エルドアン首相、仏にスルタン墓廟のタイル返還要求―1880年代に違法持ち出し
2011年10月03日付 Zaman 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、ニコラ・サルコジ仏大統領に対し1880年代に違法にフランスへ持ち出されたタイルの返還を要求した。

エルドアン首相は、今年2月にサルコジ大統領が訪土した際、本件を取り上げた。首脳会談で、トルコから違法に持ち出された作品は概してオスマン朝スルタンにより贈られたもの、と主張する国々に対し、同首相は以下の通り述べた:「オスマン朝のスルタンが、祖先の墓廟のタイルを売ったり、贈ったりすることはありえない。」
一方サルコジ大統領は、エルドアン首相に対し「この件については情報がないので、調査を行わせる」と回答した。

問題のタイルは、パリのルーブル博物館、セーブル博物館、パリ美術館に分けて展示されており、元は、アヤソフィアにあるセリム二世、ムラト三世の墓廟とマフムト一世の図書館にあった。そして2003年になり、これらのタイルが1880年代の修復工事の最中、フランスの専門家により盗まれたことが明らかになった。

首相専用機で米国からヘラクレス像を持ち帰る際、文化遺産博物館のムラト・ススリュ館長が同行し、タイルにまつわる興味深い話を語ってくれた:「1880年代、オスマン帝国はアヤソフィアの庭園にある墓廟の修復を、あるフランス人専門家に行わせた。これに対し対価は支払った。その報酬に関する書類も手元にある。その後2003年に2度目の修復が行われた。この間、墓廟からタイルが2つ落ちた。タイルの裏には、それがパリで製造されたことを示す表記があった。このことが判明してから調査が行われた。すると、タイル全てが前述のフランスの専門家によりパリへ許可なく持ち出され、元あった場所には偽物が据えられていたことが確認されたのだ。何度も作品の返還を求めてきた。書面での交渉は続けられている。」

■歴史的作品群が返還の途上

アナトリアより様々な経路で国外へ持ち出された歴史的作品群は、文化観光省の追求により取り戻されている。トルコは、2000-2011年の間4501の作品を返還させ、今年に入ってこの9か月間にセルビア、ドイツ、イギリス、アメリカから1885の作品を取り戻した。最近では、米ボストン美術館に展示されている「疲労したヘラクレス」像がエルドアン首相の特別機でトルコへ運び戻された。大英博物館所蔵の碑文、ヴィクトリア・アルバート博物館所蔵エロス像の頭部も返還に向けた取り組みが行われている。

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ペルゲ出土のヘラクレス像(現ボストン美術館展示)、トルコへ返還へ
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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:24159 )