ニューヨークで作家オルハン・パムク氏と一緒にいるところを目撃されたのは、キャンバス画、写真作品、映像作品が注目を浴びているカロリン・フィシェクチさんだ。
ミッリイェト紙によるカロリン・フィシェクチさんの情報はつぎのとおりだ。
カロリン・フィシェクチ:昨日、トルコでは彼女を「オルハン・パムクの新恋人」として報じたが、彼女の評価はそれだけではない。フィシェクチさんは、キャ ンバス画や写真、映像作品で注目を集めている新進気鋭のアーティストなのである。自身のブログ (http://karolinfisekci.blogspot.com/)では、自分について「世界中で”もっともセクシーな”アーティスト」と表現し、「もちろんわざとです」と続ける。「自己紹介の一言目が刺激的すぎるのはわかっています。でもこれはある種のゲームで、私もこんな風に遊んでいたいと望んでいるのです。このサイトでは、私の仕事や展示会からの写真それにメディアに出た私の記事をごらんください。」
このような導入につづいて、彼女の作品が並べられている。
フィチェクチさんは2003年にミーマル・スィナン芸術大学の絵画専攻を卒業。この32歳の芸術家は、女性のイメージを通じて作品作りをすすめている。もちろん大学院時代もこの方面の創作をしていたようだ。性や男性優位をテーマにした作品を発表する彼女は、「私は自分の作品で意図的に性的なものを扱っているわけではありません。だってそういうものは誰の内側にでもあるのですから。たぶん私は人より(その意識が)多いうえ、かなり外に現していますが」と話す。
彼女は2011年3月にアラン・イスタンブル・ギャラリーで開催された「欲望のうちの欠けているもの」と題された合同展に出品した。そんな彼女の最も有名な仕事の一つはフラント・ディンク記者の死の後に撮られた写真作品だろう。彼女は、マチュカ公園のトルコの偉人の像16体にキスしているその作品について、次のように語った。
「わたしはアルメニア系の家族の出身ですが、「お口に合うアルメニア人」と呼んでもらってもかまいません。トルコ人との婚姻もあった家族で育ちましたから、アルメニア語を勉強する必要性も感じませんでした。アルメニア人であることのなんの有利さも不利さも経験しなかったのです。つまり私にとってアルメニア人であるということはそれほど重要ではありませんでした。でもフラント・ディンク記者が殺害されたとき、アルメニアの問題を感じて涙してしまいました。この問題について考え始めたのはその時です。銅像にキスするアイディアは以前からありましたが、その時にピンときたのです。『トルコの偉人をものすごく愛しています。私も皆さんの中の一人です』というために、キスしたんです。」
多くの作品で自身も登場するフィシェクチさんの「トップ・オブ・ザ・キャノン」という作品は、2009年に発表され、アメリカン病院の「展示室」に展示された。その作品で彼女は、赤いミニスカート姿でベシュクタシュの海軍美術館そばの大砲の上でポーズをとり、男性を象徴したシンボルに重なり合っているものだ。
男性中心、そして軍国主義というテーマに「女性の」立場でアプローチした作品について、彼女は、「どこまでが許されるかの境界線は、自分で決めています。それも、とても広いものとして」と話している。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:24808 )