覚せい剤常習者が殺人「あいつはジンに命じて、オレに嫌がらせさせていたんだ」

　テヘラン南東部で殺人事件が発生した。犯人は覚せい剤常習者の若者だった。彼は殺人という罪を犯したとき、次のように叫んでいたという。「あいつはジンをオレのところに送りつけて、オレに嫌がらせしていたんだ」。

　本紙の取材によると、事件の捜査が第157マスウーディーイェ分署の警察官によって開始されたのは、10月10日（月）の夜、ある男性からテヘラン110番緊急警察に、ハーヴァラーン通り沿いのとある自動車修理工場で、取っ組み合いの喧嘩が起きているとの通報が寄せられたことがきっかけだった。

　通報から数分後、警察官が事件現場に向かった。警察官がそこで目にしたのは、男がナイフを手に若者を殺害し、付近に居合わせた人たちを脅している光景だった。

　容疑者の男が逮捕され、事件が殺人特別予審判事に報告された。そして、遺体はロウシャン予審判事の命令で法医学に送られた。

■ 目撃者曰く‥‥

　捜査官らはまず、事件の目撃者への聞き取りを始めた。目撃者らによると、容疑者の男エイユーブはナイフを手に自動車修理工場に入り、被害者ヘイロッラーと取っ組み合いの喧嘩を始め、ナイフで彼を殺害、その後殺された男性について魔法使いだと主張し始めたという。

　目撃証言が得られると、殺害犯の身柄はさらなる取り調べのために、テヘラン刑事警察第10課の捜査官らの手に委ねられた。

■ 容疑者の男「殺しはジンを追い払うためだった」

　殺人の容疑者エイユーブは警察の取り調べのなかで、次のように供述している。

数年前、自動車修理工だったヘイロッラーと知り合った。ヤク（覚せい剤）をやるために、夜な夜な彼の仕事場に足を運んだ。以来、友達としての付き合いが続いたが、数カ月前ヤツから喧嘩をふっかけられた。それ以降、オレはあいつへの復讐を心に決めた。

数日前、偶然あいつとばったり会い、喧嘩をした。ヤツは魔法使いだった。ジンに命令して、オレの後をつけさせ、オレへの嫌がらせをさせた。オレはヤツのやり方に疲れ果て、つねに恐怖を感じるようになった。

　殺人の容疑者は、事件のあった夜について、次のように語った。

あの夜、オレは自宅でヤク（覚せい剤）をやっていた。そして今夜、ヘイロッラー殺害計画を実行に移そうと決心した。もうジンにつけ回されたくなかったからだ。事件の夜、自動車修理工場に行くと、ヘイロッラーはすぐにオレの姿を見つけて、逃げようとした。

おれはあいつの行く手を阻んだ。修理工場には他に何人かの人がいて、喧嘩を止めさせようとした。そこでオレは、邪魔したら怪我するぞと彼らを脅し、その上でヤツをナイフで殺した。

　男はその上で、「ジンがオレから離れていくのを感じた。もうオレに嫌がらせをすることはない。なんてったって、ヤツらの親玉を殺したんだから」と続けたという。

　テヘラン刑事警察犯罪課補佐のハージーザーデ大佐は本件について、「容疑者は法的命令に基づき拘束されており、追加の捜査が続けられている」と述べている。

　同じジャンルの記事を見る

（翻訳者:斎藤正道）
（記事ID:24226 )