CHP、ダウトオール外相のシリア訪問批判「トルコはアメリカのお使いか?」
2011年08月09日付 Hurriyet 紙

共和人民党(CHP)会派副代表のエミネ・ユルケル・タルハンは、昨日(9日)トルコ大国民議会で開かれた討論会で、アフメト・ダウトオール外相がシリアのダマスカスを訪問したことに言及し、「トルコはアメリカの中東におけるお使いか?伝令か?」と批判した。

ケマル・クルチダルオールCHP党首は、公正発展党(AP)の外交により、トルコは西洋列強のための中東のスポークスマンの立場になったと発言した。またレジェプ・タイイプ・ エルドアン首相がシリアについて「我慢の限界に達した」とコメントしたことに対しては、「それなら政府は何をするのだろう、シリアに軍事介入 か?」と述べた。

■かつてはビザも撤廃した関係

クルチダルオールCHP党首は、CHP本部で任命を受けなかった教師たちと会合した。そのあと、昨今の動向に関する記者団の質問に答え、シリア情勢の緊張の高まり、アフメト・ダウトオール外相のシリア訪問について述べた。同党首は公正発展党(AP)が外交で「善隣友好」を追求していると説明したことや、シリアと相互ビザを撤廃したこと、シリアと深い関係を築いたことに触れ、「だが、何があったとしても、西洋列強が関与してきた結果、その関係は突然崩れた。シリアは今、もはや我々中東における最大の敵国となっている。トルコは西部列強の中東スポークスマンのようになった。すべての近隣諸国との関係が崩れた」と話した。

■シリアへ軍事介入の風潮

「クリントン米国国務長官のコメントを、ダウトオール外相を介してシリアに伝えたことをどう評価しますか」という問いに対し、クルチダルオールCHP党首はダウトオール外相がシリアに赴き、民主主義と自由を認める要望を伝えたことには異論はないが、問題はトルコが内政に干渉するような態度を見せたことであると話した。またエルドアン首相の「我慢の限界に達した」というコメントを批判し、「それなら政府は何をするのだろう、シリアに軍事介入か?いかなる理由で我慢の限界に達したのか、首相は出てきて説明するべきだ」と述べた。

■一党独裁制の時だ

クルチダルオールCHP党首は、国会議員は議会の演壇で自由に発言しており、国民にこのことを隠すことに意味はないと強調し、「1940年代の一党独裁の時代にトルコは回帰している。民主的発展と我々は言うが、検閲により民主主義の幅が制限されている。今現在、メディアには検閲が存在するし、その事業者には圧力が加えられている。議会での討論をいかに国民に隠せようか。そうしようとしているが、正しくない」と話 した。

■博物館を支持

ケマル・クルチダルオールCHP党首は、画家のムスタファ・アヤズ氏が設立し、トルコ初の個人博物館の中でも条件の良い場所にあるムスタファ・アヤズ博物館をアヤズ氏の案内でめぐった。クルチダルオールCHP党首は、「ムスタファ・アヤズ氏は、画家の大変重要なシンボル的存在である。稼いだ財産で個人博物館を開き、経営してきた。おそらく、この博物館の継続の中で様々な問題も時とともに解決するだろう。アヤズ氏が自身の懸命な活動で入手したコレクションにより、次世代には重要な絵画時代がもたらされる」と話した。

■国家の名誉を傷つけるな

ダウトオール外相は、クルチダルオール党首の「トルコはシリアで西洋列強の下請け人をしている」と批判したことを適切でないとし、以下のよ うに述べた。

「悲しんで申し上げますが、あの批判はおかしいでしょう。なぜか?閣僚には他国の下請け人はいませんでしたし、今後もいません。あれは国の習わしを侮辱する発言です。国の名誉をこうやって傷つけないよう望みます。トルコはいつ何時も他国の追従者やスポークスマンになったことはありませんでした。イランの件で国連で投票したことをもって、「西洋から離脱する」と発言した人々が、今日この発言をおこなったことに注目 しています。クルチダルオールCHP党首の発言は理解ができません。また、実のところイスラエルの下請け人といった形で問題を持ち出すのを望みません。」

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( 翻訳者:木村納奈 )
( 記事ID:23598 )