レイラ・ザナ議員から米オバマ大統領に送られた手紙
2011年08月26日付 Milliyet 紙


ディヤルバクル選出の無所属国会議員であるレイラ・ザナ氏は、この地域で最近起こっている事件とトルコによる北イラクのPKKのキャンプに対する空爆について、アブドゥッラー・ギュル大統領やアメリカのバラク・オバマ大統領をはじめとする世界各国のリーダーたちに手紙を送った。

ザナ氏は、「全世界の人々が注視する中、200年にわたる争いが続けられてきたこの地域は、平和を切望しています。クルディルタン地域が、第二のパレスチナになってはなりません。スリランカになぞらえるべきではありません。それは共同体の混乱や市民間の民族的な争いへと移行します。これも、世界の平和と人々をさらに苦しめることになります。私の期待と望みは、皆様の良心とお力で、この地域が必要とすることを実行していただくことです」と述べた。
ディヤルバクル選出の無所属国会議員であるレイラ・ザナ氏は、アブドゥッラー・ギュル大統領、アメリカのバラク・オバマ大統領、 NATOのアンドレス・フォー・ラスムセン事務局長、潘基文国連事務総長、イェジ・ブゼク欧州議会議長、ヘルマン・ファン・ロンパイ欧州評議会議長に対して手紙を書き、最近増加しつつある衝突や越境軍事行動に関しての懸念を伝えた。ザナ氏は手紙で、メソポタミアの地では、様々な文化、信仰、そして人々がこれまでずっと共存していたと話した。ザナ氏は、そうした人々らの中で、有史以前からこの地に住む住民であるクルド人が、こうした全ての文化、民族、信仰の多様性を受け入れてきたこと、そして自分たちと違う人々に対して、違う言語を話している、もしくは他の民族アイデンティティを持っているという理由で弾圧したことは一度もなかったことを主張した。

■「黙っていては理解しあえない」

トルコ、イラン、シリア、そして部分的に問題が解決したかのように見えるイラクは、クルド人が政治的地位を獲得しないよう、歴史的な同盟関係をいまだに続けていると主張するザナ氏は、次のように続けた。
「クルド人と政治的地位が問題になってから起きた権利の侵害およびと国境侵害、老若男女を問わず爆破された家々、村々、越境軍事行動そして空爆にもかかわらず、世界の世論が沈黙を続けること、そしてこの非人道的行為に対して沈黙しただ目をつむっていることに対し、我々の市民は大きな驚きをもっています。同時に、理解しあうことが難しい状況にあると考えています。この政権(トルコ政府)が常に攻撃的な姿勢をとっていること、そしてクルド人に対して、どんなに重要であろう、存在しないものにしようとしていることは、21世紀という時代にそぐわないし、フェアな行為でもありません」。

■「大虐殺は膠着状態を悪化させるだけだ」

ザナ氏は、PKKのカンディルでのキャンプに対する空爆で、ある家族が標的になったこと、そしてこの軍事行動がビュレント・アルンチ副首相によって主導されたことを主張し、次のように書いた。
「どうしてもお伝えしたいのは、西側世界が、トルコの首相を中東に対してお手本のように示せば示すほど、彼はクルド人に対する圧制政策を強めていくということです。私が懸念しているのは、中東各国の独裁体制が崩壊する一方で、われわれは近代的に見えるもう一つの独裁体制(トルコ政府)と対峙する可能性があるのです。社会全体が自分と同じように考えることを強要し、様々な問題に対して同じような立場をとらない人々に対して示された態度は、このことの具体的な表れです」。

■「クルディスタンが第二のパレスチナになってはならない」

レイラ・ザナ氏は、手紙の最後に、「世界中の人々が注視する中、200年にわたる争いが続けられてきたこの地域は、今や平和を切望しています。クルディルタン地域が、第二のパレスチナになってはなりません。スリランカになぞらえるべきではありません。それは共同体の混乱や市民間の民族的な争いへと移行します。これも、世界の平和と人々をさらに苦しめることになります。私の期待と望みは、皆様の良心とお力で、この地域が必要とすることを実行していただくことです」と書いた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:23767 )