大統領就任5年目を迎え、アブドゥッラー・ギュルとのインタビュー
2011年08月27日付 Yeni Safak 紙
若かりし頃のギュル(左)
若かりし頃のギュル(左)

アブドゥッラー・ギュル大統領は、(大統領の)職務が全ての政党に対し平等な距離を保つ責任を課していると述べ、「この責任を果たす一方、否応なしに人は努力している」と述べた。

ギュル大統領はアナトリア通信に対し独占インタビューを行い、2007年8月28日に始まった大統領府での4年間とこの間の社会生活、大統領としてチャンカヤの官邸にもたらした革新と日常生活に関して心配されたことなどについて話した。
大統領府のイスタンブル・タラブヤのフベル官邸で行ったこと、ギュル大統領の現役政治家時代の気楽さへの懐旧、大統領としての責任、ソーシャル・メディアや写真への関心、健康維持、現在の家族生活に関する質問に答えたインタビューは次のようなものである。

問:大統領となって4年が過ぎましたがこれについて全体的な評価はいかがですか?
答:時がどれほど早く流れるかを示しています。本当に非常に素早く過ぎている。もちろん私には大きな責任がありますがこの4年で時間がどれほど早く過ぎるか、トルコと世界がどれほど大きな出来事の目撃者となったかを私たちは見ています。実際歴史家たちは私たちの時代を、「時が早く過ぎる時代」と述べています。昔ならば50年、10年で広まった出来事が今では2日や1週間で実現している。世界は変化しており、諸国も変化しています。充実した4年間でした。
多くの出来事や多くの歴史的に重要な会見が行われました。トルコとして、私たちは実際4年間非常に信じられないほどの変化の過程の中にいました。あらゆる分野で、政治、経済、文化的なあらゆる問題において…。世界のトルコイメージは非常に変わりました。世界で重要な事件が起き、世界で起きた事件はトルコに直接に影響していることをご存じでしょう。経済危機や社会危機が起こりました。私たちの周りで、中東で、イスラム諸国で歴史上最も大きな変化が起きています。これらすべてをみな一緒に経験しています。この4年間は説明しきれない出来事が起こりました。

問:あなたの大統領任期中に私たちは多くのことを初めて目にすることになりました。たとえばアタテュルクが行った「チャンカヤの晩餐」を再開されました。大統領のインターネット・サイトの活発化、大統領官邸の公開といったチャンカヤ官邸を刺激する試みなど…。この考えはどのように生まれたのですか?ほかにもやりたいと思いながらも実行できなかったことはありますか?
答:もちろんそれぞれの大統領に特有のやり方があります。私も現役政治家から、民衆から大統領になった人間として大統領府を人々に開くことと人々との融和、彼らが大統領府において起こっていることを見て追うことを大いに提案しました。
この中で、まず社会の重要な層の人々と毎月定期的なチャンカヤの晩餐を行いました。それはある時は歴史家、ある時は映画監督であり、ある時は音楽界の有名人、ある時は法律家たちでした。これを継続するつもりです。これらの人々だけではなく知識人も招待しました。
大統領就任後最初に行ったスピーチで科学、文化、大学生活を多いに支援し保護すると述べました。この枠組みで大統領府文化芸術大賞を毎年行っています。価値ある芸術家たち、知識人たちはこの賞を獲得しています。学問の世界の授賞式もまた大統領府で行っています。このことから私の行動様式は次のものです。「才能は称賛されるべき」という素晴らしい格言があります。私たちは成功を知り、その後を追い、そしてそれらを私たちが追いかけていることを皆に知らせるでしょう。新たな成功が訪れるようにと。この科学の世界でも文化の世界でも、そうするために努力を費やしています。私たちは仕事の人生の代表者、シンジゲート、仕事の世界としばしば一緒になっています。
さらに重要なのはおそらく現代の技術を導入し、webページでチャンカヤ官邸起こっていることを誰もが追う機会を提供したことでしょう。私の知っている限りwebページは1日に160万ほどのヒットがあります。「双方向」と言っていますが、それは実現しています。仲間たちに昨日23万通のEメールが届いたと伝えられましたが、これらのすべてに答えています。これは一種人々と、外部と緊密に接触していることを示しています。

■Googleの質問プラットフォーム

問:現在大統領府に向けたGoogleの試みもありますが。
答:はい。彼らも私たちのこのような関心を知っているため新たなプログラムを行っています。期間はまだ決まっておらず、1週間か1か月か、もしくは数日になるのか、仲間たちはそれに奮闘しています。トルコや国外から、我が国の市民もしくは市民である必要もないのですが皆が望む質問をするでしょう。その後この質問をした人々の間でアンケートが行なわれます。皆の最も主張する5個から10個の質問が決定されます。私は質問を決めず、彼らが決めて私はそれに答えます。これらすべては新たな試みです。機会は非常に自然です。

問:これらは人々に向き合っていることを示すものですね。
答:政治家出身なので常に人々とともにいました。もっとも小さな村、もっとも小さな地域、もっとも大きな街でも…。最大の会合では何十万もの人々とともにいました。そのため国民との断絶をいかなる時も考えませんでした。今や私は彼らを代表しています。大統領はすべてのトルコ共和国市民の大統領です。
彼らと実際に親密に関わることは大統領の立場として少々難しいですが、今言ったようにコミュニケーション技術は今日彼らとともにあることができる機会を提供してくれています。Twitterはこれらの1つです。Facebookも…。今日の世界は非常に大きな機会を提供しています。

■「さあその友人たちのところに行こう、そこを見ようと言えない」

問:政治家の上の立場にいらっしゃいます。政治家出身ですが、現役政治家時代が懐かしいですか?
答:もちろん誠実に話す必要があるならば、私は20年をすべて政治の中で過ごしました。私たちのやっていた政治はフルタイムの政治でした。そして国会議員として、長い間与党でも野党でもあらゆる立場にいました。大臣時代、短い首相時代、濃密な政治人生でした。否応なく人はそれを懐かしく思い同時に探しています。しかしもちろん大統領となった後、この名誉ある職はあらゆる政治的潮流、あらゆる政党に平等の距離を保つ責任も課しています。そのためこの責任を果たす際、否応なく人は努力しています。このような濃密な環境から来た後だからです…。しかし私はこれに多くの努力を費やしています。仲間たちや私が来た政治的潮流、彼らも日夜人生を共に過ごす友人たちも本当に非常に大きな注意や理解を示してくれました。私が職務の遂行において中立性を守るようにと。

問:現在と現役政治家時代を比べたときどのように家族に時間を割くことができていますか?
答:これは皆にとってもちろん非常に重要です。「人恋しい」と言う時、事実上の政治を行う切望以上に自由を切望しているという意味であると知ってほしいと思います。すなわち、大統領として行きたい場所に行くことはできず、思いついた時に「さあその友人のところに行こう、さあそこに出かけよう、そこを見よう」と言うことはできないのです。大統領の立場のためもちろん自分を制御するルールがあります。これらを無視することはできません。これらのほか、ある場所に大統領が行く際自分で行くことはできません。2・3人を連れて行くこともできません。望まずとも知らないうちに多くの人間が動員されています。そのことに気付くと本当に居心地が悪く感じます。ある場所に行くとしてもほとんど行かせないようにしています。これらすべてはこの新たな人生がもたらした現実です。
家族生活については、このような人生がもっと早くあってほしかったと思います。なぜなら子供たちはもはやいないからです。2人の息子と娘は私たちと一緒に住んでいません。子供たちは家を出て勉強しています。娘はご存じのように結婚しました。今は妻とともに住んでいます。これによって新たな生活スタイルもでき、疑いなくこれがもたらした新たな別の現実もあります。実は人はより若いときに、子供たちは小さいときに家族生活を模索しています。当時私たちは1日中政治の中にいました。そのため子供たちの成長に気付きませんでした。

■「誰にも伝えずカプスズ議員と散策」

問:外国訪問で説明されていましたが、夫人とともに大統領府のスタッフを残して車で外出されました。他の例はありますか?非常に望まれたと聞いています。
答:本当にとても望んでいるのです、車の運転を。自分で運転することを、外で、誰もついて来ずに…。これと同様に快適な日に、1か月ほど前だったでしょうか、ラマザンより前に、アンカラに友人が訪ねてきました。彼は車で来て「さあ一緒に行こう」と言いました。誰にも伝えず、外に出て少し散策しました。その友人というのは古い友人のサリフ・カプスズ(公正発展党議員)でした。ともに車に乗り、日中アンカラの外に出て少し散策しました。

問:見た人はいましたか?
答:もちろん見た人々はいました。彼らももちろん喜び、私たちも光栄に思います。

問:このペースの中で一日何時間寝ていますか?大統領府での仕事のほかに、帰宅後に処理するものもありますが。たとえばメッセージを見ていらっしゃいますし、ソーシャル・ネットワークのtwitterもお使いですが。
答:通常大統領府のオフィスから遅い時間に帰宅します。8時を過ぎることもあります。遅い時間まで働いています。帰宅後ももちろん読まなければならないものがあり、それを読んでいます。追跡する必要のある問題もあります。残念ながら、どれほど望んでも早く寝る習慣を長年の間に失ってしまいました。そのためとても遅い時間に寝ています。もちろん早く起きるので、睡眠に多くの時間は割けません。しかしもちろん十分に眠りをとらなければ次の日に活気があり生きた仕事をすることはできません。その点からも注意しています。

■「体型にも注意」

問:体型に注意なさっていることも聞いています。大統領に選ばれてからおそらく痩せたでしょう。
答:現役政治家と大統領は肉体的にまったく別のものです。ここでもし自分に、特に食べ物に注意していなければ自分の体形を維持できなかったでしょう。そのため現在はより留意しています。利点もあります。これも現実の1つなのですが、これは完璧に食習慣と食べたものに関係しています。もちろん運動も非常に重要です。

問:好きなのに食べられないものはありますか?
答:実のところありません。非常にありがたいことにそのような不快感はありません。好んでいながらも「ああこれは食べられない」というようなものはありません。しかし食べる量ももちろん重要です。計量して食べれば自分を守ることができるでしょう。

問:体形といえば、黄帯の柔道家でもいらっしゃいますが。
答:柔道ではありません。私は学生時代に空手に取り組みましたが上のレベルには行きませんでした。今は歩くことがとても好きで速く歩いています。私の場合通常の歩行も早いのです。ウォーキングに出ると速く長距離を歩きます。機会があればそれをやっています。

問:エルジエス(山)でのウォーキングはさらに快適だったことでしょう。
答:快適でした。道ではなく、実は長距離の8・9キロメートルのウォーキングでした。完璧に道を外れ小道を下山しました。素晴らしいウォーキングでした。天気も良く、子供時代の友人たちもいたため、政界に入る前の友人たちもいました。

■写真への関心

問:ケニアとタンザニアに訪問された際写真への関心を見る機会がありました。また時間を見つけたら写真を撮りますか?
答:写真を撮ることは好きです。今はもちろん簡単です。「銃が発明され勇敢さが壊された」という言葉があるでしょう。古いカメラはより異なっていました。携帯電話でさえ写真が撮られ、しばしばより質のいいものになっています。これらの写真が印刷されて目の前に来なければ撮った物を再び見るのか、私は知りません。おそらく見ないでしょう。しかし昔は少なくとも見られてアルバムになっていました。アルバムの中で整理する必要があり、「美しいものを印刷して片隅におけばよくなる」と私は言っています。とても気に入った写真をそうしています。

問:お孫さんがいらっしゃいますが、祖父となるのはどんな感じですか。お孫さんは娘さんの子供で、女の子の愛情も必然のものです。どのような感情と考えをお持ちですか?
答:祖父でない誰もが祖父から聞いたでしょう。「祖父となるのはとてもいいものだ。孫の愛は別の物だ。責任は父母に、愛情は祖父母に」と言っていました。もちろん私たちも今それを経験しています。本当に愛は別の物です。神が皆に運命づけますよう。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:23775 )