キプロスの探査開始へ対抗―北キプロスとトルコ、共同で地下資源探索へ
2011年09月22日付 Zaman 紙

トルコが北キプロス・トルコ共和国(KKTC)と共同で地中海において石油探査を行うことを可能とする、先日ニューヨークで調印された大陸棚の境界についての合意が、キプロス・ギリシャ側を不安にした。

キプロス島の新聞が合意に大きく紙面を割いている中、ギリシャ議会には、戦時に対応する新しい部署を設けることに関する法案が提出された。この部署の名は、緊急時市民計画(PSEA)部となっている。「戦時諸法」として名付けられた法を整備することによって、南キプロスが緊急時において(ギリシャが)どう行動するかを定めている。一方で、ギリシャの掘削調査強行に対する抗議を目的として、トルコが地中海に派遣することを計画した石油探査船のピリ・レイス号は今日(22日)出港した。

ニューヨークでの交渉を継続させていたレジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、南キプロスが不当な掘削調査を行ったため、軍の船を当該地域に派遣する予定だが、戦闘の心配はないと述べたとのことだ。(ギリシャ議会に提出された)法案では、あらゆる種類の攻撃、あるいは脅迫に対して、緊急時と告知された状況において、PSEAで責務のある人々が行動し、防衛を助けることを目的としている。アテネ(ギリシャ政府)は、トルコが北キプロス・トルコ共和国とキプロスの沖合で探査を行うことを可能とする合意に対して抗議した。ギリシャ外務省スポークスマン、グリゴリオス・デラヴェクラス氏は、「トルコのこの行動は、国際法と国連の安保理決議に反している。この「合意」は無効で無意味だ」と述べた。一方で、南キプロスのディミトリス・フリストフィアス大統領は、事前の予告なしに説明を行い、(ギリシャ側キプロスが行う)掘削調査の結果見つかる天然資源によって、キプロス問題が解決に至らなくても、キプロスのトルコ人も利益を得るだろうと述べた。この会見は、地中海における緊張を緩和することを目的として行われたとされている。

■ピリ・レイス号、地中海を航行

石油掘削を行ううえで必要な地震探査(海底と地下の調査)を行うことのできるトルコ唯一の船であるピリ・レイス号が地中海に出港した。タネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源相が昨日報道陣に対して行った会見では、昨日の時点でイズミル港につながれていたピリ・レイス号は、今日(22日)地中海に向けて出航予定であると発表された。ユルドゥズ大臣は、これにより地中海における調査が深められ、地中海に関係する諸計画が進展するだろうと述べた。北キプロス・トルコ共和国閣議では、昨日(9月21日)、トルコ石油会社(TPAO)に、領海における石油と天然ガス探査の権限を与えた。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:24057 )