Taha Akyol コラム:エルドアン「大統領」?
2011年12月14日付 Hurriyet 紙
2014年にタイイプ・エルドアンはチャンカヤ(大統領官邸)に入る。しかし、現行の大統領としてか、はたまた公選大統領としてか?トルコは公選大統領制になるのであろうか?
タイイプ氏は、公選大統領制は大変意義のあるものだと信じていると語った。議論とともに公選制が良いものであると承知され、制度の移行がスムーズになればと望んでいる。
この方法ではいくつかの問題点と留意点がある。まず、大統領選挙は2012年か?2014年か?議会で承認されるであろうか?昨日、セダット・エルギ ンも書いたように、国民投票を用いる場合、公正発展党(AKP)が憲法を改定するには、国会で4票不足している。投票の際に、他の政党から賛成票を出す4名が出るだろうか?
■選挙は2014年
(大統領を選ぶ)選挙日程に関しては、同程度に重要な2つの法的見解がある。
-アブドゥッラー・ギュルは国会に7年の任期で選ばれた。後に憲法に追加された「5年」制は国民が選んだ大統領のためのものである。
-いや、どうやって選ばれるかに関わらず、大統領の任期は5年だ。選挙は2012年である。
この法的不明瞭さの理由は、憲法改正と大統領の公選制に関する条項を決める際に、任期を明確にする臨時条項を定めなかったためだ。(101、102条)
選挙日程と選挙のプロセスを規定する法律も未だできていない。
法律が不鮮明である場合に、政治が決定をおこなうことになる。つまり、最終的な決定はギュル、エルドアン両氏が下す。私の予想は2014年だ。2012年に突入しそうな今、政権は未だこれに関する法律を出していない。ということは、選挙日程を2014年に考えているということである。
■国会で採択されるか?
この公選大統領制のために憲法改正案を国会に申請するには184以上の議員が必要である。しかし、国会で可決されるために必要な最低330票が(与党に)あるとは考えられない。公正発展党で4票足りないことに加え、何人かの公正発展党の議員も秘密投票で「反対」の票を投じると考えられる。
公正発展党が影響を与えることができるリベラルな立場の法律家の多くも公選大統領制には反対である。党内でも盛り上がりを見せていない。
私は、このような条件下でタイイプ氏が制度を変えるために無理をするとは思わない。
■公選大統領制は良いか?
文面上では良いだろう、政府が危機に陥らないし、国会戦術や党派争いのような要素が国会運営に影響しない、等。
半公選大統領制は別の問題だが、公選大統領制には私はずっと反対している。独裁をもたらすなどという妄想をしているわけではないが、このような根本的制度の変化がもたらす負担が、期待される効果以上に重いと思うからだ。
変更点の中には首相、閣議、省庁組織、省庁といったものを含むすべての法律、法令を変えてしまうことも含まれているのだ。私は地方分権制を支持しているが、公選大統領制とすると連邦制も必要になってくる。高等司法機関をまた再編成しなければならない。オスマン帝国以来700年、立憲制から150年、共和国誕生から80年をかけて定着し、根付いた「国家元首と政府の長」という形の慣例、慣行や思考、政治文化でさえ変えなければならないということだ。 嗚呼。
期待される効果はこうした混乱に値するのか?
(以上の点を考えると)おそらく、(制度の変更はなく)現行制度のまま、タイイプ・エルドアン氏は大統領に、アブドゥッラー・ギュル氏は首相に就任することになるだろう。
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( 翻訳者:奥 真裕 )
( 記事ID:24841 )