トルコ政府、地震復興に各国からの支援受入へ
2011年10月26日付 Zaman 紙


トルコ政府は、ヴァン地震の被災地復興に諸外国からの支援を受け入れることに決めた。

トルコ側は初め必要がないとして、支援の申し入れに感謝をのべつつ、それらの国を書き留めるだけにとどめていた。しかし、被災地でテントやプレハブへの必要が高まったのをうけ、以前支援を申し出ていた30以上の国へトルコ政府はこの状況を伝えた。今までで10カ国がトルコの必要とするテントやプレハブ小屋を始めとして最低限必要な物資を届けることを発表した。その国とはドイツ、イギリス、フランス、日本、スイス、イスラエル、カザフスタン、ウクライナなどである。

ドイツは36万ユーロ相当の冬用テント500個、2千5百枚の毛布、そして14のテント用暖房機を被災地に送る。フランスは、家をなくした被災者へ届けるために大きなテントを積んだ支援物資輸送機を今日トルコへ派遣する。EUは避難所を始め緊急物資や衛星情報を提供する。アゼルバイジャンに続き、ボスニアヘルツェゴビナでも支援運動が始まり、カトリック世界の精神的指導者である教皇ベネディクト16世が昨日トルコへの支援を呼びかけた。

支援国の中で最も注目を集めるのはイスラエルである。マーヴィ・マルマラ号襲撃以降、2カ国間には最大の危機が生じている。しかしイスラエルで山火事が起こった時、トルコは消火飛行機を派遣し支援を行った。ヴァン地震直後、イスラエル政府はトルコへの支援を申し出た。さらにイスラエルのビンヤミン・ネタニヤフ首相はエルドアン首相へ電話で「あなた方は我々へ火事の時に援助をしてくれました。今度は我々が援助する番です」と述べていた。アンカラ政府からの支援の要請を受けると、イスラエルはすぐ行動に移した。イスラエル防衛省ウディ・シャーニ氏事務次官によると、まず約100棟のプレハブ住宅を送ったという。

■「トルコ・イスラエル間の政治的な状況は変わらない」

イスラエルがトルコへ行った支援が2国間の関係を和らげるかどうかが注目されているなか、イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン外務相から「これらは完全に異なるものだ」とのコメントが届いた。リーベルマン外相はまた、「自然災害は、政治や外交と一緒に考えるようなことではない」と述べた。イスラエルの元駐アンカラ大使アロン・リエル氏も「この出来事で外交的な見返りを我々は期待してはならない」と述べた。イスラエル外交官は、「災害の後、支援を申し出たことで、国家間の外交関係は変わらない。カルメル山火事の時も謝罪問題で議論がなされていたが、トルコからの支援はこれには影響を与えなかった」と述べた。アフメト・ダヴトオール外相も外国からの支援申し入れには、なんの偏見も持たずに接していると述べる一方、「しかしイスラエルからの支援があると言っても、イスラエルへの私たちの態度は変わりません。政治的な状況は同じです」と述べた。

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( 翻訳者:榎本有紗 )
( 記事ID:24359 )