ウシュク・コシャネル前参謀総長のものとされる録音テープの第2弾がインターネットに流出した。テープの中で、コシャネル前参謀総長と思われる人物の「我々は間違いを犯した。法と規則を逸脱する行動をした。全てこのようになるだろうと思っていた」との発言が注目されている。
高等軍事評議会の前に退職を願い出たウシャク・コシャネル前参謀総長が、テロとの戦いに関して話し合うために何人かの将校と行った会議での録音テープがインターネットに流出した。
録音テープでは、テロとの戦いにおける間違いや怠慢、そして弱点について述べられており、コシャネル前参謀総長であるとされる人物が、規律徹底がなされなかったため「我々は、我ら兵士の額を撃った」と述べていた。録音テープの終わりでは、録音テープの続きがあることをにおわせていた。
■指揮官からの辛い告白
会話の続きは今日(8月25日)インターネットに流出した。動画共有サイトに新着2としてアップされた会話で、コシャネル前参謀総長が語った内容の概要は以下の通り。
■警官と兵士の関係:「周囲をあわてさせることになる」
警官が兵士を逮捕するのは、我々にとって腹立たしいことだ、しかし我が兵士らは罪を言い逃れるために兵士であることを言わず、後で、警察で言っている。一人の兵士が、ある個人的な過失のために警察の管轄する地域で警官によって尋問を受けた場合、まず兵士であることを言わなければならない。現在、我が兵士たちは罪を言い逃れるために、先に兵士だと言いはしない。警察にいって、棍棒で殴られ始めたら「私は兵士です」と言う。後の祭りだ、とんでもない。
■「どうやって漏れたのか」調査
警官が警察まで来なさいと言っても抵抗しないように。警察に行って、まず兵士であることを伝えなさい。警察に行った後は、我々の出番となる。我々はこれを見捨てるつもりはない。もし、将校の一人が警察に連れていかれ、その後で本部に連絡をよこすなら、周囲をあわてさせることになる。
■「法に対して我々はどれほど敬意を表していることか、我々は馬鹿だというのか」
「我々は法に敬意を表している」ということを間違って理解しないように。我々は馬鹿ではない。アアルでは、警官に対しつけあがらないように押さえつけていた。以下の言葉を間違って理解しないように。私はしばしば我々(軍)は法に対し敬意を表していると言っているが、この意味はこうだ。我々は馬鹿ではない。単に我々が法に敬意を表すだけではない。我々と対立する人々も法に敬意を表しなければならない。私はこのことを示そうと努めている。私は法に敬意をしめす。だが、君も敬意を表さなければならない。君もだ。私はこのことを、主張するつもりだ。
■「新聞記者から距離を置くように」
「諸君、ともかく、ほら、ある一つの言葉があるが、私はとても気に入っている。いかなる報道関係者も我々の敵にはならないが、友にもならない、友人にはならないのだ。報道というのは、報道関係者の責務であり、ニュースになり得る何かをキャッチすると、誰に対しても情け容赦なくなる。なぜなら、彼にとって一番重要なことは、ニュースをみつけ、新聞に書くことだからだ。お金をもらっているから。もうひとつは一面を飾れば報奨金が出るから。一面を飾ったとして。だから記者とは、地元のメディアだろうが、主要メディアだろうが、テレビだろうが、新聞記者だろうが、距離を置くように。どうか、何であれ君たちは彼らとは距離を置くように。
■「一兵卒を利用することはやめよう」
全ての人は我々を注視している。一兵卒を利用することを徐々にやめよう。そうでなければ彼らをやめさせることになる。しばらく注目するつもりだが、今いくつかの統率上の問題について話すことにしよう。もちろん、全ての人は我々を注視している。どのように?どこのどんな兵士だかが不法な行為を行っているのか。どこかの将校が一兵卒を利用している。どの将校、大将、将官だかが、犬だかなんだか知らないが構わず兵士に散歩させている。新聞で読んでいるだろう。どこかの将校は、子供を車で、よくわからないがどこかに送っている。誰がどこの学校に送っているのかは知らないが。また将校は妻を、どこへだか知らないが、送っている。全ての人は我々を注視している。どんなことも、もはや秘密にしておくことなどできない。全員が一つであるという意識を持つように
以下のように一兵卒を利用することは徐々にやめていかなければならない。家のペンキ塗りを兵士にやらせている。個人の家のペンキ塗りをだ、ああ!なんてことだ。協力してやめようではないか。でなければやめさせることになる。我々は見続けるつもりだ、このように。
■「我々は殉職者の近親者に対する敬意が欠けている。頻繁に(弔問のために)訪問しなくとも、はっきりと声をかけようではないか」
この地域にいる殉職者の近親者や我らが勇者たちに対して、諸君よ、我々は少しばかり敬意に欠いている。ともかくドアをたたいて訪問することがない。折を見て電話をしてあげれば、電話であったとしても、必ずや、皆この地域の勇敢な殉職者の家族ら、我が兵士らと近しい関係を続けるように。頻繁に訪問せずとも、はっきりと声をかけようではないか。
村の学校を修復させよう。資金は県から、そこここから流用するように。
■「エルゲネコンのことは知らない。しかし、バルヨズに関しては何かしら言うことができる」
我がトルコ軍を窮地に陥れたいくつかの事件について言及したいと思う。一連の発見によって、軍の大変多くの要人が、残念ながら様々は罪状によって捜査下にある。幾人かは逮捕され、保釈され、まだ拘束された。同じことをやっている。一連の事件に我々は直面しているが最大の事件、すなわちエルゲネコンという事件が明るみになった。その完全な詳細を、つまり「このエルゲネコンは何であって。どうして起こったか。また誰がどんなへまを犯したのか」などなど様々な主張があるが、私はわからないので何も言いたくない。だが、バルヨズについては言いたいことがある。バルヨズと言われる事件について話したいと思う。
■「バルヨズに関係するものは、軍内部で全て破棄されていた。全てを起訴状から知った」
今バルヨズと言われる、つまり第1軍司令本部において2003年に行われたセミナーで、ある計画(クーデター)がたてられたとする一連の主張に関して、何かしら言いたいと思う。諸君よ、この事件に関するセミナーに関連するドキュメントは全て破棄されてしまったので、事件が明らかになった際に、我々は何も見つけられなかった。我々は参謀本部、陸軍、第1軍司令部を探した、これは何だとか、なんといっているとか、云々。だが、バルヨズだか、なんとかのドキュメントは全く見つけられなかった。一つ、メッセージが出てきた。このために積極的なことはできなかった。我々は待たなければならなかった。
ご存知のように、ある新聞記者が、一袋分のドキュメントを渡したとかいう、CDだったか?その新聞記者に。当時、そのCDを手に入れることはできなかった。我々についてどれほど正しいことが書かれたのか、何をしたのか、我々はそれを知りえない。いつのことなのか、起訴状が用意されたのか、など。これらのCDが我々の手に入った時、事件がどのくらいの規模であったのか、なにが主張されていたのかをはっきりと理解したのだ。
■「全てを盗まれた。本来のスキャンダはこれだ」
我々を悩ます勢力に、諸君よ、第1軍司令部で我々に関するもの全てを盗まれたのだ。我々に関するもの全てだ。セミナーに関してあることないことすべて盗まれた。なんでもない人と会って話したことまでも含まれている。本来のスキャンダルはこれだ。どうしてこのようなことがおこるのか。我々が何を話しても彼らの手の内にあるのだ。問題はここにある。我々がこのスキャンダルを起こしたという。これがバルヨズのシナリオだ。罪に問われる部分が事件の中にありうる。私はそれをここで条件付きで認める。しかし、これらはすべて我々に敵対する者らに、すばらしい(我々を攻撃する)材料を与えてしまった。残念ながら我々は下劣な者の手に材料を与えたのだ。
バルヨズの過失責任や罪は第1軍司令部にある。本部からこのような計画がどのようにして外部に漏れたのか、説明はない、誰が渡したのか、我々が渡したのだ、我々が渡したのだ。誰も責めることはできない。
これらの過失や罪、そして過ちは、巨大な第1軍においてある計画のセミナーが行われ、全ての計画と全ての詳細が今、国民の手の内にある。さらにこのスキャンダルがある。どうしてこうなるのか。ある軍本部からこれらの情報をどうやって漏れるのか。どうやって漏れたかの説明はない。説明はない。
「軍互助協会(OYAK)のために尽力している」
今、この不利な状況の影響として、軍を困難に陥れているいくつかの他の事件があることを君たちにも知ってもらいたい。手短に話そう。一つ目は、皆、軍互助協会(OYAK)に関わっている。ご存知のように、軍互助協会は完全に我々の給与から差し引かれ、何年もの間差し引かれたお金によってつくられた組織だ。それを発展させたり、大きくする話などがある。今、OYAKを公的機関と認めようとする流れがある。そうなれば、皆もわかるように、我々はいくつかの税が免除され、我々は互助組織となり、いくつかの税が免税となる。しかし、公的機関となった際には、もしなったらだが、公的調達委員会はこのように望んでいるが、裁判所に申し出て、裁判所は残念ながら我々に有利な決定を下さなかった、でそうなると税を払う事態になるだろうから、様々な手続きにより、定年などにより受け取る予定の金額において15%程度下落することが問題となるだろう。今、これに対して戦っている。知ってもらいたいと思って述べた。残念な宣伝活動の結果、この税ゆえに我々は困難のうちにいる。
■「我々は兵役期間の平等について述べている。政治家たちはピリピリして敏感になる」
また我々が関心を持っているのは軍役制度だ。軍役制度についてはいろいろな意見がある。我々のアプローチはこうだ。全ての人々に平等な訓練年数など我々に関心はない。我々は国民の奉仕者であると言っている。全ての人々にとって軍役は平等な期間でなければならない。我々の考えはこれだ。我々の強調するのはこれだ。しかし、政治家たちはもちろん違った風に考えている。我々が全ての人に平等な軍役期間というと、政治家たちはピリピリして敏感になる。
■「彼らは軍事司法制度を変えようとしている」
我々を困難に陥れるであろうもう一つの問題は、諸君よ、彼らが軍事司法制度を変えようとしていることだ。彼らは命令を出すことができなかったので、「それをどうやって廃止しようか、どうやって抑えつけようか」、それを悩んでいる。バルヨズ容疑者の昇進に関して、文民部門(内務省)がタイミングを見計らって解雇するということを思いつかなかった。全て法に適している。しかし、合意できなければどうなるのか?司法は機能不全になっているようだ。
■「昇進に対して、法的障害はなにもない」
しかるべきところまで話したので、昇進できない、昇進が認められなかった2人の将校のうちの一人の大将について言及したいと思う。これらの軍人らの昇進を妨げるような法的障害はないのだよ、諸君よ。法的な障害は全くない。なぜなら、全ての事は、適切なタイミングに、合法的に行われたからだ。行政と我々が言う文民部門がタイミングを見計らって解雇することなど思いつかなかったし、そうしたことをできなかった。それゆえすべてを合法として進めていった。そして抗議やらなんやらだ。君らが追求したのだ、知っているとおもうが。今、高等軍事裁判所は再び彼らの昇進の決定を下した。再び昇進の決定書に我々は署名した。再び我々は送った。今トップの署名を待っている。誰が署名する立場にいるのか。2人の大臣、内務大臣と国防大臣である。そして首相と大統領。今、法はこれらを署名してくださいといっている。そして驚かないでもらいたいが、隠し事をしたいならすればいい、我々は完全に法に適してやってきたし、我々は正しい。驚かないでもらいたい。しかし、しかし、署名できなければどうなるのか?我々の法がそこでは無意味になる。何が起きてどうなるのか、それが疑わしい。
■「馬鹿げたことに奮闘している」
イラク国境を文官が管理するらしい。どうやって?できるのだろうか?諸君らは笑っている、違うか?これほど馬鹿げたことに我々は奮闘しているのだ。冗談のようだ。
改めて最近、よく議論に上る総合的国境管理システムという、国境管理を文民組織に任せるという話題がある。つまり、イラク国境などなどを文官が管理することになるらしい。われわれ軍人はここにいるのだ。諸君よ、どうやって管理するのだ、どうやって。師団本部はここにあるのだ。我々は笑っている。諸君らも笑うだろう。なに、これほど馬鹿げたことに奮闘しているのだということを言いたいのだ。
EUはそのようなことを望んではいない。過剰に注目しないように。全員任務をつづけるように。なお出ていっている。私は5万人を受け入れるつもりだ。文民組織を作るつもりだ。え、EUはこのように望んでいるというのか。別の話もある。こうした問題がある。過剰に注目しないように。全員任務を続けるように。
■「会計検査院が法を変更したので、金銭のやり取りがとても厳しくなった」
君らの注意をひくような最後の2つの問題は、諸君、会計検査院が法を変更したのを知っているだろう。よく注意しておきなさい。お金のやり取りはこのことの後でとても厳しくなった。会計検査院はチェックするだろう。我々の指図やほら、あれにおいても、問題が出てくる。ともあれ、決して一線は超えないこと。
■「このような状況になった原因は我々にある。我々は間違いを犯した」
一方で、この公的監査オンブズマンという制度は、近いうちに動き出すだろう。これは、あらゆる行政上の苦情に対して、オンブズマンと言われる人が我々のところに来て、釈明を求めるだろう。そしてこういうだろう。「あなたがたはこの人をぶっただろう。なぜぶったのですか」。 このような可能性もあるが、それほど近いうちにではない、法が施行されるだろう。このような厳しい状況になった原因は、残念ながら我々にある。我々にあるのだ。我々は間違いを犯した。間違ったことを行ったのだ。事態を重く見なかった。そうして書類や、ほらあれを保管しなかった。盗まれたのだ。我々は公然と手当たり次第話していたのだ。我々の話したことを聞いていたのだ。そしてあのもの、この者に罪をかぶせたのだ。知ってか知らずしてか、我々は話したのだ。そうです、署名する際、書類に注意を払わなかった。ああ、「みながイニシャルで署名した。私は下にサインしよう」といった、それがどういうことになったか。我々は注意を払わなかったのだ。
■「法と規則を逸脱する行為をおこなった」
携帯電話ででたらめを話した。物品を供与した。我々のパソコンに、不必要な情報を保管していた。そして、彼らがやってきて探し出したの。一連のものを見つけた。我々は言い訳ができなかった。
法と規則を逸脱した行動をとったのだ。全てこのようになるだろうと思っていた。しかし、残念ながら、内部に裏切り者がでた。残念ながらそれも見つけられない。法と規則を逸脱した行動を行った。時にはしなければならなかった。しかし、我々がこうしたことを、道を作ったのだ、全てそのようになるだろうと思っていた。そのようにし続け、我々がそうする権利のないいくつかの手段を利用した。今もある。それらは我々に対立するだろう。さらに残念ながら我々の中に。残念ながら、我々の中に、いい加減な仲間がいたのだ。残念ながら、それも見つけられない。たぶん数人だろう。結局のところ、残念ながら我々はたくさんの材料を与えたようだ。たくさん与えたようだ、材料を。
■「誰も我々を諭すことはできない」
国民は少し心配しているように見える。諸君よ、今、誰が何を言おうとも、何を話そうとも放っておきなさい。これをまあ、書き取る必要はない。実際彼らはこう言っているだろう、(トルコ国軍内務法)第35条を廃止し、よくわからない条項を付け足せと。付け足したければ付け足すし、したくなければするな。我々はトルコ国軍として、これのため(第35条に記載されている「トルコ国土の保全と防衛」)に存在している。これは我々の当然なる歴史的責務である。誰もこれについて我々を諭すことはできない。誰もこうするなと我々に言うことはできない。その時は我々の存在を否定することになる。これを言うことはできない。我々がこれを言う時、何人かは全く快く思わない。我々はこのことを声に出して言うつもりである。そして、今日までそうであったように、今後も協力して、顔をあげ、我々の立場を理解し、この気持ちで手と手を取り合い、協力して任務にあたり続けるつもりだ。このほかに道はない。
■「我々は国民の軍隊である。誰彼の傭兵ではない。」
我々はしっかりとしたスタンスで、国民に従っているということを証明しなければならない。我々はしっかりとしたスタンスを保っている。我々の基礎を揺るがす時ではない。もし、我々が気を緩めれば、我々の後に続く人々がもっとずっと大変な状況に陥るだろう。だから、お互いを信じ、お互いに助け合い、協力して手を取り合って、しっかりと一つになっていなければならない。これらの困難な問題について口にする必要性を感じたために話しているのだ。
我々は国民の軍隊である。誰彼に雇われた傭兵ではない。このことも常に示していかなければならない。我々は国民の軍隊である。このことを誇りに思っている。我々が誰それの傭兵部隊などといったことはあってはならない。我々はこのために兵士となったのだ。そのためにこの仕事を選んだのだ。そのために自らを犠牲にしているのだ。我々は国民の軍隊である。我々が国民の軍隊であるということを常に示さなければならない。元来、法は我々に多くの責務と権限を与えている。それらを認識し、それらに従って行動し、話し、議論しなさい。みなの健康を願う。
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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:23752 )