エルドアン首相チュニジア訪問、「ムスリムも世俗国家を運営できる」
2011年09月15日付 Hurriyet 紙

エルドアン首相は、チュニジア暫定政府シブシ首相と会談後、共同記者会見にて、「我が国は民主的、世俗的、社会的な法治国家です。人は政教分離できませんが、国家は政教分離できます。ムスリムは、世俗国家を上手に運営できます」と話した。エルドアン首相は、チュニジアが真の民主主義への過渡期にあることを願っていると述べた。

タイイプ・エルドアン首相は、「アラブの春」歴訪の旅2番目の目的地であるチュニジアで、政教分離に関する重要なメッセージを発した。エルドアン首相は、「人は政教分離できないが、国家は政教分離できます。イスラム教徒は、世俗国家を上手に運営できます。世俗国家は全ての宗教グループに対して平等に距離をおいています」と述べた。エルドアン首相は、昨日チュニジアで暫定政府ベジ・カーイドゥッシブシ首相と一堂に会した。二者会談と代表団間の会談の後、エルドアン首相は、シブシ首相と共同記者会見に臨んだ。トルコにおける宗教と国家の関係と、チュニジアにおける新政党ナフタに関する質問に対し、次のように答えた。

■トルコを定義することで十分

トルコがどのような国か説明すれば、それで恐らくあなたがたにとっては十分でしょう。わが国は民主的、世俗的、社会的な法治国家です。政教分離という点で、アングロサクソン型の政教分離、あるいは西洋的意味での政教分離とは異なります。人は政教分離できませんが、国家は政教分離できます。イスラム教徒は、世俗的国家を上手に運営することができます。

■各宗教は国家保証のもとにある

世俗国家は、全ての宗教グループに対して平等に距離をおいています。イスラム教徒であれ、キリスト教徒であれ、ユダヤ教徒であれ、無神論者であれ。(国家は)すべてを保証しています。物事の本質はこれなのです。これは様々な議論をもたらしうる。しかし我々はこのように信じており、このように考えているのです。ナフタ党に関する考えとしては、チュニジアで、チュニジア国民の選択を尊重するのが我が国です。10月23日に、そしてその後チュニジア国民が、誰をそしてどの政党を選ぼうと、我々は最善な、そして最も理想的な形で彼らと共に尽力します。

■ イスラエルに好き勝手はさせない

エルドアン首相は、中東地域での事態の推移やパレスチナ問題に関する質問に対し、「我々は、最初から最後までパレスチナの兄弟たちに寄り添っています。東地中海においてイスラエルに望むままに好き勝手にはさせません。これについては、我々の決心を思い知ることになるでしょう」と述べた。記者会見でのエルドアン首相の発言の要約は以下の通り:

■革命は流血を伴ってはいけない

「ジャスミン革命後、『アラブの春』が息吹始めました。『アラブの春』はエジプト、イエメン、リビア、バーレーン、シリアに訪れました。我々が願っていることは次のことです;革命は流血を伴ってはいけない。人々を殺すことがあってはなりません。革命とは、思考や思想、そして理想が、投票の結果として、国民の意志とともに実現されるものであってほしい。チュニジアとエジプトでは、これが大規模に起きたと言えるでしょう。我々が今願うことは、チュニジアの兄弟たちが10月23日に投票へ行き、それにより設立される憲法制定会議とともに、真の民主主義に向かう時がやってくることです。

■民主主義は投票の結果でないといけない

そこには決してごまかしがあってはなりません。真の民主主義は投票によってもたらされなければなりません。チュニジアの兄弟は、こうした意志を10月23日に明らかにするでしょう、そして2011年について私が思うのは、チュニジアでは選挙の年になるということです。憲法に関する国民投票、国政選挙、これら選挙の年となることを意味しています。それだけではなく、最も重要なことは、チュニジアが次のことを証明してくれることです;すなわちイスラムと民主主義は両立しうると。

■我々は実現してきている

トルコは、国民の99%がイスラム教徒の国であり、我々は安心して暮らしていますし、問題はありません。過去も今も大丈夫です、つまり、今後も大丈夫です。異なるアプローチを示すことで、これらの行く手を阻む必要はありません。最も広範な意味での討議や協議が、国民の意志を示すことになる。一部の選ばれた人々による話し合いだけで、討議が成り立つといった法則はありませんし、さらに(政権の)運営側がおこなった協議により討議が成り立つとも言い切れません。あれもありうるし、これもありうるのです。しかし、最も広範なものは、国民の意志が示された話し合いです。この過程は間違いなく、チュニジアをより強固なものとするでしょう。

■トリポリとベンガジ

エルドアン首相は、リビア歴訪の一環として、トリポリののちベンガジとミスラタを訪問することが発表された。

■シブシ首相:民主主義とイスラムは矛盾せず

チュニジア暫定政権のベジ・カーイドゥッシブシ首相は、記者会見にて、次のように述べた:
「チュニジアとトルコが世界に示しているのは、民主主義とイスラムはそれぞれいつ何時も矛盾しないということです。エルドアン首相と、国家と宗教の関係について意見交換しました。公正な国家は、全ての宗教に信教の自由を認めているということで同意しました。我々は右派であろうと、左派であろうと、全ての過激分子に反対であることも強調しました。政治、経済、観光分野で協力関係を築いていくでしょう。願わくば、両国と両国民の間に新しい扉が開かれればと思っています。

■コーヒーブレイク

タイイプ・エルドアン首相は、チュニジア暫定政府ベジ・カーイドゥッシブシ首相と実施した共同記者会見の後、同行の代表団とともにメディナ・バザールを歩いた。エルドアン首相と息子のビラル・エルドアン氏、アフメト・ダヴトオール外相、ビナリ・ユルドゥルム交通大臣、タネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源相、ザフェル・チャーラヤン経済大臣、オメル・チェリック公正発展党(AKP)副党首とともに、トルコ・コーヒーを出す店に座り、トルコ・コーヒーを味わった。エルドアン首相は、バザールを訪問した後、ゼイドゥネ・モスクで礼拝を行った。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:23982 )