イエメン政府、安保理決議の受け入れを発表
2011年10月23日付 al-Hayat 紙

■イエメン:安保理決議を歓迎、一方で武力衝突も

2011年10月23日付『アル=ハヤート』

【サヌア:ファイサル・マクラム】

イエメン政府は、平和的な権力移譲を目的とした湾岸協力会議(GCC)のイニシアチブ受諾をアブドゥッラー・サーリフ大統領に呼び掛ける国連安保理決議2014を歓迎し、積極的に安保理と協力するための用意があると発表した。
決議の歓迎にもかかわらず、サヌアでは、サーリフ大統領の支持派と反体制派(特にサーディク・アル=アフマル部族長の支持者)との間で衝突が勃発した。同時に、大統領支持派の軍隊と同軍から離脱した部隊の間で砲撃の応酬となった。反対派の情報筋によると、21人が死亡したという。
同国当局筋は声明を発表し、「政府は安保理決議に対する積極的な協力への用意がある。なぜなら、同決議はGCCイニシアチブに基づいた政治的危機の終結に向けての努力に合致するものであるからだ」と明らかにした。また、「政府は人権条約を完全に遵守する」事も確認した。
安保理常任理事国、GCC、EUそして国連は、「対話を完結させ、GCCのイニシアチブを実行するメカニズムを設定し、全関係団体がその実行に関わることを確約するために、全関係機関の間の調整を図ることに積極的に参加する」よう呼び掛けた。また、政権党とその同盟組織は、イエメンの統一や治安、独立を維持し、立憲的で民主的、平和的な権力移譲を実現するための反対派政党との対話を直ちに再開する用意があることを確認した。
イエメン政府が、全関係機関に暴力を止めるよう呼び掛ける安保理決議を歓迎した一方で、アル=ハスバ地区とその周辺、アムラーン通り、およびサヌア北部ソファン市では、政府軍と、アリー・ムフスィン・アル=アフマル少将指揮下の軍団から離反した第一機甲旅団に支援された、最高指導者ハーシド・サーディク・アル=アフマルの率いる武装集団との間で3日連続の衝突が続いた。
首都中央部にあるアッ=ズベイリー通りとケンタッキー交差点で強い爆発音が轟き、アル=ハスバ地区とその周辺では、政府軍と反体制派があらゆる種類の中型および重装武器を使用した戦闘が起き、市民数十人が死傷した。両者は諸地区の壊滅的な破壊や無辜の命を奪ったとして互いに非難の応酬を行っている。
イエメン内務省は、複数の政党「合同会議」や改革のためのイェメン組織(ムスリム同胞団)の指導者やその同盟組織らの兵士が、同省庁舎や救援キャンプ、ハスバ地区の近隣の人口密集居住地区に向けて、臼砲や火砲、RPG弾を発砲したと発表した。この発砲により市民の建物や住居が激しく損壊し、子どもや女性が数人負傷した。

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( 翻訳者:桑原奈緒子 )
( 記事ID:24317 )