エルドアン首相、BBC「戦車部隊イラクへ越境」報道を否定
2011年10月25日付 Zaman 紙

トルコ軍が始めた(イラク北部のPKK関連施設に対する)空、陸からの攻撃で、トルコ軍の戦車部隊が国境を越え北イラクに侵入したとする報道に関して、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相とトルコ軍はこれを否定した。

■エルドアン首相「これは誤報」

エルドアン首相はトルコ軍の戦車部隊が国境を越えて攻撃を行っていると報じられたのに対して、「戦車が国境を越えたという報道であるが、これは誤報である。実際にこのような出来事は起こっておらず、参謀本部にも確認が済んでいる。国境付近では通常の軍事演習が行われているだけだ。しかしこの軍事演習を、報道関係者は国境を越えて攻撃したと思っている。わたしは彼らの言っていることが理解しがたい。トルコ軍は国境を越えていない」と話した。

エルドアン首相は、トルコ―アゼルバイジャン高等戦略協力機構の会議に出席したあと、取材陣の質問に答えた。ある新聞記者の「今日のBBCの報道で、 PKKのテロリストおよそ1300~1,400人がトルコ軍の攻撃により制圧されたとする報道が、BBCイラク支局から伝えられました。この数は本当です か?」という質問に、首相は次のように答えた:

「BBCが発表した数は、真剣に受け取るものではない。全くもって誤報だ。(この数には)いかなる裏付けも存在しない。だからこの数がどこから見つかって、どうやってこのことを引き出したのかは明らかではない。ご存じだろうが、この件に関してトルコ参謀本部から出された発表もある。(これによると)5日間のうちにチュクルジャ郡でテロリスト54人が制圧された。このほかに国境沿いで行われた攻撃ではテロリスト200~270人が同じように制圧されたと推定されている。もちろんこれらのなかでチュクルジャの者たちは把握しているが、残りは、空爆のあと、軍が技術力を用いて確認した推定数である。これ以外にBBCが発表した数は参謀本部によって完全に否定されている。よってこれらの報道は完全に 誤りだ。

またもうひとつ、戦車部隊が越境したという報道だが、これもまた正しいものではない。これも言うまでもないことである。これも参謀本部長の確認が済んでいる。国境近くで通常の軍事演習が行われただけだ。しかしこの軍事演習を、報道者は国境を越えて攻撃してきたと思っている、わたしは彼らの言っていることが理解しがたい。このような事実はない。これには誤解があるだけだ。これについても国は以前、メディアや報道関係者、必要な場合には放送局の幹部に対して開いた会議で、『クルド問題に関しては特に正しい情報に注意してほしい。参謀本部、軍、首相府が行った発表を注意して見ていれば、間違った報道を伝えることにはならないだろう。間違った情報を流して世論を惑わせるべきではない』と伝えた。私たちも関係機関に、『間 違ったニュースを伝えないよう、情報の歪曲がないよう、常に情報を公開せよ』といった指示を出している。(しかし)ここで政府がこの問題に敏感に反応するのは、とても適切だろう。今後もこの敏感さを持ちつつクルド問題に取り組んでいくだろう。だがすでに述べたように、今後もテロとの闘いも、政治的話し合いも続くのだ。これが私たちの考えである。」

■参謀本部長、「国境は越えていない、軍事訓練と軍事演習が行われているのだ」

参謀本部は、トルコ軍の戦車部隊がイラク国境を越えてはおらず、(その地域で)軍事訓練と軍事演習を行ったと話した。

この件に関する書面による発表によると、トルコ軍の戦車部隊がイラク国境を越えたと報道されたとし、「この報道は真 実ではない。戦車部隊は、スィロピ郡東部のトルコ領域内及び国境に近い地域で軍事訓練と軍事演習を実行した。国民の皆さんに誤解がないよう」と伝えられた。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:24347 )