トルコ、バルザーニー北イラク・クルド自治政府大統領へ対PKK行動要請
2011年11月03日付 Hurriyet 紙
アフメト・ダヴトオール外務大臣は、テロ組織PKKに対して皆が毅然とした態度で臨むのは当然のことであり、そうすべき責任があると述べ、北イラク・クルド自治政府からも、PKKに対して明確な態度と積極的な協力を期待していると述べた。
北イラク・クルド自治政府のマスード・バルザーニー大統領と会談したダヴトオール外相は、会談の最後にバルザーニー大統領と手短に記者会見を行った。ダヴトオール外相は、バルザーニー大統領とトルコで会えて光栄だと述べ、バルザーニー大統領はトルコを以前から頻繁に訪問しており、1990年代以降トルコを自分の家のように思っていると話した。ダヴトオール外相は、次のように述べた。
「近年、トルコと北イラクのクルドの兄弟たちとの関係は大きく進展しました。2009年に私が、今年はレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が(北イラクの)アルビルを訪問しました。全世界に対してエルドアン首相は力強いメッセージを発しました。クルド人とトルコ人は、どの国にいようとも、昔から永久の兄弟なのです。そして、この古くから続く友好は、この土地で強固なものになり、将来に伝えられていかなければなりません。
我々の地域でみられる近年の進展によって、この友好のさらなる発展が大きな重要性を持つようになりました。なぜなら、この地域で全ての仕組みが新たにつくられる際に、トルコ人とクルド人の友好は建設的な役割を担っているからです。それはこの地域に永続的に影響を及ぼしていくものでしょう。この友好関係を脅かす最大の要因は、テロ組織の活動です。テロ組織の活動は、単にトルコだけでなく、トルコにおけるトルコ人とクルド人だけでもなく、北イラクのクルド人の兄弟にも害を与えています。(テロ組織は)この古くから続く友好を脅かし、揺るがす状況を望んでいるのです。」
■トルコ人とクルド人は、この地域で兄弟として生きていく
ダヴトオール外相は、最後にチュクルジャでトルコ人、クルド人、そしてアナトリアの出身の24人の殉職者が出たことを喚起し、この兵隊たちが亡くなったとき、メスード・バルザーニー大統領がレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に電話をし、お悔やみと連帯の気持ちを伝えたと強調した。ダヴトオール外相は、同日、(北イラク)自治政府のハイレベルから、ネチルヴァン・バルザーニー氏がアンカラを訪問し、包括的な会談を行ったことに言及し、イラクあるいは北イラク自治政府からの諸期待を、ネチルヴァン・バルザーニー氏と明確に共有したと述べた。
ダヴトオール外相は、バルザーニー大統領がヴァン地震の後にも、エルドアン首相に電話かけてお悔やみの言葉を送ったと話し、バルザーニー大統領が今回も直接会談を続けるためにトルコを訪問しているのだと述べた。この訪問が、犠牲祭前に行われたことは象徴的な意味があると強調するダヴトオール外相は、次のように続けた。
「我々は、ここで改めて、この犠牲祭で、そして永遠に行われていくすべてのバイラムで、トルコ人とクルド人がこの地域で、兄弟として一つの場で一緒に一家族として生きていくことを申し上げます。さらにこの会議を通じて、もう一度この友好に打撃を与えようとするテロ活動に対して、全てのトルコ人とクルド人、トルコ政府と北イラク自治政府とが、ともに行動していくということも述べたいと思います。我々のメッセージもバルザーニー大統領にはこのようにお伝えいたします。もはやこの友好関係に害をあたえるテロ組織に対して、皆が毅然とした態度をとることを待ち望むことは、我々の権利であり、我々の責任でもあります。テロに対して、今後北イラク・クルド自治政府からもさらに明確な態度で、積極的に支援と連帯を望んでいます。」
■互いに信頼で結びついている
ダヴトオール外相は、バルザーニー大統領と素晴らしい会談を行ったこと、戦略的な意味で将来に向けた展望を共有したと述べ、会談は夕食の際にも続けると述べた。ダヴトオール外相は、「私はこのような重要な時期にこのような連帯意識をもってトルコを訪問してくれたバルザーニー大統領に歓迎の意を表します。我々の国はあなたがたの国です。我々の家は、あなたがたの家です。この友好は、永久的に続くでしょう」と話した。
メスード・バルザーニー大統領も、この機会に感謝をし、「トルコの兄弟のみなさんと一堂に会せたことを改めて嬉しく思います」と話した。トルコ国民の犠牲祭をお祝いすると述べたバルザーニー大統領は、トルコとの関係は自分たち自身にとって最重要であると述べた。
「我々は信頼で結びついています。共にこの信頼をさらに発展させるために、あらゆる努力をします」と話すバルザーニー大統領は、トルコとの現在の関係が重要だと述べた。
(トルコと北イラクの)関係が、エルドアン首相のアルビル訪問後に発展したとするバルザーニー大統領は、「何があっても歴史に基づいたトルコとクルドの友好が壊れるようなことはないでしょう」と話した。
バルザーニー大統領は、トルコ政府高官たちと双方が関心をもつ全ての問題について話し合うことで、良い結果を導き出せると考えていると述べた。
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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:24443 )