エジプトでデモ隊が防護壁を破壊しイスラエル大使館に突入、ベランダから書類をばらまく
2011年09月10日付 Al-Ahram紙


■「軌道修正の金曜日」にデモ隊が防護壁を破壊してイスラエル大使館の文書保管室に突入、ベランダから書類をばらまく

2011年09月10日『アル=アハラーム』

【フサーム・ザーイド、サーミフ・ラーシーン、アビール・ムルスィー、ハーズィム・アブードゥーマ】

「軌道修正の金曜日」と名付けられた(デモが行われた)昨日(9日)の夜、イスラエル大使館が18階と19階に入居しているビルの17階に位置する、文書保管室として使われていた一室にデモ隊が突入した。デモ隊は、イスラエル大使館が3つの階を使用している大学橋に近い住居ビルの18階のベランダから保管室への侵入に成功し、書類を投げ捨てた。その中には銀行口座やエジプト当局とのやりとりに関する「秘密」書類、またトゥラ刑務所に収監されていたスパイのアッザーム・アッザーム(訳注:1996年にカイロで逮捕されたイスラエルのスパイ。2004年に政治的な取引によって釈放され、イスラエルに引き渡された)に家族が面会するための措置を講じるようエジプト内務省に求めた文書などが含まれる。

エルサレムのイスラエル高官は「デモ隊は入口のホールまで到達したが、大使館の内部には決して入っていない」と述べ「ビルの窓から投げられたイスラエルの外交文書は、ホールに置いてあったチラシや用紙のたぐいであり、大使館本体には侵入されていない」と続けた。

大使館の入っているビルと大学橋の治安を確保するため、軍の装甲車が大量に投入され、同地区の状況は比較的コントロール下に置かれた。

アルジャズィーラ衛星チャンネルは昨晩、このギザのイスラエル大使館前で起きた事態を巡って、バラク・オバマ米大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ大統領の間で電話による協議が行われたとの速報を流した。

同じビルに住むある住人は本紙に対し、次のように語った。「デモ隊は四方に隣接するビルから大使館の入っているビルに飛び移り、ビルの電源を切ろうとした。だが私たちは再び電源を回復させた」「上階の部屋が攻撃されたが、そこの居住者たちは自分たちはエジプト人であり、大使館は最上の数階を使っているだけだとデモ隊に伝えた」

イスラーム系諸団体がデモへの不参加を決めた一方で[エジプトの人気サッカーチーム]アハリーとザマーレクのウルトラス(熱狂的なサポーターグループ)が突然参加する中、昨日の「軌道修正の金曜日」にはおよそ2万人のデモ隊がタハリール広場に詰めかけ、内務大臣の辞任と司法の独立を求めて「革命はどこに向かってるんだ?」と問いかけた。

デモ隊は、彼らの言葉を借りれば「過剰な暴力」を警察がサポーターたちに行使したとして(訳注:今月6日にカイロのサッカースタジアムでアハリーのウルトラスがムバーラク前大統領およびアーデリー前内相を批判するシュプレヒコールを上げた後に警備の警察隊に攻撃されたとする事件を指す)マンスール・アル=イーサウィー内務大臣の辞任を要求した。晩にはデモ隊はタハリール広場のフェンスを撤去し、交通の流れは部分的に通常通りに戻り始めた。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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(翻訳者:山本薫)
(記事ID:23907)