ドイツのPKK―ドイツ連邦憲法擁護機構の2010年報告書より
2011年11月09日付 Hurriyet 紙
エルドアン首相がドイツのメルケル首相との会見の際に言及した連邦憲法擁護機構2010年報告書は、PKKのドイツにおける活動を日の下にさらしている。報告書によると、PKKはドイツで数百万ユーロもの資金を調達し、11500人のコアメンバーがいるという。また、今後、ドイツでの活動を活発化させることを予定しているという。
ヒュッリイェト紙は、エルドアン首相が去る11月2日、ベルリンでメルケル首相との会見の際に言及した連邦憲法擁護機構2010年報告書の詳細を入手した。同報告書では、ドイツにとっての脅威となりうる活動が列挙され、その287頁と305頁にはPKKについての言及がある。エルドアン首相が、「ドイツには一万人以上のPKK戦闘員がいる」といった根拠となっているこの報告書では、その数字は11500人と、より詳細に書かれている。同報告書で、PKKは、「イスラム主義以外の外国人過激組織」の筆頭にあげられ、PKKが1993年11月22日にドイツで非合法されたこと、2002年にEUのテロ組織リストに加えられたことを明記している。ドイツにおけるドイツ人過激派と外国人過激派を網羅した大部な報告書は、2011年の夏に刊行された。
■PKKの財務事務所がある
トルコが、PKKとの闘争に関し、ヨーロッパ諸国に特に注意を喚起しながらも、十分な対応がとられていないことに不満をもっているのが、PKKの経済的な活動である。報告書では、それが次のように詳細に叙述されている。
「PKKの最も大きな財源は、ヨーロッパ、とくにドイツにいる組織支援者から集める寄付金である。また、毎年催されるクルディスタン・フェスティバルや書籍の販売からの収入も、組織の重要な収入源である。集められる資金は毎年増加している。今年(2010年)には、ドイツだけでも数百万ユーロが集められた。この資金は、トルコ・イラク国境でトルコに対して抗戦をつづけている組織にとって、重要な支援となっている。送金にあたっては、PKKの経済・財務事務所がもっとも重要な役割を果たしている。」
■コア・メンバーは11500人
報告書はドイツにおけるPKKの人数についても、次の数字を挙げている。
「PKKは、自分たちをトルコから来てドイツで暮らす約80万のクルド系市民のリーダー的存在だと任じている。このうち11500人は、PKKの活動の各分野でのコアメンバーだと言える。
報告書のその他の注目すべき点としては、次の点があげられる。
「PKKの名前では活動できなくなって以来、組織は「ドイツにおけるクルド系協会連合(YEK-KOM)の名のもとで活動を続けている。YEK-KOMは、公にPKKがイラク国境地帯でトルコ軍に対し行っている武装闘争を支援している。
■若者を組織化
彼らは、シャーヒン集団(TAK) のように、名前しょっちゅう替えながら活動している。コメラン・ジヴァン氏は、組織による様々な若者向けの催しものに参加し、若い支援者を獲得し続けている。この若者たちの一部は、教育のため北イラクにあるキャンプに送られている模様だ。彼は2010年7月10日にケルンの南スタジアムで、「第13回虐げられたクルド青年の文化とスポーツの祭典」を行い、そこには約5000人の同調者が参加した。組織は文学サークルや法律相談の組織、あるいは女性の組織など、多くの組織を有している。
以下は、報告書からの引用である。
■ロジTVに関する裁判所判決はない
連邦内務省は、2008年6月19日に、デンマークに拠点をおくメソポタミア出版が所有するロジTVとVIKOテレビ出版の活動を禁止したが、これに関し確定した裁判所判決はない。特に、「新自由政治新聞」は、ヨーロッパ中で多くのデモや寄付キャンペーンを行っている。
■左派党の支援
左派党は、2010年に、一般的な意味で、PKKを政治的に支援することを決めた。「新自由政治新聞」の報道によると、PKKの創設32周年を記念してマンハイムで行われた催しに、左派党の代表が参加した。デュッセルドルフでのノウルーズの祝賀には、一人はヨーロッパ議会の議員、2人はノルトライン=ヴェストファーレン州議会議員である3名の左派党員が参加した。この祝賀では、主にアブドゥッラー・オジャランの解放がテーマとして語られた。「新自由政治新聞」によると、ノルトライン=ヴェストファーレン州の2010年5月9日の州議会議員選挙に1人のクルド系候補を擁立するため、左派党が運動を始めたという。
■3名が起訴
報告書は、アメリカが、2008年来、アメリカ合衆国市民がPKKやそれに近い組織と経済的な取引をすることを禁じていることを記す。また、デュッセルドルフ、シュツットガルト、ドルトムントの各州裁判所は、2010年に3人のPKK幹部に対し、組織の地方代表を務めた罪で起訴し、1年から3年6カ月の判決を下したという。
■2つの異なる戦略
PKKは2つの異なる戦略をとっているという。「組織は、ヨーロッパ世論に対しては、自分たちを武器をもたない、民主的な闘争を行う、そして平和的な手段で要求の実現を求める組織のように見せている。しかし、組織の第二の(そして真の)顔は、HPG勢力の介入で何度か偽りの「休戦宣言」をしたものの、トルコ・イラク国境地帯でトルコ軍に対し武装闘争を行っている顔である。
■影響力増大
PKKについての最終評価では、これからの数年の間、PKKがドイツにおいて寄付集め、様々な催し物やフェスティバルの開催を通じ、シンパの数を増やしていくであろうことは確実視されていると述べる。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:24488 )