スレイマン1世がレイプ!―大人気TVドラマ「華麗なる世紀」に反発の声
2011年09月26日付 Yeni Safak 紙


歴史家のジェズミ・ユルトセヴェル氏は、TVドラマ「華麗なる世紀」の中でスレイマン1世が性的いやがらせをするシーンに対し異議を唱えた。ユルトセヴェル氏は、スレイマン1世の時代の法律文書を発見したとし、「スレイマン1世がこのドラマを観たら、恥ずかしさのあまり他人の顔を見れなく なるでしょう、そして自分に生殖器官を切断する刑罰を課したでしょう」と語った。

ユルトセヴェル氏は会見で、立法者スレイマンの時代の出来事を描いたTVドラマ「華麗なる世紀」が世間に与えた反響について、オスマン文書館でスレイマ ン1世とヒュッレム妃に関する文書を調査したと述べた上で、事実と「華麗なる世紀」の演出の間には、歴史的知識の倫理的価値を全く無視した大きな矛盾があると語った。

ユルトセヴェル氏は、入手したあらゆる知識と文書を使い『華麗なる嘘』という本を出版したという。「TVドラマ『華麗なる世紀』第20話のラストシーンでスレイマン1世はトプカプ宮殿を空け、妹のハティージェの家を訪れます。そしてその夜サドゥカという侍女を無理に引き止め、「性的いやがらせと関係」を強いました。この出来事は以降の回にも続いています」と述べた。

ユルトセヴェル氏は、オスマン文書館でスレイマン1世の時代の法律文書を発見したとし、その文書には女性に性的いやがらせと関係を強いた者に対する刑罰が記されていたと話した。同氏は次のように述べた。

「文書には、『少年もしくは少女を誘惑した者、不倫により他人の家へ入った者、女性もしくは少女に性的いやがらせと関係を強いた者には、刑罰として当人の生殖器官を切断せよ』との記述があります。スルタン・スレイマンが生きていて自分の時代を描いた『華麗なる世紀』を観たなら、恥ずかしさのあまり他人の顔を見れなくなるでしょう、そして自分に生殖器官を切断する刑罰を課したでしょう。『華麗なる世紀』の時代考証を行なったエルハン・アフヨンジュ氏は、このようなドラマの制作を承認したことで逃れられない責任を負いました。『華麗なる世紀』において立法者スレイマンが性的いやがらせを行なう者として描かれた ことに、私は異議を唱えました。」

■帳簿に記された驚くべき内容

ユルトセヴェル氏によると、オスマン文書館で行なったヒュッレム妃にまつわる帳簿と文書の調査で、驚くべき事実が明らかになったという。「ヒュッレム妃は、1550年代の初頭に設立したクデュス(エルサレム)のワクフ救貧院で、信仰や人種にかかわらず困っている全ての人々のために毎日3回スープと肉料理を支給すること、一日に蜂蜜120キロとパン1300個を費やすことを望みました。ヒュッレム妃はメッカとメディナでも同様の奉仕を続けました。ヒュッレ ム妃は、イスラム教が広まったヒジャーズ地域と、預言者ムハンマドが聖天したアル=アクサ―・モスクの近くで慈善奉仕を行ない、後世にも敬われる人間性を備えた人物です。そんなヒュッレム妃を『華麗なる世紀』で描かれたように、悪魔のような所業の源泉たる人物として世間に示しては、スレイマニエ・モスクの廟で眠るヒュッレム妃を苛むことになってしまいます。」

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:24095 )