マルディン・アルトゥクル大の新学期式、5言語で「祈り」
2011年10月18日付 Radikal 紙
マルディンにあるアクトゥクル大学の新学期の式典で、コーランが読まれ、トルコ語、クルド語、アラビア語、アッシリア語、アラム語の5言語で祈りが捧げられた。
トルコで初めて、大学の新学期式がコーランの読誦とともに始められた。式典は、マルディン県ダルゲチト郡のムフティー、ヤクプ・ユクセル氏のコーラン読誦で始まり、開会の言葉へと続いた。式は、トルコ語、クルド語、アラビア語、アッシリア語、アラム語の5言語で読みあげられた祈りとともに幕を閉じた。
アルトゥクル大学のヴァリ・メフメト・クルチュラル学長記念講堂で行われた新学期式には、マルディンのトゥルハン・アイヴァズ県知事をはじめ、マルディン県選出でAKPのアブドゥッラヒーム・アクダー議員、ベシル・アーヤーンオール・マルディン市長、セルダル・ベディ・オマイ学長、マルディン在住の各宗教関係者ほか、大学職員、学生、多くの来賓客などが参加した。
マルディン県選出でAKPのアブドゥッラヒーム・アクダー議員は式典でスピーチを行い、クルド問題について、障害をひとつひとつ乗り越えていることを、高等教育機構(YÖK)に認可されたクルド語の学部教育の例を上げて話した。またアクダー議員は首相が2005年、クルド問題に関して初めてディヤルバクルで演説したことについても次のように話した:
「この問題の名前はクルド問題である。この問題は私たち人間の命を奪い、村々を焼き、人的資源を浪費し、生活を脅かしている。(しかし)首相はこの問題に関して大きなリスクを負った。厳粛な態度でこの問題に臨んだ。そして先駆けの役割を果たす準備を行った。そのひとつがトルコ国営放送TRT(のクルド語放送開始)であり、ひとつが現在この大学に設置されたクルド言語・クルド文学の学部、大学院課程での学術教育である。このおかげで、子どもたちは服役中の父親と母語で会話ができる。親は子どもたちに好きな名前を付けることができる。自分たちの村の本当の名前を呼ぶことが出来るのである。これらは称賛に値する、歴史に残る一歩である。偉大な政府は、自国民の問題を解決する政府だ。」
またアクダー議員は、演説の最後にジズリのクルド語の詩を詠い、最後の言葉とした。
■知事、学生に謝辞
一方でトゥルハン・アイヴァズ県知事の演説は、マルディンの学生たちが学生運動の際に、卵やトマトを投げつける代わりに対話で臨んだことについての謝辞から始められた。知事の演説では、自身が学生であった1970年から80年代にかけておこった運動を例に挙げ、国を前進ではなく後退させた代償を払わなければいけない世代の代表として、今回の事件が仕立て上げられたものだと話した。また学生たちがこの類の事件に注意するよう促し、次のように語った:
「あの時代、石をなげ、あばれ、暴力をふるうもののうち、死ぬ者は死に、死ななかった者は皆投獄された。そんな時代を経験した。(だからこそ)再び同じことが起こらないでほしいのだ。私たちは、もう、その結末をしっているのだから。こうしたシナリオから、利益をえる連中がいるのだ。そのうち連中が表に表れ、私たちの祖国はその手にわたる(訳者注:軍による、軍事クーデターをさしている。)。
今ふたたび、連中がやってきて、この国を、この祖国を救おう、といっているが、彼らの目的は、君たちのもっている金だ。金を巻き上げようとしているのだ。もう何度もおきたことだ。この種の事件のあと、いつも情勢は混乱し、気がつけば、我々はポケットにあったお金も、財産も、みな失っている。みなも知っているように、「2月28日過程」ののち、民間の銀行口座にあった5000万ドルが消えてなくなっていたのだ。だからこそ、こんな筋書きに対し、特に君たち学生は覚醒していなくてはいけない。なぜなら、私は、同じようなシナリオが密かに書かれているのを感じている。ふたたび、馬鹿な過ちを繰り返していけないのだ。」
■5言語で祈り
またアクトゥクル大学のセルダル・ベディ・オマイ学長は、大学の学問分野における活動について報告した。大学新学期の式典は、マルディンのムフティー、ドゥルスン・アリ・ジョシュクン氏によるトルコ語、ソル・マドラサのイマーム、モッラー・オメル・ナス氏によるクルド語、ラティフィエ・モスクのイマーム、ウミト・オゾオナイ氏によるアラビア語、シリア正教の主教メトロポリト・サーリベ・オズメン氏によるアッシリア語、サービア教の精神的指導者ブリクハ・ナソリア教授によるアラム語の5言語でそれぞれ祈りが捧げられて閉会した。
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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:24272 )