イラク:ムバーラク港建設を巡るクウェートとの危機の解消を宣言
2011年08月19日付 al-Hayat 紙


■イラク政府、クウェートとの危機解消を宣言

2011年08月19日『アル=ハヤート』

【バグダード:ジョウダトゥ・カーディム】

イラク外務省はムバーラク港建設によりクウェートとの間に生じていた危機が解消した事を宣言した。

イラク外務省筋が本紙に語ったところよると、「サーミル・アル=ガドバーン首相顧問率いる専門調査団はクウェートを訪問し、ムバーラク港建設現場を視察した後、クウェートの上位関係者らと複数回に亘る長時間の協議の場を持ち、イラクの国益を害することなくムバーラク港のプロジェクトを遂行するメカニズムについて協議を行った」との事である。

また匿名の情報筋は、「ガドバーン議長とホシュヤール・ズィバーリー外相が主導した交渉では、原則としてプロジェクトは第3フェーズまでで停止するとの結論に至った。クウェート政府が要求したいくつかの保障事項に対するイラク政府の合意の如何によっては、第4フェーズも継続されるとの条件がつきだが。」と語り、「クウェート政府が提示した保障事項は、イラク専門調査団に対する非公開メッセージなのだろう」との見方を示した。

さらに同筋は「両者間の交渉や現地視察に加え、プロジェクトの元々の設計図を検討した結果、ムバーラク港建設によってアブドゥッラー湾での航行が阻害される事は無いと証明された。」と述べ、「取り沙汰されていたイラク船舶の航行を阻害する河口の存在に関する情報は、誤ったものだった」と指摘した。

また、「当時の情報はムバーラク港の建設が4つのフェーズから構成されるとしていたが、クウェート側が我々に伝えたとこころによると、『第4フェーズはイラク船舶の航行に影響を与える事が懸念されるため、第3フェーズまでとする』との事だ。」と話し、「誠に遺憾だが、イラク・クウェート間関係の発展を快く思わない国外勢力の中に、両国間の危機がエスカレートするよう画策したものがある。同勢力はイラク政府に対し、プロジェクトが4つのフェーズから構成されており、そのうちの第4フェーズはイラクの海上航路の大部分を断絶、もしくは全てを閉鎖する虞れがあるとの誤った情報を提供してきたのだ。」と述べた。

イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相は数週間前に行われたテレビインタビューで、とある第三国がイラク政府に対しムバーラク港に関する情報を提供した事を明らかにしたが、首相は同国家の名前を公表せず、イラク外務省も同様の立場を取った。

(後略)

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:23692 )