ジェイラン監督の新作、ニューヨークでお披露目
2011年10月09日付 Hurriyet 紙


ヌーリ・ビルゲ・ジェイラン監督の最新映画『昔々、アナトリアで』が、ニューヨーク映画祭でアメリカの観客に披露された。

■ニューヨークタイムズ:「一言で言うと、偉大な作品だ」

ニューヨークタイムズが「偉大な作品」と評した『昔々、アナトリアで』は、ムーン・アンド・スター・プロジェクトの企画により、リンカーン・センターとウォルター・リーデ・ホールで披露された。

オスカーノミネート候補に上がった第64回カンヌ映画祭で、審査員特別賞を獲得したこの映画は、ニューヨーク映画祭でアメリカの観客に披露された。ニューヨーク・タイムズは、『ウザク』と『うつろいの気候』についでこの映画祭で上映される『昔々、アナトリアで』を、「一言で言うと偉大な作品である」と評した。上映後、ジェイラン監督を祝してレセプションがおこなわれた。

アメリカ人とトルコ人の映画愛好家らと語り合った有名なトルコ人映画監督(ジェイラン監督)は、記者に行った発表で、「映画『昔々、アナトリアで』は、一見アメリカ人観客にとって気楽に観られるような映画ではないように思うだろうと述べ、「標準よりも遥かに長い映画です。確かに、見慣れたものと比べると他にも難点はあります。しかしそれでも予想していたよりも良く受け止められました」と語った。

ジェイラン監督は、アメリカ人の観客は他の国々と同じように均一ではないとし、「ですから多様な異なる映画を、世界各地の映画を好む人々が大勢います。どの国でもそうでしょうが、大半は、標準的で、商業的な映画に親しみやすいことは確かです。しかし、異なった映画を求め、異なった感受性を探す、もしくは人生の異なる局面に興味を抱く人々はいたるところにいます。こうした人は、アメリカでは他の場所よりももっと多いかもしれません。私が期待していた通り、ここでもそのような人々がより強い関心を示してくれました。私はおのずとそのような観客とよくめぐり会うのです」と語った。

■ニューヨーク映画祭は特別

アメリカ・トルコ協会の主導で、ムーン・アンド・スター・プロジェクトの企画によりリンカーン・センターとウォルター・リーデ・ホールで、今年第49回目となるニューヨーク映画祭において映画『昔々、アナトリアで』が披露された。ジェイラン監督は、この映画祭が非常に特別であると述べた。同監督は「重要と数えられる映画祭では競争はありません。ほんの少しの映画を選び、他の映画祭のように200~300もの映画を上映したりしません。世界の映 画の中から選りすぐりの作品を選ぶといっています。非常にクオリティが高い審査員がいます。英語でアメリカから発信される記事なので、ここでこの映画祭からメディアに出る言葉は、全世界に広がり、一部地域にとどまりません。だから非常に重要なのです」と語った。

■海外で映画を撮影したくはない

ジェイラン監督は、アメリカのメディアが自分に大きな関心を示し、インタビューしたがったとし、ある質問に対し海外で映画を撮影することに興味はないと述べた。ジェイラン監督は、「なぜなら、映画監督の素材は微細で身体的な表現も含まれるものだからです。ある文化の微細な部分を熟知することが必要です。そうでなければ、そこで映画は撮影したくありません」と話した。

ジェイラン監督は、映画『昔々、アナトリアで』がトルコでオスカー賞のノミネート候補に選ばれたことに関しても「トルコでオスカーはとても重要視されてい ます。候補となるのが義務のような感じなので、もちろんできるだけのことはします」と言った。ジェイラン監督は映画『昔々、アナトリアで』が、2012年1月4日 にニューヨークで公開されることを明らかにした。

リンカー ン・センター映画協会企画担当のリチャード・ペナ氏も、ジェイラン監督の映画をニューヨーク映画祭におけるリンカーン・センターで披露でき光栄に思うとし、「『昔々、アナトリアで』は、今年もっとも好まれた映画のうちのひとつです。メディアは多大な関心を示しており、多くの新聞記者が私に「今年最も良い映画だ」と評価していました。本当に素晴らしい映画で、記者の中には今晩もう一度見に来た者もいるほど気に入っていました。映画が公開しても、大きな成功を収めるでしょう」と語った。

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( 翻訳者:倉田杏実 )
( 記事ID:24209 )