国家諜報機構とPKKの交信、インターネット上に流出―なぜ、いま?
2011年09月13日付 Milliyet 紙

トルコのお茶の間を揺り動かす新たな音声記録が流出した。今度は国家諜報機構(MIT)が爆発の現場となった。なぜなら、その記録が国家諜報機構、PKK、イムラル島に関する内容に触れているからだ。

■サイトをハッキングし流出

音声テープの爆弾発言の内容と同じくらい、今回の音声記録の流出は不可解である。そのため、気づかないようハッキングされたと指摘されている。音声記録は9時37分に親PKK的として知られるディジュレ通信のホームページに掲載された。「対話の中身はエルドアンを炎上させる」のタイトルでアップされたテープは、ホームページサイトをハッキングしシステムに侵入し公開された。

■私たちは公開していない、ハッキングされたのだ

ディジュレ通信のホームページは衝撃的な音声記録が掲載されたあと、2時間半にわたり閲覧が不可能な状態が続いた。ディジュレ通信は購読会員に、音声記録が「サイバー攻撃の結果パスワードが破壊され、(無断で)掲載された、掲載発覚後すぐに、ホームページから削除された」と 伝えた。

■衝撃的な音声記録、内容は?

動画共有サイトVimeoで公開された音声記録で、PKKと政府間の交信に登場する人物は、国家諜報機構次官のハカン・フィダン氏、同じく次官補のアフェ ト・ギュネシュ氏、クルディスタン社会連合トルコ議会(KCK)のムスタファ・カラス氏、PKK(クルディスタン労働者党、非合法組織)のサブリ・オク氏、クルド人民会議(Kongra Gel)のズュベイル・アイダル副党首、そしてトルコ政府側のコーディネーター。コーディネーターが英語を話す様子が分かる一方で、人物は特定されていない。交信がいつ行われたか についても分かっていない。

■15ページも要求を書くな

交信の中には注目すべき発言が含まれている。テロ組織PKKが要求を15ページにわたって国家諜報機構側に訴え、国家諜報機構が難色を示す、 「要求を15ページも書かないでくれ、短い書き方を君たちにうまく教えられなかった」と意見を述べている。

■衝撃を与えた交信の中身

PKKメンバー、サブリ・オク氏:「政府は、何郡の何山にテロリストが潜伏しているから殲滅するなどと言うべきではない、なぜなら私たちは(クルド)問題を解決しようと試みているのです。」

国家諜報機構次官アフェト・ギュネシュ氏:「ではいつまで山に(テロリストを)潜伏させるお考えですか?」

オク氏:「ですから私たちは早急にこの問題が解決するのを望んでいるのです、こう6年も7年もかけずに。」

ギュネシュ氏:「つまり、どこから話をしてもいいのですが、問題解決の指標の中には、例えば簡単な要求から、憲法改正からオジャラン氏の釈放まで、大変幅広いものがある。要求をそうやって話し合いに出したときに、広範にわたっているのです。それは3カ月とか5カ月と か8カ月とか1年とかで、話し合いを終わらせることとはまったく別の話なのです。」

オク氏:「本日のためにもっと短い要求(状)を用意していたら、どうなっていたでしょう。」

ギュネシュ氏:「ですから申し上げた通り、6枚半に収めるのであれば、私たちもその要求に応じるよう努力します。でもどうか15ページも書かないでください。どうか、お願いだから。」

オク氏:「では短くしましょう。」

ギュネシュ氏:「本当にあなたたちは書き方をお分かりでない。」

オク氏:「おっしゃる通り。」

■ディジュレ通信「ハッキングされたのです」

ディジュレ通信は、「ディジュレ通信から購読会員の皆様に大切なお知らせ」という通知を出して読者に謝罪した。

「今朝9時37分に配信された『対話の中身はエルドアンを炎上させる』というタイトルの記事は、弊社のホームページに対するサイバー攻撃により、パスワードが破壊されて記載されたものです。事実に従うとのスローガンをもとに、あらゆる困難を排して報道し続ける我が報道局は、読者の皆様に事実と客観報道に基づくニュースをお届けすることに全力を注ぐという理念でここまで参りました。今 回の記事は、(我々が)取材をして発表したものではなく、他の記事をもとに公開されたものでもありません。そのためこの記事が事実を裏付けるものではな く、我が報道局とも何の関係もありません。掲載発覚後すぐに、この記事は公開中止、ホームページから削除いたしました。またシステ ム調整のため、2時間半にわたりホームページが閲覧不可能な状況が続きました。読者の皆様には心からお詫びいたします。」

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:23957 )