■さらば、腐った肉の季節よ
2011年11月8日 『アル=アハラーム』
過去数年間にわたって犠牲祭は、良心が荒廃した者にとって、人間の食用に適さない腐敗した肉で市場を溢れさせるのに適した時期であり、また一部の商人にとっては、様々な病に冒された仔牛や仔羊を売却して処分する、よい機会であった。大半の市民が公営の屠畜場ではなく自宅の前で、検疫も受けさせずに犠牲獣を屠ることにつけいってきたのである。同様に犠牲祭には新鮮な肉の供給が減り、また肉屋もその状況を利用することから、価格の高騰が起きる。今年の犠牲祭も、これまでと変わりないのだろうか。
会社員のムスタファ・イブラーヒームは、「祭の二週間前から今まで、様々な地区や広場に、子羊や家畜を売る何百ものテントが建てられているが、これらの動物たちの出所は市民には分からないし、獣医学的検査が行われているのかどうかもわからない。時にはそのほとんどが、動物から人間に感染する病に冒されている」と話す。
会計士のアブドゥッラー・マフムードは、「市民の健康と環境を守るために獣医学的検査を徹底するため、屠畜場外での犠牲獣の屠殺は完全に禁止するべきだ。なぜなら、犠牲祭の間にいったい何千頭の病気の動物が消費されているのか、検査が行われないために我々にはわからないからだ。この二日間に、家の前での屠殺により流れた血で道路が汚染されただけでも十分だ」と語る。
教師のガラール・ハムディは、「毎年起こるように、商人や肉屋が品不足を利用して価格を吊り上げないよう、犠牲祭が終わった後も、配給所や生協に出回る安い国産の新鮮な肉の量を増やすことを政府に望む。市民、特に低所得者を商人の搾取の餌食にしないで欲しい」と話した。
自由業のマグディ・ファールークは、この時期の流通量[の多さ]は検疫作業の手抜きにつながることから、精肉や輸入家畜への厳密で良心的な検査が必要だと強調し、中には賄賂や金銭的な誘惑のために、有害物質を消費者の手に届けることに加担してしまう、心の弱い人間もいると話した。
獣医学監督局長を務めるスアード・アル=フーリー副大臣は、おめでたい犠牲祭を迎え、人間の消費に適した肉が消費者の手に渡ることを保証する為に、包括的な計画が策定されたことを確認した。まずは包括的な委員会に迎えた一流の獣医たちが輸入前の精肉や家畜に対する検疫を原産地で行い、病気を持ったいかなる肉も動物も、エジプトに入ることを許されなかったと語った。更に、エジプトの港湾や検疫所に到着した際にも検査がおこなわれており、過去数日内に結核に感染した動物が発見されて、犠牲祭の直前に殺処分されたという。
(後略)
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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:24479 )