シリア情勢:英国の閣僚が石油分野への制裁に慎重姿勢
2011年08月21日付 al-Hayat 紙

イギリスの国務大臣はシリアの石油についての制裁に関して注意するよう要求

2011年8月21日『アル=ハヤート』

【ロンドン:ロイター】

イギリス外務省の国務大臣アリステア・バートは昨日、英国は欧州連合が提案したシリアの石油分野への制裁を支持するかどうかまだ決めていないと発表した。同大臣は、英国は石油分野への制裁がバッシャール・アル=アサド大統領に損害を与える以上にシリア人民に害を与えることを懸念していると説明した。

先週木曜日(18日)、アメリカ合衆国はアル=アサド大統領が市民の抗議行動を攻撃したことに抗議して、シリアの石油の輸入を禁止することを決定した。国連はこの攻撃で約2千人が死亡したと述べている。しかし、欧州連合は制裁に関してより段階的な方法を採った。一昨日、欧州連合は制裁対象のシリア政府機関と責任者の数を増やすことに同意し、石油の禁止に関する議論を来週の中頃に延期した。

欧州連合のいくつかの政府は、公的企業が大規模な投資をしている中で、貿易での利益と長期的な関係に損害が出ることを懸念している。シリアで活動する欧州の公的企業には、イギリス・オランダの「ロイヤル・ダッチ・シェル」やフランスの「トタル」がある。

イギリス国務大臣は「BBC」との会談で次のように語った。「我々は石油に関する措置を決定していない。我々の考えでは、制裁は政権を支援する者を対象にして続けられなければならない。また、制裁は現状の変更やシリア人民の状況改善により大きな影響を与えることを基礎に検討されるべきだ。」

スウェーデンなどの欧州連合の国々は、シリアの石油禁輸に多大な支持を表明した。欧州はシリアから輸出する石油の最大の消費者であり、石油輸出はアル=アサド政権の重要な収入源である。しかし、何人かの解説者は、おそらく制裁はアル=アサド大統領をイランとより親密にさせ、短期的にはシリアでの暴力のレベルにさほどの影響はないだろうと述べた。

バート国務大臣は石油の禁止は欧州連合の国々の全会一致を必要とするだろうと指摘した。また、欧州連合加盟国の諸政府は、アル=アサド政権その他のあらゆる経済的苦境で欧州連合を非難できるようになる点に警戒すべきだと指摘した。そのような経済的苦境では、シリア人が苦しんでいる。さらに「我々がやるべきこと、やっていることは、圧力を強めることである。圧力を強める方法は、シリアの報道官が“あなたがた(=欧州連合)はシリア人民を破壊している”と主張する余地を与えない方法をとるべきだ。」と付け加えた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:増田里紗 )
( 記事ID:23710 )