イラク:米軍の撤退
2011年12月17日付 al-Hayat 紙


■米軍、イラクでの最後の基地から退去

2011年12月17日 『アル=ハヤート』

【バグダード:ジャウダト・カーズィム】

 昨日(16日)、イラク当局はアン=ナースィリーヤ西方にある「イマーム・アリー空軍基地」の引き渡しを受けた。この基地は、イラクにおける最後の米軍基地である。報道機関にリークされた情報によると、ヌーリー・アル=マーリキー首相は防空司令部の編成を命令したが、これは米軍撤退後の空白を埋めるための措置である。

 イラク政府のアリー・アッ=ダッバーグ報道官は本紙に対し、「本日(16日)、米軍は最後の基地をイラク当局に引き渡した。これは、両国の間の安全保障協定に従った措置である。安全保障協定は、全ての米兵を今月中にイラク領から撤退させると規定している。」と述べた。

 同報道官は、「今般の引き渡しにより、米国人は全ての基地から退去した。これらの基地は、彼らの軍隊が過去9年間にわたり使用してきた。」と述べた。また、同報道官は、アル=バスラに米軍基地が存続するとの話を否定し、「このような主張は正しくない。基地の引き渡しは公開の下行われており、アル=バスラで彼らに残るのは空港の領事拠点だけである。これは英国領事館と同様のことである。以上は公開されていることであり、秘密ではない。」と述べた。

 イラクからの外国軍の撤退は、イラクと米国が2008年12月14日に締結した協定に沿って行われている。この協定には、米国のジョージ・ブッシュ前大統領が調印した。今般の退去は、上記協定に基づく撤退の最終段階と見なされる。撤退の第一段階は2009年初頭の米軍の都市の外への再展開で始まった。この段階は、2009年6月に終了した。

 アッ=ダッバーグ報道官は、来月1日以降イラクにはいかなる米兵もいなくなる。すなわち、彼らがイラクに残留する法的根拠や安全保障上の根拠は存在しないのである。」と述べた。また、同報道官は「撤退は継続しており、組織的に行われている。この撤退が終わることにより、イラクと米国との関係は非軍事的な関係になり、両国の関係は国際的な諸議定書の枠組みが規定する。」と指摘した。

 アッ=ダッバーグ報道官は、バグダードの米国大使館警備のために残留すると決められている米兵の数について、「イラクに米兵は残留しない。大使館警備の問題は米国外務省の責任であり、国務省が公開の協定に従って海兵隊を用いて警備を行う。彼らがいることは軍事的駐留とは呼ばないし、彼らの任務は大使館警備だけである。」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:高岡豊 )
( 記事ID:24859 )