松村すみれ )
( 記事ID:23549 )