薬局で性的興奮作用のあるガムが販売:保健省、市民に通報を呼びかけ
2011年08月21日付 Jam-e Jam 紙

【社会部:マストゥーレ・バラーンダラーン=ナスィーリー】保健省の広報サイトは同省の食糧・医薬品庁の医薬品担当副長官の言葉を引用する形で、薬局で性的興奮作用のあるチューインガムが違法に販売されているのを見かけた場合は関係当局に通報するよう、市民に呼びかけた。

 モハンマドレザー・シャーネサーズ博士は、「どの薬局にも、性的興奮作用のあるガムを販売する権利はない。必要な法的取り締まりを実施するためには、〔こうしたガムを見つけ次第、〕市民がこの問題を全国の医学系大学に通報することが必要だ」と述べた。

 同氏によれば、こうした問題に対しては食糧・医薬品庁の検査官が法的取り締まりに当たっているものの、〔十分な〕取り締まりを行うには、保健省は市民の通報を必要としているという。

〔…〕

 〔保健省のサイトに掲載された〕この声明は、国内市場でこうした商品が実際に存在することを認めるものだと言えるだろう。ここから分かるのは、衛星放送を通じて規制を受けることなく宣伝されている商品が、国内市場で簡単に入手できるようになっている、ということなのだ。

 衛星放送では、性的興奮作用のあるガムだけでなく、同様に性的興奮作用のあるチョコレートや指輪、ネックレス、香水なども宣伝されており、一部の薬局やスーパーマーケットにさえ行けば、あるいは電話連絡さえすれば、簡単にそれらの入手が可能となっている模様だ。

〔…〕

 麻薬入りガム!

 麻薬入りガムが国内にあるとされる問題は、まずはそれを消費することへの警告とともに始まった。86年シャフリーヴァル月〔2007年8月23日~9月22日〕に、麻薬対策本部は声明の中で、青少年の間で「パンパラグ」(Pan Parag)と呼ばれるチューインガム状の合成麻薬が流通していることについて、すでに警告を発していたのである。
〔※Pan Paragはインドを中心に一般に流通している、ヤシ科の植物ビンロウの種子を主成分とした嗜好品の製品名。そのため、Pan Paragは「合成」麻薬とは言えない。なお、ビンロウは南・東南アジア一帯で嗜好品として伝統的に用いられている。〕

 人々が「パンパラグ」に引きつけられるのは、昂揚感や一時的な陶酔、爽快感、めまいや虚偽の幸福感が引き起こされるためである。この商品は麻薬であるだけでなく、きわめて発がん性が高いとの警告もある。

 麻薬対策本部の声明によれば、特にイラン東部の諸州で、「パンパラグ」と呼ばれる合成薬の使用が青少年の間で拡大しており、「タイタニック」、「ブラーク」、「ラージャ」、「ボム」、「ポパイ」〔※〕といった興味を誘うネーミングで、偽りの宣伝が行われている。そして、利益第一主義の便乗主義者たちによって、非衛生的な形で販売されているのである。
〔※訳注:「ブラーク」は預言者ムハンマドを天に運んだ動物、「ラージャ」はサンスクリットで王の意〕

〔…〕

 この声明から数年が経ったにもかかわらず、麻薬入りガムはいまだに消費されていると伝えられており、少し前にはファールス通信が、パンパラグがインドやパキスタンの俳優の画をあしらった、小ぎれいなパッケージングで国内に流入していると報じている。

 実際、インドやパキスタンの俳優の写真をあしらった小ぎれいなパッケージングのパンパラグは、ハッカ風味のガムやトローチ、粉末として、また口臭予防剤として、いまだに国内に流入しているという。

 この報道によれば、この麻薬の価格はマシュハドで50~300トマーン〔約4〜23円〕程度とのことだ。

 ターハー・ターヘリー麻薬対策本部事務局長代理は、イラン南部でパンパラグの消費が拡大している原因について、この種の薬物の消費はイラン東部に在住するアフガニスタン系・パキスタン系市民によるものだと指摘し、この薬物が全国的に広がっているわけではないと述べた。同氏はその上で、イラン学生通信に「使用後の中毒症状があるこの薬物は、使用者に対して激しい身体的依存症状を引き起こし、様々な結果を招く」と警告している。

〔…〕

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( 翻訳者:神田浩輝 )
( 記事ID:23744 )