クーデターの根拠である「トルコ共和国の保全と防御」の条項に、議会システムに従うという条件が追加されることとなった。
クーデター及びクーデター計画の「法的隠れ蓑」と言われるトルコ国軍内務法第35条の改正に向け基礎調整に入った政府は、軍部より期待していた「肯定的サイン」を得た。(改正後の条項では)トルコ国軍の「トルコ共和国の保全と防御」という任務は維持されるが、これを実行する際は民主的議会システムに従うことが強調される。
昨年9月12日に行なわれた国民投票で、(1980年クーデター指導者の)ケナン・エヴレンへの法的後楯として示されてきた憲法暫定条項第15条を撤廃した政府は、トルコ国軍内務法第35条も「民主化への歩み」において重要且つ非常に象徴的なものとして捉えている。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が特に重視するこの条項の改正のため、首相府、内務省、そして参謀司令本部により継続されている取組みで「顕著な進歩」があった。条項の撤廃か、それとも改正かという選択肢が机上に載せられた。参謀司令本部から政府に対し、この条項と関連してこれまで「考慮に値するような反対」はなかったことを明らかにした消息筋は、この問題が乗り越えられ、参謀司令本部ももはや前向きな態度で距離を縮めてきたと話した。
現在、「軍の任務はトルコ国土と憲法により制定されたトルコ共和国を保全し防御することである」と記される条項を改正するという選択肢が優勢だと伝えられた。これによると、トルコ国軍が「保全と防御」という任務を民主的議会システムに従いながら行うという表現が追加される。この条項に関する最後の取り決めは、来週辺りにレジェプ・タイイプ・エルドアン首相とネジデト・オゼル参謀総長の会見にて行われることが伝えられた。
■共和人民党(CHP)と平和民主党(BDP)は支持
前回の国会でCHPは、第35条の「軍の任務は、トルコの国土と憲法により制定されたトルコ共和国を、議会民主主義システムが機能する範囲で、且つ憲法に従って保全することである」とする改正に向けて、議会に改正案を提出した。(しかし)この改正案は議論されなかったため脱落した。
ミッリイェト紙の質問に答えたケマル・クルチダルオールCHP党首は、この改正案を10月1日に再提出すると述べた。
この条項改正をBDPも熱い眼差しで見ている。ハスィプ・カプランBDP議員も、以前の会期にて撤廃に向けた提案をしていた。
アブドゥッラー・ギュル大統領は、今年4月に条項改正を呼びかけた。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相も、6月12日の選挙過程にて第35条が非常に複雑であると強調し、これを改正するというメッセージを発した。
■最初の一歩は警察治安(EMASYA)にて踏み出された
2010年2月に、当時の参謀軍事作戦長官であるメフメト・エロズ中将とオスマン・ギュネシュ副内務相の間で署名された協定により、知事府の要求がなくとも社会的事件に介入する権利を軍に与えるEMASYAプロトコルが撤回された。
1997年7月7日に政府と参謀本部の間で署名されたこの協定は、第35条同様、批判の的となっていた。
■「バルヨズ」(クーデター計画)の根拠にもなるはずだった
1961年に制定されたトルコ国軍内務法の第35条は、ケナン・エヴレンにより1980年9月12日に遂行されたクーデターの「法的根拠」として示された。第35条は(1997年の)2月28日過程においても、福祉党と正道党による連立政権に対する(彼らを退陣させる)「やんわりとした脅し」の理由付けに持ちだされた。
第35条が最近表沙汰となった「バルヨズ」クーデター計画においても「クーデターの根拠」として利用されることが望まれていたことも明らかとなっている。
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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:23569 )