イラク:米軍の撤退状況
2011年12月09日付 al-Hayat 紙


■アル=バスラの諸部族は撤退する米軍を警備したとの発表を否定

2011年12月9日 『アル=ハヤート』

【アル=バスラ:アフマド・ワヒード】

 アル=バスラの名望家評議会は、同県の諸部族が撤退する米軍を警備したとの米軍司令官らの発言を否定した。評議会のムハンマド・アッ=ズィーダーウィー副議長は本紙に対し、「このニュースは、根拠のない主張に他ならない。また、南イラクの諸部族の指導者らと米軍との間に結びつきがあってほしいという彼らからのメッセージである。実際はその反対で、諸部族と米軍との間にはいかなる協力も結びつきもない。」と述べた。

 一方、バスラ県のアッバース・アル=ファドリー県知事顧問(部族問題担当)は、「諸部族は、地方政府と中央政府の両方と結びついており、(訳注:米国という)別の政府とは何の結びつきもない。また、諸部族がイラク軍以外の軍隊の指揮官らとの行動に参加することもあり得ない。」と強調した。また、同顧問は、「'我々の治安上の役割は、イラク軍への支援、情報の提供に限定されている。これは、テロリストに対抗するためである。諸部族は、アル=バスラ県の米軍の報道官らが述べたような治安上の活動をしていない。私はアル=バスラ県と南イラクの部族指導者複数と協議するが、我々は彼らと米軍との間のいかなる協力も関知していない。米軍は、イラクの中央政府と連携すべきである。」と述べた。

 米軍のダグラス・クリスマン大佐は、米軍のアル=バスラ緊急作戦基地で、「イラクの諸部族は、撤退中の米軍を警備する用意を示した。諸部族はそれにより報酬を受け取る。」と発表した。同大佐は、「現在、我々は高速道路沿いの諸部族を監督する部族指導者20名以上と関係を結んだ。我々は、高速道路の安全を保つ見返りに彼らに金銭を支払う。過去数年、我々と諸部族の指導者との間には治安上の共同行動がある。例えば、爆破事件があった際、我々は事件があった地域を担当する部族指導者に電話し、事件について照会する。我々はその指導者に、“これはあなたの責任である。あなたが義務を果たさないのに、なぜ我々はあなたにお金を払うのか?”と言うのである。」と付け加えた。

 11月中旬、米軍はマイサーン県(バグダードの南方390㎞)から撤退した。そして、ジー・カール県の前線基地からも12月中に撤退すると発表した。さらに、アル=バスラ県の海域の警備任務をイラク軍に引き継ぐことも発表した。

 米国のバラク・オバマ大統領は、去る10月21日に、彼の軍隊が2011年中にイラクから撤退するだろうと宣言していた。米軍のイラクからの撤退は、イラク政府と米国政府との安全保障協定に基づいている。

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( 翻訳者:高岡豊 )
( 記事ID:24794 )