ギリシャの国会議員、アタテュルク廟をアクロポリスと勘違い
2011年08月30日付 Radikal 紙
ギリシャの極右政党・国民正統派運動党のヴェロプロス国会議員が、トルコ人画家のハティジェ・クムバラジュ・ギュルソズ氏がナフプリオン・フェ スティバルに参加した際に配布した卓上カレンダーの絵のアタテュルク廟をアクロポリスと勘違いし、「アクロポリスの絵にトルコ国旗とアタテュルクのシル エットを描くのには賛成できない」と述べて物議をかもした。間違いに気づいた後も「同僚が誤ったことを伝えたのです」と弁明した。
ギリシャの極右政党・国民正統派運動党のテッサロニキ選出の国会議員、キリアコス・ヴェロプロス議員が歴史的大失敗をしでかした。彼が原因で、ギリシャの国会 で初めてトルコ人画家の絵が議題となった。以前ギリシャ人のソフィア・カロゲロプル氏とともにアテナで展覧会を開催したことがあるトルコ人画家のハティジェ・クムバラジュ・ギュルソズ氏は、6月17〜26日にトルコからのゲストとしてナフプリオンのフェスティバルに参加していた。
ギュルソズ氏は1829〜1834年にギリシャ初の首都となったナフプリオンでの展覧会に参加し、ゲストへの配布用に卓上カレンダーを持参した。カレンダーには「父なるアタテュルクへの敬意」というタイトルの絵の写真も含まれていた。この作品はトルコでの他の展覧会では展示されたが、ナフプリオンでの展覧会では展示されなかった。アブディ・イペキチ平和友好賞を受賞したギュルソズ氏の「アクロポリスでの友好」というタイトルの他の作品は展覧会で展示されていた。
■物議をかもした絵
卓上カレンダーに挿入されていた「父への敬意」という絵が、ギリシャの極右政党に大きな波紋を投げかけた。極右政党・国民正統派運動党のテッサロニキ選出国会議員、 キリアコス・ヴェロプロス議員も、絵の中のアタテュルク廟を歴史的なアクロポリスの神殿だと思い込み、議会に質問主意書を提出した。ヴェロプロス議員は「アクロポ リスの絵にトルコ国旗とアタテュルクのシルエットを描くのには賛成できない」と述べ、内務大臣に弁明を求めた。ヴェロプロス議員の発言を受け、インター ネットのブログ上でフェスティバルにトルコをゲスト国として招待したナフプリオンのパナヨティス・アナグノスタラス知事にあらゆる侮辱が浴びせられ、知事はブログで「国家の裏切り者」とまで言われた。
■アクロポリスをご覧になったことがないのか
ヴェロプロス議員の質問主意書を受けて、内務省は文書で知事に説明を要求した。間違いが明らかになるのに時間はかからなかった。アナグノスタラス知事は厳しい声明を行い、「アタテュルクの墓を見たことがない人がいてもおかしくはないが、アタテュルク廟をアクロポリスと間違うのは、アクロポリスを一度もご覧になったことがないか、ナフプリオンを混乱させようとする頭のおかしな人かだ。円柱構造の建物はどれもアクロポリスとでもお思いか」と述べた。
知事の批判はこれにとどまらなかった。ナフプリオン・フェスティバルで「トルコ音楽の喧伝が行われている」との反応を見せたナショナリストらに対しても、「トルコ人音楽家は外国人作曲家の作品も演奏をするでしょう。でなければモーツァルト、リスト、ベートーベンはトルコ人か?あるいはトルコの手先?」と述べて批判をかわした。失敗が明らかになったことに対し、ヴェロプロス議員は主意書を取り下げた。
■「私はコンヤ出身です」
電話で当紙と会見を行ったヴェロプロス議員は、まずトルコ語で「ようこそ」と話し、後に自身のルーツがコンヤであると語った。ヴェロプロス議員は「え え、(私がアクロポリスと言ったのは)間違いでした。同僚が誤ったことを伝えたのです。トルコ人とギリシャ人が共通の文化と歴史を認識するならば、すべての問題は簡単に解決するでしょう」と述べた。画家のハティジェ・クムバラジュ・ギュルソズ氏も、「アナグノスタラス知事の会見は私が何も付 け加える必要がないくらいすばらしいものでした。私たち芸術家は、作品における愛や友好のメッセージでもって両国の間の冷めた関係を友好的なものに転じられると確信 しています」と述べた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:佐藤悠香 )
( 記事ID:23802 )